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7月を彩る言葉たち
執筆者 木村傳兵衛

7月を彩る言葉たち

小暑

しょうしょ。暑さが次第に強くなっていくことを意味する節気。新暦7月7日頃。現在の気候では梅雨明けが近い頃。小暑から立秋(新暦8月7日頃)までのおよそひと月が暑中にあたり、暑中見舞いはこの期間に出すのがしきたり。

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大暑  intense heat

たいしょ。暦の上で暑さが最も厳しくなる頃の節気。新暦7月23日頃。この頃から子どもたちが待ちに待った夏休みが始まる。近所で聞こえる子どもたちの元気な声は夏の到来を感じさせるもの。

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半夏生

はんげしょう。半夏が生える頃を意味する七十二候の一つ。半夏とはサトイモ科の烏柄杓(からすびしゃく)という薬草のこと。夏至から11日目にあたる新暦7月2日頃からの5日間で、田植えは半夏生までに済ませることが習わしとされてきた。各地には田の神に感謝し豊作を祈る行事や、農作業を控える物忌みの風習が残っている。

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七夕の節句

7月7日の夕方を意味する五節句の一つ。新暦でも7月7日で、七夕は、「しちせき」と読み、一般には「たなばた」と呼ばれる。これは彦星(牽牛星=わし座のアルタイル)と織姫(織女星=こと座のベガ)が年に一度、この日に天の川を渡って会うという古代中国の故事にちなんだ暦。「たなばた」と呼ぶのは、織女の和名が棚機津女(たなばたつめ)であることから。夏の無病を祈り、厄除けをする行事が各地で行われる。

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天の川

夏と冬の夜空に見える星の群れ。夏の夜空では南の空へ向かって明るさを増していく。天の川のなかに中州のように暗い部分が見えるのは、星がないためではなく、手前に暗黒物質があって本来ある星を隠しているため。旧暦の七夕(新暦8月上旬)の頃は、宵の頃に天の川とその岸辺の織女星、牽牛星がちょうど頭上に見える。

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夏の土用

立秋前の18日間。新暦では7月20日頃から8月7日頃まで。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期で、「う」のつくものを食べると無病で過ごせるという言い伝えがあり、江戸時代以降、鰻を食べる風習が広まったとされる。

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虫干し

夏の土用の頃、黴や虫の害を防ぐために本や衣類を日に干したり風にさらすこと。数日間快晴が続いた後の乾燥した日に行う。梅雨の湿りを払拭して爽やかに夏を迎える準備でもある。11月から12月、乾燥した時期にもう一度行えばさらに良い。

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夏座敷

襖や障子を取り外して簾戸や御簾に替えて風通しを良くし、畳には籐の網代を敷いて夏向きにしつらえた座敷のこと。暖簾や座布団は麻や絞りの洗い縮地のものに替え、窓辺には風鈴を下げて、日々の暮らしに暑さを迎える仕度をする。反対に、暖をとる仕度をした座敷を「冬座敷」という。

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祇園祭

毎年7月1日の「吉符入り(きっぷいり)」から31日の「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」まで、1カ月にわたって行われる京都・八坂神社の祭り。日本三大祭の一つで、京都の夏の風物詩。平安時代、疫病の流行を鎮めるために御霊会(ごりょうえ)を開いたのが始まり。17日には祇園(ぎおん)祭り最大の見せ場となる山鉾(やまぼこ)の巡行があり、前夜祭の宵山から京都の街は盛大に賑わう。ちなみに、時節を逃した意味で使われる諺「後の祭り」は、この山鉾巡行以降、祭りが小規模になることから生まれた。

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郡上踊り

毎年7月中旬から9月上旬にかけて、31夜にわたって郡上(ぐじょう)八幡(岐阜県郡上市八幡町)で繰り広げられる盆踊り。400年ほどの歴史があると言われ、8月13日から16日の盂蘭盆(うらぼん)には夜を徹して踊り明かすことで知られる。郡上節と呼ばれる囃子が演奏される屋形を囲んで踊るのが特徴で、日によって会場は移され、街路で行われることも。観光客も踊り手に混じって参加することができ、町中が熱気に包まれる。

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