月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
「働くのも楽じゃない」の用語集
 

新卒就職のいまを見る用語集

就活(しゅうかつ)

本誌2004年版収録。以下、

2001(平成13)年あたりから、学生の間では「就職活動」のことを縮めて「就活」とよぶようになってきた。長引く不況にともない、新卒学生の就職活動は厳しい状況が続いている。単に採用数の減少だけでなく、学生に求める資質が多様化し、高い職業観を求めるなど、就職活動の中身そのものの厳しさも増す。そのような状況を乗り切るために、軽いノリでの「就活」というネーミングが浸透しているようだ。

ページの先頭へ 戻る

新卒無業

本誌2004年版収録。以下、

大学や高校を卒業しながらも、就職をしない人たちのこと。アルバイト生活をする「フリーター」をも含む新語。リクルートワークス研究所の所長・大久保幸夫氏による同名の著書『新卒無業。―なぜ、彼らは就職しないのか』(東洋経済新報社)で一般化。単に景気が悪いという就職環境のせいではなく、高校、大学など教育現場のさまざまな構造的問題によって、学生の職業観が確立されないことに原因があるという。

ページの先頭へ 戻る

就職コンサルタント

本誌2004年版収録。以下、

就職を成功させるために、自己分析や企業研究などのさまざまな活動を支援し、指導していく専門家が登場している。多くの大学や就職情報サイトなどで活躍する、カリスマ的なコンサルタントも誕生している。学生や求職者を対象にするのが一般的だが、逆に企業を対象に、よりよい人材を採用する方法や人事教育に関するコンサルテーションを中心に行う人もいる。

ページの先頭へ 戻る

キャリアカウンセリング

本誌2004年版収録。以下、

失業者の増大や大卒フリーターの増加などにともない、個人のキャリアを支援する必要性が高まる。そこで、カウンセリング手法と職業に関する専門知識を駆使し、個人の興味や能力、価値観などをもとに、個人にとって望ましい職業選択を援助していく専門家「キャリアカウンセラー」が登場。2001(平成13)年の政府の総合雇用対策で「5年間で5万人を養成」がうたわれ、注目をあびている。

ページの先頭へ 戻る

就職塾

本誌2004年版収録。以下、

マスコミなどの昔からある特定の就職予備校だけでなく、マナーや履歴書の書き方、自己分析の仕方、面接でのアピールの仕方など、さまざまなノウハウを指導する就職塾が盛んになっている。専門学校などの教育機関が実施するだけでなく、企業が独自に会社説明会をより有意義にするため行ったり、就職情報支援サイトがセミナーとして行ったり。学生同士がサークル的に始めるものなど、内容はさまざまだ。

ページの先頭へ 戻る

新卒派遣

本誌2004年版収録。以下、

派遣で仕事をするには、その仕事を遂行するために必要な能力やスキルをもった人であることが前提となっている。そのため、これまでは主に仕事経験者が派遣に登録して活躍してきた。しかし、厳しい就職環境を反映して、新卒の学生をも一定期間訓練して派遣として登録させる制度を、派遣会社各社が導入している。スペシャリストをめざす新しい働き方のひとつの形ともいえる。

ページの先頭へ 戻る

モラトリアム進学

本誌2004年版収録。以下、

大学や短大を卒業しても就職しない人のなかには、大学院や海外留学、専門学校などへの「進学」を選択した人もいる。純粋な知識欲に裏打ちされた進学ではなく、「いまはまだ就職を考えられないから」という猶予期間を設けるための進学であるケースも多い。それらを「モラトリアム進学」という。高学歴ではあっても、嫌なことの先送りをしているだけと、企業の採用担当者の評価は厳しい。

ページの先頭へ 戻る

第2新卒

本誌2004年版収録。以下、

難関を突破してせっかく就職しても、入社後3年以内に転職をする人は増加傾向にある。特に、1年目で転職をする人の場合は、意識的にも、能力的にも、新卒とあまり変わらないということから「第2新卒」とよばれている。中途採用以外に、新卒の定期採用のなかでも、「既卒者・第2新卒可」とする企業がある。失敗を経験したことで意識や職業観が確立されていれば、なんら損傷ないということ。

ページの先頭へ 戻る

就職浪人

本誌2004年版収録。以下、

もともとは、マスコミなどの特定の業界を志望している学生が就職に失敗した場合に、翌年にもう一度チャレンジするため、卒業をせず留年することを「就職浪人」といっていた。企業によっては、既卒者はすべて経験者採用となるため、あえて新卒のチャンスを確保したいという苦肉の策。しかし、最近は第2新卒の採用も積極的に行う企業が増え、就職浪人の意味があまりない環境になってきた。

