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《食べる》漢方の事典☆10月の食材
執筆者 久保田恵美

《食べる》漢方の事典☆10月の食材

イネ  Rice

生薬名は「粳米(こうべい)」。米の種類でいうと「うるち米」のことを指します。うるち米とは、日常的によく食べられている「白米(はくまい)」のこと。また、精白する前の米は「玄米(げんまい)」と呼ばれています。玄米に含有する食物繊維は白米の3倍以上。ビタミンBやEも豊富です。効能は便秘解消、肥満防止、ガン・糖尿病・高血圧の予防など。購入時は新しいもので、青っぽい色の粒がなく、形が整っているものを選びましょう。消化しにくい特徴があるため、しっかりとよく噛んで食べることが大切です。玄米のボソついた食感が苦手な方は、同量の白米を加えて炊くとよいでしょう。柔らかい食感になり、食べやすくなります。

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ハトムギ  Job's tears

生薬名は「よくいにん」。「美肌作りの妙薬」と呼ばれるほど、女性にうれしい効果が満載です。肌をしっとりさせ、シミ・イボを取るなどの美容効果。また、利尿効果、リュウマチ・関節痛の鎮痛作用、ガン予防などに効果が期待できます。ポイントは気長に摂り続けること。魔法のように急激に変化が生じるわけではないので、日々工夫しながら摂取するとよいでしょう。簡単な摂取法は「お茶」。煎じてお茶として飲むことです。薬局などでティーパックに入った手軽なハトムギも入手可能。白米に少量加えてお粥にして食べる方法もおすすめです。

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サフラン  Saffron

生薬名は「番紅花(ばんこうか)」。アヤメ科の花「サフラン」のメシベにあたる部分に薬効があるとされています。1つの花から3本しかとれないため、非常に高価なものです。産地は主にスペイン、イタリアなどの南ヨーロッパ。日本では大分、長野などで栽培されています。効能は血液サラサラ作用、生理不順・生理痛の改善、イライラ・不眠・頭痛の暖和など。パエリアなどの料理に使う香料として有名ですが、「お茶」にして飲むと習慣づけて摂取することができます。5?10本のサフランにお湯を注いでダイダイ色になれば完成。一度使ったサフランはさらにお湯を注げば、1、2回色が出ます。1日3回に分けて飲むとより効果的です。ただし、摂取しすぎると体によくないため、過剰な摂取には気をつけましょう。妊婦の方にはおすすめできない食材です。

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大豆  Soybean

生薬名は「黒大豆(こくだいず)」。大豆(だいず)は胃を整え、熱を下げる効果があるため、風邪のひきはじめには最適な食材です。のどの腫れや咳の暖和にも優れています。また、大豆(だいず)を発酵させ、乾燥させたものを「豆★(ずし)」と呼びます。豆★は消炎、鎮静、健胃の作用から、胃もたれ、消化不良の改善におすすめ。ただし、塩分が強いので、細かくカットして使ってください。炒めものやお粥のアクセントとして加えるとよいでしょう。中国食材売場などで入手可能です。→畑の肉

★は豆へんに、右側は「支」という字です。

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畑の肉

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、栄養価の高い食材です。良質なタンパク質を含むため、体が弱っているときや、疲労感が強いときなどには、ぜひ食べていただきたい1品。とくに大豆の種子である「枝豆」はゆでるだけで食べることができる身近な食材です。ビールのおつまみの印象が強いかと思いますが、積極的に摂取することをおすすめします。また味噌、しょうゆ、豆腐など加工品にも多用されています。胃が弱っているときこそ、肉類を控え、そういった大豆食品でタンパク質を補いましょう。

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唐辛子  Chile pepper

生薬名は「蕃椒(ばんしょう)」。蕃椒(ばんしょう)は、唐辛子(とうがらし)を十分に乾燥させ、果実を取り除き、さらにしっかりと乾燥させたものです。辛味成分である「カプサイシン」を多く含有することが特徴。血行促進に効果があり、冷え性の方にはおすすめです。また、カプサイシンは脂肪を燃やし、新陳代謝をアップさせることから、ダイエット効果が期待できます。他に、滋養強壮、リューマチ・関節痛などの暖和効果もあります。胃の働きを助ける作用もあるため、食欲のないときに料理に取り入れるとよいでしょう。ただし、唐辛子の食べ過ぎは胃腸に負担をかけるため、適量を心がけてください。

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