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日本人の能力低下
学習指導要領のせいなのか?学習指導要領で救えるのか?
 

「今の若者は…」

「今の若者は…」

「今の若者は、なっていない…」と書かれた象形文字の粘土版がエジプトの古代遺跡から発見された…云々。これは、若者のモラルや礼節の低下・体力低下・学力低下等が語られる際には必ずといっていいほど引き合いに出されるエピソード。だいたいが「昔から同じようなことが言わたもんだ (だが実際はそんなことはない) (気にしなくてよい) 」というニュアンスで用いられるが、実際はどうしたものか。

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太陽族

1956年。石原慎太郎の芥川賞受賞作『太陽の季節』から出たことばで、いささか使い古されて刺激のなくなったアプレということばに代わって、ジャーナリズムに愛用された。したがってその内容も、無軌道、不道徳など、アプレの概念と大差はない。「狂った果実」など一連の太陽族映画に対しては、婦人団体やPTAが上映制限運動を起こした。

★1934-38生まれ世代−「嘆かわしい」と言われた太陽族の頭目であった石原氏は、今日、東京都知事である。→◆国民学校◆スミぬり教科書

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一億総白痴化

1956年。「一億総懺悔」をもじった大宅壮一による造語。1953年開局したテレビは、飛躍的な普及を見せた。当然テレビの青少年をはじめ社会に対する影響が問題にされ、番粗の低俗さが批判の対象となった。

★1930年代−生まれ?→◆国民学校◆スミぬり教科書◆駅弁大学

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カミナリ族

1959年。うるさい音をたててオートバイを力いっぱい乗り回す連中。マッハ族ともいう。2人乗りや、宙返りを試みたり、若さと無軌道を示すアプレ族。しだいに集団化し暴力団の支配下に入る者もでて、'74、'75 (昭和49、50) 年ごろからは暴走族、ナナハン族 (750ccエンジンからきた名称) とも呼ばれ、社会間題化した。

★1930年代−生まれ→◆国民学校◆スミぬり教科書◆駅弁大学

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女子学生亡国論

1961年。この年の秋、暉峻康隆早大教授が「私立大学の文学部は女子学生に占領されて、いまや花嫁学校と化している」と発言したことから、女子学生亡校論や亡国論が花ざかりとなって、賛否両論だった。文部省の統計では1958年度の文学部女子学生総数は2万4986人で全体の28%、'61年度は3万7183人で37%とはねあがった。

★1936年-生まれ。→◆スミぬり教科書

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五月病

1968年。狭き門を突破して合格通知を受け取った時の感激もうすれる五月、その連休明けあたりから勉強への興味を失って、すっかり無気力になってしまう学生の状態を指す。激しい入試競争、入学すれば大教室でのマイクの講義によるマスプロ教育など、その原因は根が深い。

★1950年-生まれ→◆期待される人間像◆学校群制度◆東大入試中止◆マスプロ教育

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三無主義

1970年。無気力、無関心、無責任 (無感動を加えて四無主義) といわれる当時高校生の性格を指していったことば。

★1952年-生まれ→◆期待される人間像◆学校群制度◆マスプロ教育

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しらけ

1971年。'70年安保闘争後の一種の虚脱状態のなか、何をやっても熱中できず、しらけてしまう若者の気分。どっちらけは、その最上級。

★1947年-生まれ→◆マスプロ教育◆戦無派

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あさま山荘事件

1972年2月19日、全国指名手配中の連合赤軍5名が河合楽器の保養所「あさま山荘」 (長野県軽井沢町) に逃げ込んで、管理人の夫人を人質として篭城した。28日、警備陣1500人は人質救出の強硬手段をとり、クレーン車、催涙ガス、放水作戦で人質を救出、犯人を逮捕した。この事件で機動隊員2人、民間人1人が死亡した。

これらの模様はテレビで中継放送された。

★1947年-生まれ→◆マスプロ教育◆戦無派

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パンダ型新入社員

1973年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。おとなしいが、人になつかず、世話が大変。

★1950-51年生まれ→◆東大入試中止

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ムーミン型新入社員

1974年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。おとなしいが、大人か子供かえたいが知れず。

★1951-52年生まれ→◆学校群制度◆東大入試中止

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たいやき君型新入社員

1976年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。仕事が「毎日イヤになっちゃうよ」とこぼす。

★1953-54年生まれ→◆学校群制度

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新人五月病

1977年。大学生の五月病だけでなく、新入社員の五月病もふえた。この数年来の大卒者は過保護で育ったものが多く、精神的にもひよわで、研修中に自殺したり、セールスがつらくて命を断つケースが続き、企業も官庁も五月病対策に苦心しているという。

