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2005流行語大賞からキーワード

クールビズ

チーム・マイナス6%

地球温暖化解決のために、2005年2月16日に発効された京都議定書のなかで、日本が世界に約束した目標は、温室効果ガス排出量6%の削減。これを実現するために、「みんなで止めよう温暖化」を合言葉に国民的プロジェクト「チーム・マイナス6%」が立ち上げられた。小池百合子環境大臣をはじめ環境省を中心に、官民挙げての運動を展開し、これに参加した企業は4000社にものぼっている。運動の内容は、温度調節、水の使い方、自動車の使い方、商品の選び方、ごみの削減、電気の使い方の六つが柱となっている。

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空調服

下着と服の間に空気を吹き込むことで汗を蒸発させ、その気化熱で体を冷却するという原理で、真夏も冷房要らずで涼しく働ける、という画期的な商品。熱中症対策にも省エネにも役立つ。空調服は長袖で、服の背中の内側に取り付けられた2基の小型ファンによって体に風が送られる。2004年の販売以降、メディアで取り上げられ話題となったが、実際工場などで作業に従事する人から注文が殺到した。

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ワールドビジネスサテライト/WBS  World Business Satellite

月曜から土曜までテレビ東京系列で夜の11時から放送の、1988年から続いている人気ビジネス情報番組。小池百合子環境大臣が88年から92年までの間、初代キャスターを務めていた(当時は小池ユリ子として出演)。ほかに三洋電機CEOの野中ともよもキャスターを務めていた。98年から始まった「トレンドたまご」(通称トレたま)は、最新のアイデア商品やサービスを提供する人気のコーナー。

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ウォーム・ビズ  Warm Biz

クール・ビズに続いて、秋・冬のビジネススタイルの名称として唱えられた。環境省は「『寒い時は着る』『過度に暖房機器に頼らない』という原点に戻り、暖房に頼り過ぎず、働きやすく暖かく格好良いというエコ・コンシャスなビジネススタイルのイメージを分かりやすく表現した」としている。秋・冬に室温を21℃から1℃低い20℃に設定すれば、二酸化炭素の削減効果は夏の運動のときの4.4倍にもなる。下着会社のトリンプは、ウォームビズ・ブラを発表した(非売品)。マフラーのように首に巻けるストラップや、電子レンジで温められるパッドがつき、保温性に優れたボア素材が使われている。

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クラシックパンツ

「昔から愛用している」というお年寄りから、「一度はいてやみつき」になった20代〜30代の男性まで、クールビズの波に乗って人気が出たのが、巻いて縛るだけのクラシックパンツ。いわゆる「褌(ふんどし)」である。従来の褌は白か赤だったが、三越銀座店がピンクや黒、チェックやペイズリー柄なども販売をはじめ、テレビ番組「トリビアの泉(フジテレビ系)」で取り上げられたことで人気に火がついた。

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ベストドレッサー

2005年の第34回ベストドレッサー賞・政治部門を小池百合子が受賞。クールビズやウォームビズを提唱したことで、男性のファッション意識を変えていくことも評価された。ベストドレッサー賞は、社団法人日本メンズファッション協会が、ファッション意識の向上やファッション産業界の発展と各界の文化交流を目的として、1972年から発表しているもの。小池百合子は日本ジュエリー協会が主催する第17回ジュエリー・ベストドレッサーも50代の部で受賞し、第5回(40代の部)での受賞とあわせ2度目の受賞となった。

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想定内であります

2005年6月10日の小池大臣記者会見での発言。ノーネクタイを提唱したクールビズに対するネクタイ業界からの要望書についての質問に「一言で言えば、想定内であります」と答えた。

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機能繊維

クールビズの認知度アップにともない、シャツの売り上げが増加し、繊維業界は形状記憶シャツや、吸水性、速乾性のあるシャツ、襟台を抜きメッシュにして首筋に風を通すものなど、各社が新しい素材を数多く発表した。デパートでも「クールビズ対応」の文字が躍り、シャツのコーナーが充実。中国などの大量生産品に日本の技術で対抗すべく日本の繊維業界が活気づいた。愛・地球博でクールビズをPRするために行われたファッションショーでは、経団連の奥田碩会長がモデルとして竹素材繊維のスーツにノーネクタイで登場した。

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かりゆしウェア/沖縄シャツ

沖縄で着用されるアロハシャツに似たシャツ。沖縄県産品であり、沖縄らしさを表現したもの、というのがその定義になる。「かりゆし」とは「めでたい」という沖縄の方言。1970年ごろに沖縄らしいウェアとして「沖縄シャツ」の名で売り出されたのが最初。90年に「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」の運動目標の一つとして、県庁や観光業界での着用奨励が始まり、2000年の沖縄サミットで、各国首脳が着用したことで一般に広く認知されるようになった。龍柱の描かれたタグのついたものが沖縄県内の工場で製造された証になる。クールビズ初日の2005年6月1日、小泉首相も濃い青のかりゆしウェアで登場した。

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ネクタイの日

1884年に帽子商小山梅吉が国産第1号のネクタイとなる蝶ネクタイを作った日を記念して、日本ネクタイ組合連合会が10月1日をネクタイの日に制定した(1971年)。毎年10月1日より1週間、ネクタイキャンペーンを実施して販売促進を図っている。

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ミスナール体感温度/リンケの体感温度

軽装で体感温度を下げて冷房エネルギーを抑制、というクールビズ。体感温度は個人差があるが数値でも表せる。体感温度は気温のほかに風速、日射、湿度、体温、服装などに影響されるが、よく使われる算出法が二つある。その二つが、ミスナール体感温度とリンケ体感温度というもので、計算式は、

 ミスナール体感温度(℃)=T−1/2.3×(T−10)×(0.8−H/100)

 リンケ体感温度(℃)=T−4√V

 ※Tは気温(℃)、Hは湿度(%)、Vは風速(m/s)

ミスナール法は気温と湿度による体感温度の変化を、リンケ法は風速による体感温度の変化を数式化したもの。一般に湿度が高いほうが暖かく(暑く)感じ、また風速が強いほど寒く(涼しく)感じる。

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省エネ・ルック

05年5月号「省エネ・ルック(笑)

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冷房症候群/抹消循環不全

クールビズによる冷房温度の抑制は冷房病に悩む女性への福音でもあった。スーツで過ごす男性に合わせた職場の気温は女性には冷蔵庫同然で、夏こそひざ掛けや長袖カーディガンが欠かせないというのがオフィスの常識だったからだ。冷房病は一般に、足腰の冷えや肩こり、頭痛、食欲不振や不眠、下痢などの症状があるとされるが、医学的には「冷房病」という病名は存在せず、「抹消循環不全」や「冷房症候群」などと言われる。

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