ページの先頭へ 戻る

就職氷河期

本誌2004年版収録。以下、

バブルの崩壊にともない、新規学卒者の就職環境も一転して厳しい状況になった。そのときの状況を、大学生の就職情報誌『就職ジャーナル』が「就職氷河期」と命名。その後、就職環境はさらに厳しくなって、「超氷河期」という言葉も誕生した。採用数そのものも激減したが、それ以上に、「単なる人手が欲しいわけではない」として、求めるレベルに達しなければ無理に採用しないという質へのこだわりの変化も大きい。

ページの先頭へ 戻る

エンプロイアビリティ・スキル

本誌2004年版収録。以下、

エンプロイアビリティ・スキルとは、応募者が雇用されるために身につけておくべき能力のことをさす。業務で必要になる技術や能力、ビジネスマナーなどのほか、履歴書の書き方や面接の受け方など、就職活動の過程で重要なノウハウも、エンプロイアビリティ・スキルに入る。いいものをもっていても、それをいかに効果的に伝えられるかは、重要なポイントになる。

ページの先頭へ 戻る

コンピテンシー採用

本誌2004年版収録。以下、

コンピテンシーとは、成果や業績に直結する行動特性のこと。ある仕事で高いパフォーマンスを発揮している人たちに共通する行動、思考などの傾向を分析し、その行動特性に近い人を採用することで、仕事へのマッチングを図る。仕事を成功させるには、単に能力やスキルだけでなく、「行動」面の傾向も重要なファクターになるという考え方に根ざしている。

ページの先頭へ 戻る

ポテンシャル採用

本誌2004年版収録。以下、

即戦力を求める中途採用などと比較して、経験や特定のスキルなどを求めない「可能性」「秘めた能力」に期待して採用する新卒採用などを、「ポテンシャル採用」という。一時期、よくいわれた言葉ではあるが、最近は、単に漠然としたポテンシャルに期待するよりも、もう一歩踏み込み、コンピテンシーに沿った志向や行動特性のマッチングを図ろうというのが主流になりつつある。

ページの先頭へ 戻る

キャリアデザイン

本誌2004年版収録。以下、

就職や転職をするにあたって、いま現在だけでなく、将来にわたってどのようなキャリアを育成していきたいと思うのかを考えること。10年後、20年後という長いスパンで将来像を描き、それを実現していくには、どのような場所で、どんな能力・経験・スキルを身につけていけばいいのかを予測する。企業がすべてお膳立てしてくれた終身雇用が崩れたことによって、より重要になっている考え方である。

ページの先頭へ 戻る

キャリア・ディベロップメント

本誌2004年版収録。以下、

「キャリア」は単なる履歴ではなく、一人ひとりの生涯にわたる職業発達やキャリア発達として考えるのが「キャリア・ディベロップメント」。知的発達や身体的発達などと同じように、人と職業の関わり方は、一生涯にわたって発達し続けるという考え方に根ざしている。キャリアにも「自己責任」を問われ、個人が自分のキャリアを生涯のものとして考える重要性が高まっている。

ページの先頭へ 戻る

就職整形

本誌2004年版収録。以下、

「明るく見られるように」とか「自信をもって面接に臨めるように」など、就職を有利にさせたいという願いから、整形をする学生も増加しているという。採用では、初対面の人との対応の仕方やコミュニケーションのあり方を問われるので、整形によって自信をもつことが、より積極的なコミュニケーションにつながる可能性があるというが…。内定後に整形をして、入社式で別人になって現れるケースもあるという。

ページの先頭へ 戻る

修正写真

本誌2004年版収録。以下、

履歴書に添付する写真をどの写真館で撮影してもらうかが、ちょっとした話題になっている。少しでも好印象をあたえられる書類を提出したいという学生の願いの現れ。学生間で有名な写真館の多くは、陰影を調整するなど、若干の修正を加えることによって、より好印象の写真を提供してくれる。アナウンサーなど「写り方」も重要な職業以外は、ほとんどが自己満足のためというウワサもあるが……。

ページの先頭へ 戻る

自分軸

本誌2004年版収録。以下、

就職活動において、学生がまず何度も問われるのが「自分は何をしたいのか」ということ。つまり、「自分軸」を明確にして、その自分にふさわしい場所や、自分がやりたいことを実現できる場所探しが就職であると指導される。「何でもやります」「どんなことでも頑張ります」というだけでは通用しなくなっている。そのため、学生はまず自分の核となる部分、自分探しで苦労することになる。