★1954年-生まれ。→◆学校群制度◆期待される人間像

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人工芝型新入社員

1977年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。きれいだが、根が無い。夜になるとイキイキ。

★1954-55年生まれ。→◆学校群制度◆期待される人間像

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家庭内暴力

1978年。甘え、非社交性、過保護、父権の失墜などが原因として指摘されている。1980年には金属バットで両親をなぐり殺す事件までおきた。

★1960年-生まれ→◆共通一次試験◆期待される人間像◆主任制◆偏差値

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カラオケ型新入社員

1978年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。自己主張が無く、他人があわせにくい。

★1955-56年生まれ。→◆期待される人間像

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五無主義

1980年。かつての四無主義、無気力、無責任、無関心、無感動に、あいさつもろくにできない「無作法」が加わって五無となり、主義というのもおこがましいナイナイづくしの五無生徒がふえてきた。この年1月の日教組教研集会からの報告。

★1960年-生まれ→◆共通一次試験◆主任制◆偏差値

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三語族

1980-82年。「ホントーっ」「ウッソーっ」「カワユーい」の三語で全ての感情を表す人。「ウッソーっ」は「うそ」の意味とは限らない、「本当?」にも使う。最近は「ヤダーっ」も仲間入り。「ウッソーっ」の代わりに「バッカみたい」を用いる三語族もいる。「バッカみたい」というより本人が「バカ」。

★1960-生まれ。→◆共通一次試験◆主任制◆偏差値

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指示待ち族

1981年。この年の新入社員の傾向を指すことば。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。「いわれたからやる。いわれないことはやらない」若者が多くなってきた。「自分を犠牲にした母親の過剰な奉仕になれた結果」 (千石保) という見方もある。

★1958年-生まれ。→◆偏差値

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校内暴力

1981年。このころから中高校生の校内暴力が多発。

★1963年-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値◆ニューアカ

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頭がウニになる

1983年。頭が働かない。考えがまとまらない。

★1960年-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値

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話がピー

1983年。「話がピーマン」の意。中身がない。

★1960年-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値

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「わたしたちはバカじゃない」

1983年。フジテレビの深夜番組「オールナイトフジ」のキャッチフレーズフレーズ。またこの番組からでた本の書名。素人女子大生集団オールナイターズが深夜にバカなことをするという同番組が一世を風靡。「女子大生はバカ」という論調が大多数であったからこそのこのフレーズである。

★1960年-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値◆主任制

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コピー食品型新入社員

1984年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。本物風だが、歯ごたえがなく、中身は大違い。

★1961-62年生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値◆主任制

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軽チャーっぽい/アサカル

1984年。文化風な。軽文化の感じをもつ。あくまでも「文化」ではなく「文化“風”」「文化“な感じ”」である。CFから。

新聞社系の文化講座の名を略して、アサカルというのも、やや似ている。

「この本はアサカルだなあ」「アサカルっぽい本だ」というと、題材にちょっと魅力があったり、女性に好まれるムードや実用性があるが、本格的に突っ込んでいないという意味をもつ。

★1954年-生まれ。→◆学校群制度◆期待される人間像◆偏差値

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「イッキ!イッキ!」

1985年。若者たちが酒を飲むときに周囲の者がはやしたてるかけ声。以前から学生サークルのコンパなどで行われていたが、その年代の若者たちが実社会に出てきて、背広姿で“いっき飲み”をする様子は“若者の幼児化”の象徴との見方もある。慶應義塾大学体育会が最初に始めたという説。

★1950年代後半-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値◆主任制

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金妻

1983-85年。TBS系ドラマ「金曜日の妻たちへ」。古谷一行、いしだあゆみ、篠ひろ子。鎌田敏夫脚本。30代半ばの幼なじみ同士の夫婦関係、不倫を描いたもの。「金妻」「不倫」なる言葉を流行させた。

