国論を二分するTPPという大問題
「国論を二分するこの問題について、私自身、数多くの様々な御意見を承ってまいりました」――安倍首相は2013年3月、記者会見でこのように述べ、TPPへの参加を正式に表明しました。国論を二分するというぐらいですから、日本の今後を大きく左右する決断を下した、とみることができます。
農業や自動車、投資や知的財産権など、多くの分野にわたって影響を及ぼすとされるTPPには、さまざまな立場で賛否が渦巻いています。市場経済のあらたな枠組みづくりに参加するうえで、たとえば先に発効された米韓FTAの内容はどのようになっているのか、また、戦後農政における減反政策など、多方面で活発な議論が行われており、いまに到っています。
TPPは、世界規模で行われている現在進行形のことがらであり、その議論は今後も続くでしょう。しかし、大事なことは、これから誰が利を得て、誰を追いやるのか、そうした問題の中心を個人=消費者の立場でも、深く捉え続けることではないでしょうか。