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地球環境の単位と数値
著者 白鳥 敬

地球環境の単位と数値

地球にある水の量

地球環境を考えるためには、まず自分たちが住んでいる地球のデータを正確に知ることが必要でしょう。今回は、地球環境に関する基本データです。

まず、地球にはどれくらの水があるのでしょうか。

1位:海 13億5000万km3(96.59%)

2位:淡水の氷 2400万km3(1.734%)

3位:塩水の地下水 1300万km3(0.93%)

()内は、地球の全水量に占める割合。

ちなみに大気に含まれている水(水蒸気)は、わずかに0.001%です(数値は『理科年表』平成19年度版より引用、以下特に指定しないものは同じ)。

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地球上で氷雪に覆われている地域

地球の表面積はおよそ5億1000万km2ですが、このうち、氷と雪に覆われているのはどれくらいの面積なのでしょうか。

1位:南極 1391万4000km2(2.7%)

2位:北極 180万2400km2(0.35%)

3位:北アメリカ 21万7300km2(0.04%)

()内は、地球の全表面積に占める氷雪面積の割合。

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氷雪は地球のどこにある?

地球上には2423京kgの氷があると推定されていますが、氷はどこにあるのでしょうか。

1位:氷河 98.95%

2位:陸地 0.83%

もう圧倒的に氷河ですね。

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数の単位。兆の1万倍。10の16乗。

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氷河の大半は南極にある

氷河はどこにあるかというと、そのほとんど(88.66%)は南極にあります。地球上の氷雪の体積を比較してみましょう。

1位:南極 全氷雪体積の89.66%

2位:北極 同9.80%

3位以下 1位2位以外の地域はすべて合わせて0.54%

氷雪量は圧倒的に南極に多いということですね。

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就職氷河期

→2004年3月号 参照

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氷が溶けるとどれくらい海水面が上昇する?

IPCCの第4次報告書が2007年2月に発表されました。今回、地球温暖化は人為的な二酸化炭素等の排出が原因であることが確実で、予測の確実性は非常に高い、と前回以上に明確に言っています。しかしながら、気候変動は、予測できない要素が非常に多いので、100年後は実際、どうなっていることか。

同報告書によると、2090〜99年の海面上昇の予測は、最悪のケースで26〜59cm、最良のケースで18〜38cmとなっています。60cmくらいなら、たいしたことないようにも見えますが、臨海地域は、浸食や高潮などで深刻な被害を被る可能性があります。また、同報告書は、気温については最良の予測(Best estimate)で、4℃上昇と予測しています。

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南極物語

→2006年06月号参照

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現在の海面上昇はどれくらい?

JPCCの最新の報告書に記載されている観測された海面上昇の値を掲げておきます。原因となる要素ごとの海面上昇は、1961〜2003年では次の通りです。

1位:山岳氷河と雪冠(Glacier and ice caps)の溶解 0.50mm/y

2位:海水の熱膨張(Thermal expansion) 0.42mm/y

3位:南極氷床(Antarctic ice sheet)の溶解 0.14mm/y

それほど大きな値にはみえないかもしれませんが、03年以前の10年(1993〜2003)の値で見ると以下の通りです。

1位:海水の熱膨張 1.6mm/y

2位:山岳の氷河と雪冠 0.77mm/y

3位:南極氷床 0.21mm/y

4位:グリーンランド氷床 0.21mm/y

これをみると、ここ10年の温暖化はかなり顕著なようです。

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海面上昇

気温の上昇による海水の膨張や氷の融解が原因となり、海面水位が上昇すること。オセアニア州の島国ツバルは海抜が低く、2001年にツバル政府は、海面上昇により避難の必要を訴え、国外移住計画を進めている。

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ツバル

→2005年05月号 参照

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森林率

森林率は国土面積に占める森林面積の割合。2002年の日本の森林率は67%。

日本の森林率トップ5は、以下の通り。

1位:高知県 84%

2位:岐阜県 82%

3位:島根県 79%

4位:山梨県 78%

4位:長野県 78%

では、ワースト5は?

1位:大阪府 31%

1位:茨城県 31%

3位:埼玉県 32%

3位:千葉県 32%

5位:東京都 36%

東京が予想外に高いのは、奥多摩という山間部を持っているせいでしょうか。

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日本と世界の森林率

世界の各地域の森林率は、2001年版『世界の森林白書』によると次の通りです。

1位:南米 50.5%

2位:ヨーロッパ 46.0%

3位:北米・中米 25.7%

アジアの森林率は17.5%ですが、日本は、67%(2002年)ありますし、韓国は80%、インドネシアとブータンは60%もあります。耕地や奥地の砂漠の多い中国は少なくて14%。

ヨーロッパでは、森のイメージが強いドイツで31%、イギリスはたったの8%です。こうみると、日本や韓国など東アジア諸国は森がとても多い地域だということがわかります。

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植生自然度

植生に対する人工的な破壊の程度を示す指標で10段階に分かれています。環境省の「自然環境保全基礎調査」(別名「緑の国勢調査」)で用いられています。

植生自然度

10:自然草原

9:自然林

8:二次林(自然林に近いもの)

7:二次林

6:植林地

5:二次草原(背の高い草原)

4:二次草原(背の低い草原)

3:農耕地(樹園地)

2:農耕地(水田・畑)、緑の多い住宅地

1:市街地・造成地

(生物多様性情報システムのHPより)

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植生自然度の変化傾向

全国の植生自然度を1973年と93〜98年で比べると、自然林は21.7〜17.9%と3.8ポイントのマイナス、二次林は21.0〜18.6%と2.4ポイントのマイナスと、森林が少なくなっています。一方、市街地・造成地は3.1〜4.3%と1.2ポイントの増加となっています。

また、自然林は減っているものの、植林地が20.9〜24.8%の3.9ポイントも増加しています。

森林は空気中の二酸化炭素を吸収してくれます。160本のスギの木で、小型乗用車が1年間に出す二酸化炭素を吸収することができます。森を増やし、無駄な移動はしないということを心がければ、地球環境の悪化を食い止めることができるかもしれません。

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