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安倍新政権は流行語大賞をゲットできるか
著者 木村傳兵衛

安倍新政権は流行語大賞をゲットできるか

美しい国

安倍晋三首相の構想する「日本のあり方」を表現する言葉。具体的には「文化・伝統や自然、歴史を大切にする国」「自由と規律を知る凛とした国」「世界に信頼・尊敬され、愛されるリーダーシップのある国」など。2006年7月に出版された『美しい国へ』(文春新書)では、生い立ち、北朝鮮問題や靖国問題もふくむ外交、少子化、教育など、さまざまな具体的問題をとりあげている。さらに保守の姿、真のナショナリズムのあり方など、政治的立場もうかがえる。

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再チャレンジ  re challenge

造反組の「再チャレンジ」という意味ではない。安倍首相は、所信表明演説で「新たな日本が目指すべきは、努力した人が報われ、勝ち組と負け組が固定化せず、働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化している社会、すなわちチャンスにあふれ、誰でも再チャレンジが可能な社会です」と言っている。 その内容は国家公務員の中途採用や「70歳まで働ける企業」実現など。しかし「国家公務員のフリーター枠採用」案は早々にボツになった。

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造反組

2005年の郵政民営化関連法案の衆院採決で反対し自民党離党を強いられた(造反)議員たち。「造反」とは、組織や体制の中からそのあり方に対して批判・抵抗を行うこと。平沼赳夫元経済産業相(岡山3区)、野田聖子元郵政相(岐阜1区)ら無所属の衆院議員12人、落選した小泉龍司氏(埼玉11区)ら元議員5人の計17人。造反組の復党容認問題については、造反組の選挙区に「刺客」として立候補し、当選した新人議員を抱える衆院側には慎重論がある。

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刺客

→2005年12月号参照

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復党容認

造反議員の復党容認問題で安倍晋三首相はいったん落選組を含めての一括復党を容認したが、その後、前首相・小泉純一郎や幹事長・中川秀直らの巻き返しにあい、最終的には「平沼赳夫(元経産相)抜き現職11議員復党」で中川に結論を委ねている。小泉の側近は「一人でも復党させたら、安倍内閣は小泉内閣の継承者じゃない」と、安倍や中川への不満を漏らしたといわれる。造反組には、思想信条で安倍首相に近いメンバーが多く、この復党で党内の力学が変わることが予想される。

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平沼赳夫

→2005年1月号参照

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中川秀直

広島県第4区選出の衆議院議員。1944年生まれ。東京都新宿区出身。慶応義塾大学法学部卒。日本経済新聞社記者を経て、76年初当選以来、当選9回。自民党森派。国会対策委員長、政調会長と党の要職を歴任して小泉政権を支えた。2006年9月、武部勤に代わり、自民党幹事長に就任。

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タウンミーティング  town meeting

略称、TM。政治家が全国各地に出向き、一般市民と対話する集会のこと。 政策課題などについて市民に語りかけるとともに、市民からの意見に耳を傾ける機会となっている。2001年に小泉首相の所信表明演説で、初めて打ち出され、03年12月までに通算100回(全都道府県で開催)を数えた。青森県八戸市で2006年9月に開かれた「教育改革タウンミーティング」で、主催者の内閣府が参加者に教育基本法改正に賛成する趣旨の質問を依頼したこと(やらせ質問)が発覚し、問題化した。

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教育改革

→2002年11月号参照

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やらせ質問

青森県八戸市で2006年9月に開かれた「教育改革タウンミーティング」での「やらせ質問」疑惑問題で、同市教育委員会は11月7日、主催者の内閣府の要請で質問依頼に関与していたことを明らかにした。質問した10人のうち2人が「やらせ」だったとみられている。その「やらせ」の中身とは、教育基本法改正を国民が望んでいるという雰囲気をつくり出すため、そのような意見や質問をあらかじめ書いて参加者に渡し、あくまでも自分の意見であるかのように、わざとらしくなく言ってくれという指示までつけたという。

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やらせ

別名、「仕込み」あるいは「出来レース」。テレビのドキュメンタリーなどで、事実らしく見せながら、実際には演技されたものであること。演技された、というのは「事前の打ち合せ」があったということ。過去、テレビ番組の制作で発覚した際には大騒ぎとなっていたが、昨今それが「タウンミーティング」などを舞台に、税金を使って行なわれるようになったとは。

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教育基本法改正

発足まもない安倍内閣が最重要法案と位置付けている改正教育基本法はこのままだと自民、公明の与党の賛成多数で可決、成立する見通しである。「教育の憲法」と呼ばれる教基法の改正は1947年の制定以来初めてのことで、今回の見直しにより「個」よりも「公共の精神」の重要性を強調、教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを掲げ、「愛国心」重視の姿勢をにじませている。

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ぷちナショナリズム

→2006年05月号参照

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道州制

「都市と地方の格差」拡大や「平成の大合併」を背景に、都府県を廃止して、都府県を合併して行政を一元化しようという案など、さまざまに議論が提起されている。安倍晋三首相は、自らの選挙区である中国地方の山陽と山陰の格差を例に挙げ、道州制のビジョンを総裁選のときに示している。また担当大臣(佐田玄一郎)も置いた。

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平成の大合併

→2004年4月号参照

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内閣支持率

毎日新聞社は11月25、26日、全国世論調査(電話)を実施。発足2カ月の安倍晋三内閣の支持率は53%と過半数を維持したが、前回調査の67%と比べ14ポイントの大幅減だった。前回調査は発足直後の9月26、27日に行われ、発足後、初めての支持率としては戦後歴代3位の高水準だった。なお、同じように日本経済新聞社が9月26日から27日に行なった世論調査によれば、内閣支持率は71%で、こちらは小泉政権の80%に次ぐ歴代第2位を記録している。日本経済新聞社にも2カ月後調査を実施してもらい、何ポイントの変動があったか示してほしいものだ。

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支持率

→2002年07月号参照

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アッキー

安倍晋三首相の夫人である安倍昭恵さんの愛称。昭恵さんは聖心女子専門学校を卒業後、広告代理店の電通に勤務。安倍晋三と1987年6月に恋愛結婚している。父は、森永製菓元社長の松崎昭雄。京劇が好き、韓流が好き。「アッキー外交」なる言葉が出るほど。日本のファーストレディーがこのような形で注目されることは珍しい。

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安倍晋太郎

1980年代末、自民党のニューリーダーの一人と呼ばれた政治家。岸信介の女婿にあたり、第90代内閣総理大臣である安倍晋三は次男に当たる。「晋太郎」の名は、明治維新の志士であった高杉晋作の一字を取って命名された。1987年、第3次中曽根内閣の任期満了に伴う総裁選で、ニューリーダー「竹下登、安倍晋太郎、宮沢喜一」の3名が有力と目されたが、中曽根裁定により、竹下内閣が発足。竹下内閣下で、安倍は自民党幹事長となり、消費税導入などで国会対策の先頭に立った。ポスト竹下の最有力候補と自他共に認める存在であったが、秘書がリクルートコスモスの非公開株をめぐる事件に巻き込まれる。1990年ミハイル・ゴルバチョフ書記長(当時)来日に際しゴルバチョフと会談。1991年5月入院先で死去する。享年67歳。

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リクルート事件

→2006年04月号参照

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ニューリーダー

→2003年11-12月号参照

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