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最近、失速したキーパーソンからキーワード
〜次にこういうのが出てきたときに役立つ政治家用語の基礎知識
執筆協力 編集工房インデックス

田中眞紀子

党員資格停止

自民党の党紀委員会(→別項)が定める処分の一つ。8段階あるうち、除名・離党勧告に次ぐ重さ。3カ月から2年の間(田中は2年)党員としての権利一切を失う。具体的には選挙で党から公認されず、党支部長などの役職は解任、総裁選の選挙・被選挙権を喪失、党の出版物・大会などで意見発表ができないなど。実態的な意味は「選挙で資金面などの支援がうけられない」「選挙で同一区内に党公認候補がライバルとして出馬してくる」「派閥運営に支障をきたす」(眞紀子の場合、無派閥なので関係なし)など。党所属の国会議員では、眞紀子が初の処分となる。(→◆党紀違反

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民主党山本譲司

もと衆議院議員。2000年9月、96年から99年まで、政策秘書(→別項)に女性を採用したと偽り、給与約2500万円を国から騙し取ったとして詐欺罪などで逮捕。辻本・眞紀子と同様のケースといえる。山本は逮捕後すぐに議員を辞職、詐取した給与も利息を付けて国に返納したが、懲役1年半の実刑判決を受け、現在も服役中。

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自民党党紀委員会

自民党が「党の規律を保持し、党風を振興するため」設置、国会議員と有識者の計18人で構成。委員5人以上の請求または幹事長の要請で招集され、党員の規律違反を審査する。現在の委員長は葉梨信行。公設秘書の給与流用疑惑に関して、眞紀子の処分を決定したのもこの機関。

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政治倫理審査会

1985年に制定された政治倫理綱領と行為規範を担保する目的で、国会議員の政治倫理をチェックするため衆参両院に設置。衆議院25人、参議院15人。委員の過半数の議決もしくは、疑惑をかけられた議員本人の申出で開催される。会は、議員が行為規範に著しく違反し、政治的道義的責任があるか否かを審査。クロと認定した場合には、行為規範の遵守、一定期間の登院自粛勧告、特別委員長の辞職勧告などを行える。ちなみに、同会は田中角栄元首相の有罪判決を機に設けられた。眞紀子は衆院政治倫理審査委員会での説明を求められている。

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越後交通

新潟県長岡市。資本金約5億円。眞紀子が副社長をつとめる。眞紀子は「越後交通」グループから派遣された出向社員を公設秘書として登録。国から支払われる給与をいったん越後交通に入れ、秘書には、越後交通の社員としての給与という形を取り、それに秘書手当として5万円を上乗せした額を渡していたという。だが、1995年から97年の間に国から越後交通に入った数千万円とされる秘書給与の行方は事実上不明。

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支持率

世論調査などによって、おもに現在の内閣を支持する人の割合を明らかにする。朝日新聞の調査では、眞紀子の外相更迭(2002年1月)直後、小泉内閣の支持率が72%から49%に急落。当時、眞紀子の人気は高く、更迭には7割が批判的だった。自民党内で眞紀子が立場を急速に悪くしてゆくのは、眞紀子自身が「支持率」(=人気・世論)を失ってからである。

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山崎拓

1936年旧満州・大連生まれ。早大商学部卒。福岡県議から1972年、衆院に転じる。73年には青嵐会の結成メンバーとなる。防衛庁長官・建設相を歴任後、99年には党総裁選に立候補するが敗退。2001年4月、自民党幹事長に。幹事長は党内ナンバー2の要職であり、眞紀子の処分も最終的には首相と幹事長の責任で決せられることになる。

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ピンハネ

上前をはねること。公設秘書の給与は第一秘書が42〜67万円、第二秘書が32〜49万円(国会議員の秘書の給与等に関する法律に基づく〈公務員特別職職員〉としての給与)。眞紀子から公設秘書に支払われていた給料は、本来支払われるべき額から年に数十万円から数百万円少なかったという。この秘書は新潟県内の企業・越後交通(→別項)から出向するかたちをとっており、給与もいったんこの企業に入金されたという。

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お父様

2002年3月、安部晋三官房副長官は、鈴木宗男の自民党離党に関し、眞紀子が党や官邸の対応を批判したことについて、「お父様(田中角栄)をどういうふうに見ているのか」と非難。地元に対する利益誘導の原型を作ったのは田中角栄であり、その地位や蓄積といった基盤の上に現在の眞紀子があるのだ、と指摘した。

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リーク

秘密などの漏洩。眞紀子は6月11日の自民党党紀委員会に出席。その前日、弁明書と秘書給与に関する資料を提出していたが、委員会は弁明を不十分として追加資料の提出を求めた。ところが、眞紀子は弁明書の内容が週刊誌に掲載されたことで「度重なるリークに気持ちが萎えた」として追加資料の提出を拒否してしまった。

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党紀違反

眞紀子は今回の党員資格停止のまえにも2回、党紀委員会の議題にのぼっている。2001年4月の総裁選応援演説で、故・小渕首相に対し「頭がパチッと切れて小渕さんがお陀仏さんになった」との発言について。また同7月に前橋市内の参院選応援演説で「どの人が候補者(吉川真由美候補、落選)か知りません」と発言したこと等についてである。1度目は処分見送り、2度目は党則に基づき戒告処分(8段階のうち下から2番目)。

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