ページの先頭へ 戻る

就職協定廃止

本誌2004年版収録。以下、

かつて、学生の青田買いを防止するために会社訪問解禁日や選考開始日などを決めていた「就職協定」は、企業の採用をかえって不透明にするなど、批判も多く受けていた。産業界と大学による紳士協定や主要企業トップによる就職協定遵守懇談会など、何度も検討を重ね続行していたが、1997(平成9)年度にはついに協定を廃止。企業側の倫理憲章として「10月1日以降に正式内定」という項目を残し、自由化された。

ページの先頭へ 戻る

通年採用

本誌2004年版収録。以下、

新卒の定期採用においても、1年を通じて門戸を開き、よい人材がいれば積極的に採用していこうとする企業が登場している。それが通年採用。一般的な企業が面接を実施する春先だけでなく、その後も問い合わせに応じて面接を実施する企業もあれば、秋以降に日程を決めて採用活動を実施する企業もある。人数合わせで採用するのではなく、求める人材観が明確で「質」を求める厳しい面もある。

ページの先頭へ 戻る

秋採用

本誌2004年版収録。以下、

新卒採用の時期が春先にシフトしたことにより、海外の大学への留学生や、公務員試験に落ちた学生などが通常の新卒採用の時期に間に合わなくなってしまった。そのため、春先の採用とは別に、秋にもう一度採用を実施する企業が登場。それを「秋採用」という。春の採用では出会えないような個性の学生に期待していたり、若干名の採用であったりするため、門戸は狭く厳しいのが一般的。

ページの先頭へ 戻る

職種別採用

本誌2004年版収録。以下、

ゼネラリストとしての大量採用時代が過ぎ、社員の自律やキャリアへの自己責任などを企業が標榜するようになり、新卒採用においても、「自分がどうしたいのか」「どのようなキャリアを積んでいきたいのか」が問われるようになってきた。それにともない、新卒採用でも職種(活躍分野)を自ら選択して応募させる企業が登場。法務などの高度な専門知識を問う職種のみ別枠で採用する企業もある。

ページの先頭へ 戻る

エントリーシート

本誌2004年版収録。以下、

興味をもった企業に応募の意志を示し、選考へ「エントリー」するため提出する書類。履歴書を兼ねる場合も多い。学歴や住所・連絡先などの基本情報以外に、自己PRや志望動機など、企業独自の書式がある。web上でのエントリーや郵送による応募、説明会での記入など、方法は企業によって異なる。志望者が殺到する人気企業の場合は、エントリーシートでの選考を行うこともある。

ページの先頭へ 戻る

ネットエントリー

本誌2004年版収録。以下、

新卒の就職活動も、いまやインターネットを抜きには活動できない。情報提供をはじめ、エントリー(応募)もすべてインターネットを通じて行う企業が大半を占めるようになってきた。企業のホームページ以外にも、就職情報webサイトを通じてエントリーするケースも多く、そのような場合は、興味のある企業複数に同時にエントリーできる「一括エントリー」を利用する学生も増えている。

ページの先頭へ 戻る

フリーエントリー

本誌2004年版収録。以下、

エントリーをする際、あえて大学名を記入させず、広く門戸を開いた採用を実施する「大学名不問採用」のこと。学校名で判断するのではなく、あくまでも「人物重視」を標榜する企業が、「だったら採用の際も大学名は問わず採用しよう」と決め、実施している。実際に、これまで採用実績のなかった大学からの入社もあり、個性豊かな人材を採用できると、おおむね好評であるという。

ページの先頭へ 戻る

活動日記/就職ノート

本誌2004年版収録。以下、

数カ月にわたり企業や業界を調べ、面接を繰り返す新卒の就職活動では、自分の活動の軌跡やスケジュール管理は大切。そのため、なんらかの形での就職活動ノートを作成する学生は多い。単にスケジュール管理だけでなく、気づいたことを記録して自己発見にもつなげる。最近は、ホームページで活動の記録や自己PRを公開し、学生同士の情報交換につなげたり、企業へのアピールとする学生もいる。

ページの先頭へ 戻る

web試験

本誌2004年版収録。以下、

インターネットを通じた採用の情報提供はいまや当たり前。最近では、さらに進んで筆記試験をweb上で実施する企業も登場している。特に、知識の量を問うのではない適性試験などでその実施が進んでいる。リクルートの調査でも、学生の7割以上が何らかのweb試験を経験している。わざわざ試験のために会社に出向かなくてよく、時間を有効活用できるとおおむね好意的に受け入れられているという。

