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味覚に関する単位と数値
著者 白鳥 敬

味覚に関する単位と数値

エクスレ度  Oechsle

収穫の秋はワインのおいしい季節です。甘いワイン、辛いワイン、好みは人ぞれぞれですが、まずはワインに関する単位から始めましょう。

エクスレ度は、比重の単位で、主にドイツワインの濃度を表します。C.F.エクスレが考案した単位です。1エクスレ度は、水の比重1に対してワインの比重が1.001の場合をいいます。ドイツの最高級ワインは、Q.m.P.(Qualitatswein mit Pradikat)と呼ばれ、カビネット・シュペトレーゼをはじめとする6等級に分かれていますが、そのなかで、トロッケンベーレンアウスレーゼといわれるワインのエクスレ度は約150以上もあります。つまり、比重が1.15。1000ミリリットルで重さが1150グラムもあります。

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ブリックス度  Brix

この単位は、溶液中の蔗糖(砂糖)の濃度の単位です。100グラムの水溶液に砂糖が10グラム溶けていると、ブリックス度は10。蔗糖度(しょとうど)ともいいます。

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ボーメ度  Baume

ボーメ度は液体の比重を表す単位。フランスの化学者ボーメ(A.Baume)が作った。ボーメ度には、重い液体を計る「重ボーメ度(Bh)」と軽い液体を計る「軽ボーメ度(BI)」があります。重ボーメ度は、144.3(1−1/d)。軽ボーメ度は、144.3(1/d−1)+10 と定義されています。dは比重の値です。

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バリング  Balling

水溶液中に蔗糖がいくら含まれているかを表す単位。ジュースの中に砂糖が1%含まれていれば、1バリング。ただし、バリングには一部誤りがあったので、これを改めてブリックスという単位が作られました。ブリックス度30はボーメ度16.6に相当します。

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プラート  Plato

プラートも、バリングの誤りを訂正してつくられた糖度の単位です。ビールの糖度は、プラートでいう場合が多いそうです。

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日本酒度

日本酒の甘口・辛口は、お酒に含まれる糖質の量によって決まります。この糖質を表す単位を日本酒度といいます。これは日本酒度計という浮きの原理を使った計器で計ります。純水と同じときの比重を0として、それより下をマイナス、上をプラスとします。糖質が多いお酒は水より重いので浮力が大きく、浮きは上に上がり、指標は0より下、つまりマイナスをさします。マイナスの度合いが大きいほど甘口、プラスの度合いが大きいほど辛口となります。日本酒度がマイナス1度よりも大きいお酒が辛口で、マイナス3度より小さいものが甘口のお酒です。

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糖酸比

果物の糖度と酸度の比。「糖度÷酸度」で表されます。糖度と酸度の割合がどれくらいがいちばん美味しいかは果物によって違います。また同じ果物でも品種によって糖酸比が違います。リンゴでは、王林が糖酸比40くらいの甘いリンゴ、紅玉は糖酸比16程度の酸っぱいリンゴというわけです。糖酸比は、収穫年の天候や成育状況などにも左右されます。

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果形指数

果実の形を示す指数。果実の「縦の長さ÷横の長さ」で表されます。この指数が1ならスイカのような球状、プラスならきゅうりやナスのような縦長、マイナスならかぼちゃのような横長の形ということになります。

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塩少々/塩ひとつまみ

料理のレシピなどでよく使われるのが、塩少々など一見曖昧に見える単位ですね。「マギー Feel Good Cooking」というホームページによると、塩少々とは「親指と人さし指でつまんだ量で約0.5グラム」をいうそうです。これよりちょっと多いのが「塩ひとつまみ」。これは、「親指・人さし指・中指の3本の指の指先でつまんだ量」だそうです。「少々」は小さじ1/8〜1/10、「ひとつまみ」は小さじ1/5〜1/4。

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大さじ一杯/小さじ一杯

料理のレシピを見て、初めて料理をつくろうと試みた男性単身者などがまずぶちあたるのがこれ。男性の場合は、「こんな曖昧な言い方ではなく、何グラムなどと正確に言ってほしい」と思いがちですが、お料理は理屈よりも感覚を重視する世界なのでしょう。大さじ一杯は15ミリリットルで、さじのへこみの部分だけに調味料などの入れた状態を大さじ一杯というそうです。小さじは、大さじの3分の1の5ミリリットル。こんなわずかな量で味が変わるなんて、なんか驚きです。

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