★1950年-生まれ。→◆学校群制度◆東大入試中止◆戦無派

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おニャン子クラブ

1986年-。前掲「オールナイトフジ」が高校生にまで“おりてきた”もの。同じくフジテレビ系バラエティ番組「夕やけニャンニャン」による。出演する女子高校生もさることながら、彼女らに血道をあげる大学生ファンも嘆かわしい者であった。

★1965年-生まれ。→◆三年B組金八先生◆教育臨調

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新人類

1986年。古い世代とは違う、まったく新しい価値観のもとに行動する若者群を新人類と名付けたのは、『朝日ジャーナル』編集長の筑紫哲也。高度経済成長時代の申し子、テレビの発展と共に成長してきた世代。物質的に不自由した経験がなく、自分のやりたい事のみ参加するが、決して自分の心を語ろうとしないなど、好き嫌いがはっきりし、個性的で感性面に優れた特性を有しており、感性社会をリードする層といえよう。廃業し格闘家に転じた元横綱・双羽黒や歌手の中森明菜などは典型的な新人類といわれた。旧人類からすると、新人類は自分勝手、無感覚、シニカルというような、マイナスイメージが強く、評価のわかれるところ。→◆共通一次試験◆偏差値◆1968年〜学習指導要領改訂

★1950年代後半-生まれ。

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アーパーギャル

1986年。パーの女の子。アーパーはパァーの逆さことば。すぐに体を許す女の子。

★1960-以降生まれ。→◆共通一次試験◆主任制◆1968年〜学習指導要領改訂◆ニューアカ

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テレホンカード型新入社員

1987年。現代コミュニケーション研究所 (坂川山輝夫所長) の造語。指示通りでないと作動せず。後でピーピー言う

★1964-65年生まれ。→◆三年B組金八先生◆1968年〜学習指導要領改訂◆ニューアカ

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プーする/プータローする

1988年-。卒業後、就職をしないでぶらぶらする。プータロー (風太郎) やプー子になる。「今、プーしてるんだ」といっても、失職や無職ではなく、フリーのアルバイトなどをして、気ままに暮らしていることをさす。

★1965年-生まれ。→◆三年B組金八先生

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アッシーくん

バブル経済高揚期の1980年代後半。浮かれ気分の女子大生や若いOLたちの間から自然発生的に登場してきたことば。電話一本かければ深夜でも嫌な顔をしないで車で迎えに来てくれて自宅まで送ってくれるボーイフレンドを指す。「足」の意味。女子大生たちは元々は仲間内では「アシ」と呼び捨てにしていたのだが、マスコミで取り上げられるようになると可愛らしく「アッシーくん」と呼ぶようになった。嘆かわしいことである。

★1960-生まれ。→◆共通一次試験◆偏差値◆主任制◆1968年〜学習指導要領改訂

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コギャル

1993年。ガール (少女) のアメリカのスラング (俗語) 的発音が「ギャル」。そのギャルに小さいという漢字を付けたのが小ギャル→コギャルである。一般的には女子高生の年代の少女を指す。爆発的に使われるようになったのは95年ごろから。コギャルの特徴としてはルーズソックス、チェック柄の制服のミニスカート、ラルフローレンの白いベスト、茶髪、薄い通学カバン、そして携帯電話を所持していること。

★1975-生まれ。→◆カイワレ族◆高校の総合学科◆新学力観◆総合学習

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援助交際

1994年。ブランドの洋服や小遣い銭欲しさに、普通の家庭の女の子が売春をしているというもの。しかも、売春を「援助交際」と称し、彼女たちに何の罪の意識も無いことは二重のショックであった。

★1975年-生まれ。→◆カイワレ族◆高校の総合学科◆新学力観◆総合学習

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オウム世代

1995年。オウム真理教事件の主要メンバーの世代。1970年代末から80年代前半に高校や大学に学んだ世代。この時期は国公立大入試に共通一次試験が導入され、偏差値による大学などの序列化が急ピッチで進んだ。この世代の精神世界に大きなインパクトを与えたのが、チェルノブイリ原発事故などを通じて強まった生命とエコロジー思想の波だったという説がある。

★1950年代後半-1960年代後半→◆共通一次試験◆偏差値◆主任制◆1968年〜学習指導要領改訂◆三年B組金八先生◆ニューアカ

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