月刊基礎知識
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阪神タイガースが強い、名古屋だけ好景気…ということに
―― 大阪と名古屋その他を考えるの用語集
 

大阪の文化はお笑いだけではない

咲くやこの花賞

「創造的で奨励に値する芸術文化活動を通じて、大阪文化の振興に貢献し、かつ将来の大阪文化を担うべき人材(個人または団体)」を対象に、大阪市が、1983年度から贈呈している賞。「音楽」「美術」「演劇・舞踊」「大衆芸能」「文芸その他」の5部門があって年齢は40歳以下。過去の受賞者をみれば、現代の大阪が何を評価しようとしているのかよくわかる。古くは、桂 文珍、桂べかこ、宮川 大助 花子、森村泰昌から藤山直美、河内家菊水丸、高村薫、羽野晶紀等々。

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サントリー文化

大阪・船場発祥の酒造会社サントリー(旧・寿屋)が、創業者・鳥井信治郎の代からもっていた「文化(しばしば広告宣伝)とともに酒を売る」という社風が、息子・佐治敬三の代になって嵩じたもの。文化活動に熱心な会社として東の資生堂・西のサントリーといわれる。1960年代に山口瞳・開高健・柳原良平など才人が活躍し「アンクル・トリス」「トリスを飲んでハワイへ行こう」で知られる宣伝部は有名。同社の文化活動としては、サントリーミュージアム天保山(大阪)、サントリー美術館(東京・元赤坂)、サントリーホール(東京・六本木)を運営し、サントリー学芸賞、サントリー音楽賞、佐治敬三賞、サントリー美術館大賞、サントリー地域文化賞、サントリーミステリー大賞を主催している。

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佐治敬三

さじ・けいぞう

1919〜1999。大阪生まれ。サントリー先代社長・会長。「寿屋」の創業者鳥井信治郎の次男(中学の時に母方の親類の養子となり佐治姓に)。「おもろいやないか」「やってみなはれ」が口癖で、それが同社の社風ともなっている。つまり損得より文化的な価値があるかどうかということを大事にすること、また考え込むよりとりあえずは行動するということ。1985年には大阪商工会議所会頭に就任。

若乃花の結婚の媒酌人、熊襲発言事件でも知られる。

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上方落語界の重鎮

桂米朝師匠。1925年、姫路生まれ。87年、紫綬褒章。96年、重要無形文化財(人間国宝)。

ちなみに上方漫才界の重鎮は、夢路いとし喜味こいし。

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上方歌舞伎の重鎮

3代目中村鴈治郎。1931年、京都市生まれ。2代目中村鴈治郎の長男、中村玉緒の兄。53年に近松門左衛門の「曽根崎心中」お初役を演じて好評を博す。90年に中村鴈治郎を襲名。94年、人間国宝。2005年、4代目坂田藤十郎を襲名するが、これは約230年ぶりの上方歌舞伎における大名跡(みょうせき)復活。

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関西フォーク

1960年代後半から70年にかけてのフォークソング・ブームにあって、アメリカの翻訳ではない、日本の土から湧いてきたプロテスト・ソングの一大潮流。1967年に設立された高石音楽事務所を拠点とし、主な歌手は、高石友也、岡林信康、中川五郎、五つの赤い風船等々。代表的な曲は、「帰ってきたヨッパライ」(ザ・フォーク・クルセダース 1967年)、「受験生ブルース」(高石ともや 1968年)、山谷ブルース(岡林信康 1969年)、「風」(はしだのりひことシューベルツ)、「遠い世界に」(五つの赤い風船)、「戦争を知らない子供たち」(ジローズ)、「あの素晴らしい愛をもう一度」(加藤和彦と北山修)。

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ジャズ/ブルース/グループ・サウンズ/フォーク

日本の音楽史における重要なムーブメントのいくつかが、大阪・神戸を中心とした関西から起こっている。経済規模、マスコミ・メディアの集中度といった要素で東京都比較した場合、不釣り合いなくらいに、このジャンルにおける関西の情報発信力は強かった。

道頓堀は1920年代、日本ではじめて大流行したジャズの都にして、60年代にはザ・タイガースやオックスを生みだしグループ・サウンズブームをリードした。60年代後半に起こった関西フォークも、文字どおりこちらのもの。京都も1970年代、日本におけるブルースの聖地といわれた。

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関西将棋

情報化がすすみ、戦術も徹底的に研究されている現代と違い、戦後のある時期までは、将棋さしのスタイルにも関東と関西で違いがあった。関東は理詰めで緻密な棋風、一方の関西将棋は、実戦で鍛えられた泥臭い「力将棋」。粘りと柔軟な展開を身上とした。関西将棋の代表的な棋士は、「銀が泣いている」の名ゼリフ、歌や芝居でおなじみの坂田三吉、その系統にいる将棋の鬼・升田幸三、その弟弟子・大山康晴(十五世名人)、「おゆき」の内藤国雄。最近では谷川浩司九段だが、その棋風は攻め将棋で前進流といわれる。

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