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現代用語に見る商売のあれこれ半世紀

意外に古い商売なんですね

四ツ目屋

1951年本誌掲載。以下、

江戸時代四ツ目屋という性具や秘薬を売る専門店が江戸中に名を売ったことから、性具類を売る店の代名詞になったという。

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ゾッキ屋

1951年本誌掲載。以下、

投げ売りの新本を売る店のことで、出版界が不況に陥入ると、これが繁昌する。戦前にもあったが、最近また出版物の投機的な過剰生産と一般の購買力減退、それに金づまりのため、定価の1割位で整理したのが、ゾッキ屋の手にわたって夜店などに氾濫している。

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オトシ屋

1952年本誌掲載。以下

税金を滞納したあげく、差押えられた品物を、公売場から落札してまわる商売のこと。全国の税金滞納額は1951(昭和26)年9月までで、すでに1060億円ある。

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てき屋

1954年本誌掲載。以下、

的屋。うまく客を騙して当てればボロイ儲けになる商売をやっているものの総称で、矢の的にあたるに擬して名づけた言葉である。大道商人に多い。

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倒産屋

1955年本誌掲載。以下、

倒産する店をタネに金もうけをする人。倒産しようとしている店の商品を、足もとを見て二束三文に叩いて買い、よそへ行ってそれを適当な値段で売る。デフレがひどくなると一寸したデマでも中小企業はつぶれてしまう。そこでデマをネツ造して脅迫するのも倒産屋の仕事。10のうち3は潰してしまうので十三屋ともいわれる

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手配師

1957年本誌掲載。以下、

一口にいえば沖仲仕のボスである。求人側に頭数を揃えて出し、賃金のピンハネから宿舎、食事代までカスメとってビュックに乗る手合もいる。普通は求人会社と結託している。

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現金屋

1957年本誌掲載。以下、

薬九層倍といわれるが、東京は神田、大阪なら平野町の中小薬問屋が一流メーカーの銘柄品(スター商品)を3割引で売り出した。その売買はすべて現金取引となっているところから、この呼び名が起きたが、メーカーでも大問屋でも今更追随するわけにはゆかず「兵隊の位でいえば、地雷をもった上等兵だ」と苦り切っている。ほかの業種では電気器具にこの動きが活発化し、世は正に「現金値引時代」突入の感がある。

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総会屋

1960年本誌掲載。以下、

株主総会に出席して発言する職業的株主。たいてい少数の株を所有して総会出席の権利を持ち、特定の重役の指示にしたがって総会の進行係をつとめるとか、もし意に従わなければ、総会荒しをもやりかねない。

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分割屋

1963年本誌掲載。以下、

やっかいな株券の分割を会社に要求するといういやがらせをして、会社からなにがしかの金をゆすり取ろうとする常習者。株式会社に対する株主の出資の単位は1株であるが大株主はもちろん、一般の株主も多数の株を持っている。もし発行される株券の全部を1株ずつにしたら、株券をつくる費用がうんとかかるし、その後の名義書き換えなどの事務がとても煩雑になるため、会社では100株券とか1000株券などを発行する。分割屋はたとえば100株券を会社へ持ち込み、1株ずつに分割してくれと要求する。会社としては断ることができないし、要求に応ずると費用と手数がかかるので、分割屋に金一封を出して引き取らせるという手を打つ。分割屋のねらいはそこにある。

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万歳屋

1969年本誌掲載。以下、

100株前後の端株を持っていて、株主の権利を最大限に悪用する総会屋の一種。会社側から金をたんまりもらうと、株主総会などで「賛成」、「異議なし」、「万歳万歳」などと叫んで、会社側に有利な議案を通すために協力する。反対に金がないと、総会荒らしの専門グループと手を組んで、わざと議場を混乱させる。大阪では地方議員の海外視察の送迎や開店披露など、ご祝儀や記念品の出そうな席に必らず出張し、パッと景気をつけるために、“バンザイ”をする万歳屋も現われた。

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