ページの先頭へ 戻る

集団面接

本誌2004年版収録。以下、

新規学卒者の採用では、志望者が多数になるため、1次面接などの初期の段階や最終面接(役員面接)で、集団で面接を行うことが多い。この場合、学生複数名に対して面接担当者が1名の場合もあれば、学生も面接担当者もともに複数名の場合もある。あくまでも1対1面接と同じ視点で判断している企業もあれば、集団の中でどのような反応をするかを見たり、相対的評価をする企業もある。

ページの先頭へ 戻る

グループディスカッション

本誌2004年版収録。以下、

学生を数人の集団に分けて、あるテーマについてのディスカッション(討議)をさせ、その様子を見て、面接ではなかなか出てこない「その人らしさ」を判断しようとするもの。ディスカッションさせる内容に関して正解を求めているのではなく、答を導き出す過程においてどのような役割を担い、集団の中でどういった活躍をするか、どういう発想をするかなどを見られている。

ページの先頭へ 戻る

プレゼンテーション面接

本誌2004年版収録。以下、

ある一定の時間を与え、その時間内に自分をプレゼンテーション(発表、売込み)するよう求める面接。話の内容そのものだけでなく、どのようにプレゼンテーションをするかも見られている。技術系の学生に、研究内容をプレゼンテーションさせるといったようなこともある。短時間で、相手にいかに説得力のある話ができるかといった論理性や表現力なども重視している。

ページの先頭へ 戻る

圧迫面接

本誌2004年版収録。以下、

学生の発言に対して「なぜそう言えるのか」などを厳しく追及したり、わざとそっけない態度をとり続けて心理的に学生を圧迫し、本音を引き出す面接の手法のひとつ。本音が引き出せる可能性もある一方で、学生側の心象を悪くし、企業イメージを下げる危険性もはらんでいる。面接の場はお互いを理解しようという前向きな気持ちが重要であるという視点から、最近は圧迫面接はあまり行われなくなってきている。

ページの先頭へ 戻る

SPI  Synthetic Personality Inventory

本誌2004年版収録。以下、

能力・性格特性などを判断するためのテスト。行動特性や意欲など性格に関する特性を測ると同時に、言語・非言語能力などを測る。数量的処理力など、ある特定の仕事でより求められる能力がある場合、その適性を判断するためにも実施されることが多い。最近は、SHL(CAB、GAB)系のテストなど、数値に関する能力を判断するための特定のテストなども実施されることが増えてきている。

ページの先頭へ 戻る

就職情報サイト

本誌2004年版収録。以下、

最近の就職活動で、インターネットは不可欠。企業の情報や活動ノウハウなど、幅広い情報を提供する就職情報サイトの充実ぶりは目をみはるばかり。また、企業が提供する情報サイトとは別に、学生が個人的に始めた就職情報交換のためのサイトも多数あり、学生にとっては本音ベースの情報源として活用される。ただし、単なるウワサの情報も多く、冷静な判断も重要になってきている。

ページの先頭へ 戻る

内定/内々定

本誌2004年版収録。以下、

1997(平成9)年度の就職協定廃止により、採用情報の提供や選考開始日などは個々の企業の判断に任されるようになっている。唯一残っている協定は「内定契約は10月1日以降とする」というもの。そこで「内定誓約書」などを学生に書かせることが多い。実質的な労働契約とみなされる。ただし、内定契約の前に、書面ではなく口頭で、「内々定」という言い方をして合否を伝えるのが一般的。

ページの先頭へ 戻る

内定誓約書

本誌2004年版収録。以下、

企業からの内定を受けることを明記した労働契約書の一種。この契約を交わすことによって、企業は正当な理由がないかぎり、内定を取り消すことができない。ただし、「誓約書」という言葉の響きや、保証人を書かされる場合もあるため、学生の心理的拘束感が強い。明らかにその効果をねらい、踏み絵的に誓約書を出させる企業もあり、批判も出ている。

ページの先頭へ 戻る

逆求人

本誌2001年版収録。以下、

学生側がインターネットで自分を企業に売り込む手法。就職を希望する学生は、大学名、学部、所属サークルや自己PR文などをネット上の掲示板に書き込む。通常の求人活動とは反対に、学生が書いたプロフィルを見て、関心をもった企業が学生に電子メールを送ることから双方の接触がはじまる。「ネット就職」とも。

ページの先頭へ 戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS