現代用語に見る商売のあれこれ半世紀
1990年代後半頃から続く独立・起業ブーム。商売を始めること、またそれを軌道に乗せることはなかなか困難なことではありますが、先行き不透明な昨今、しばらく起業ブームは続くことでしょう。そこで今回は『現代用語の基礎知識』に見る商売のあれこれを。真っ当な商売からグレーゾーンの商売、いつの世にもあるピンクな商売まで、まさに「世に商売の種は尽きまじ」といったところでしょうか。
ショー化が進む人の死
「人は死んでも生き返る」と、大まじめに答える小学生が、すでに30%程度に達しています。一方で、2003年度(04年度は終わったばかりで、まだ統計が出ていません)の自殺者は約3万4000人(1日あたり約93人)、犯罪で殺害された人、約700人(1日あたり2人弱)、04年度(これだけは、早い)の交通事故死者は約7400人(1日あたり約20人)と、自然死、病死、交通以外の事故死を除いても、1日あたり100人を越える「不本意な死」が、発生しています。私たちの生活の中では、死は、ますます身近なものとなってきていますが、逆に、意識の中では、どんどんその現実感が薄れていっているようです。昔の生活では、人の死というのは、会話、電報、電話など、個人的なコミュニケーションにより、身近な人の死について知らされることがことがほとんどでしたが、現代人が毎日見聞きする人の死のほとんどは、テレビで報じられる赤の他人の死です。しかも、そのようにして報じられる人の死の多くが、テレビというショー・ビジネスの世界では、お手軽に視聴率が稼げるネタとして歓迎され、時にはキラー・コンテンツになることも珍しくありません。ブラウン管の中では、人の死がエンタテイメントに化けてしまっています。これでは、現実感が薄れるのも当然と言えましょう。そんなわけで、今回は「ブラウン管の中の人の死」を取り上げてみました。