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美容の「失われなかった20年」

美容の「失われなかった20年」

キューティクル  cuticle

1980年代に登場した用語。

毛髪の表面をおおっている膜(あるいは爪の甘皮のこともキューティクルという)。正常な髪の表面は、キューティクルがひきしまりきちんとそろっている。パーマ剤、ヘアダイ、さらに海水などの付着で、このキューティクルが多量にはがれることがある。一度はがれ落ちたキューティクルは、もうもどらない。髪の手入れの主目的は、汚れをとりさることと、キューティクルの保護におかれている。

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メンズエステ

1990年に登場した用語。

メンズエステと銘うった男性専門エステティックサロンがじりじりと増えている。濃いヒゲや胸毛、スネ毛を敬遠する女性の好みにあわせたいという”男心”のあらわれといわれている。

ここ当分「平成元禄ツルスベフェイス」の流行はつづくらしい。

(現代用語の基礎知識1991年版の用語から)
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地球にやさしい

1991年に登場した用語。

「地球にやさしい…」というキャッチフレーズが濫乱している。ひところ主流だった朝シャンがぐっと下火に。“きれいな水を大切に”がゆきわたった結果とか。人びとの気持の揺れは、最新美容の面にすぐにあらわれる。

(現代用語の基礎知識1992年版から)
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UVカット商品

1992年に登場した用語。

紫外線が肌にシミやそばかすなどの悪影響をもたらすものであることが立証されてから注目されはじめたもの。最近では一年を通じて使われる化粧品にも配合されている。化粧品以外にも紫外線を防ぐ傘、ストッキング、ブラウス、カーテンなどがUVカット商品として市販されているが、過信は禁物という報告もある。

(現代用語の基礎知識1993年版から)
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スリミング化粧品

1992年に登場した用語。

スリムになるための化粧。肌の表面温度を高め、血行をよくし、発汗を促し、体内の老廃物の排出と脂肪の代謝をよくすることにより、肌を引きしめようというもの。スリムになりたい女性の注目を集めているが、効果を上げるためには、食事や運動との組合せが必要であろう。

(現代用語の基礎知識1993年版から)
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バリアフリー

1993年に登場した用語。

環境問題を配慮したパッケージの簡素化の動きとは別に、目の不自由な人にも簡単に区別ができるよう工夫された容器の商品が出回っている。今のところシャンプーとリンスの区別が中心だが、容器に点字を入れることやギザギザをつけるなど、さまざまな方法がとられている。

(現代用語の基礎知識1994年版から)
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色の落ちない口紅

1994年に登場した用語。

近年になく商品開発力が際立った商品に、落ちない口紅がある。各メーカーが技術を競うように発売した。キスしても落ちない、カップにもつかない、衣類にもつかないなど不可能とされていたものが実現した。艶がなくマットな仕上がりも、今期の流行のトーンとマッチしたこともヒットの原因だろう。口紅の常識をぬりかえたことは確かだ。

(現代用語の基礎知識1995年版から)
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韓国式あかすり

1994年に登場した用語。

急に注目された美容術。本場韓国への“あかすりツアー”も人気を集め、国内でも“あかすりサロン”が出現した。用具は、一般的に天然パルプ繊維の布である。

プロは「オレンジ大ほどのあかを出す」といわれ、マッサージ後の肌のすべすべ感が好評。このブームは少しの間続きそうだ。

(現代用語の基礎知識1995年版から)
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日本顔学会

1995年に登場した用語。

哲学、人類学、医学、歯科審美、化粧など各分野の研究者がメンバーとなって「日本顔学会」なるものが発足した。日本人は古くから「人は顔ではなく心」といわれ、顔を軽視する傾向があったが、今日、「外見、特に顔はその人についての情報の50%以上を発信する」といわれている。時代は「いい顔」の大切さを提唱しはじめたといえようか。美醜とは別次元からの日本人の「顔学」の研究成果に注目したい。

(現代用語の基礎知識1996年版から)
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スヴェルト

クリスチャン・ディオールが売り出した痩せるボディローション。1995年春頃から口コミで広まり、夏のバカンスシーズンには海外の免税店で売り切れ続出。ついにはディオールの店員が日本人女性の顔を見ただけで「ないない」と手を振るようになったほど。局部に塗るだけで代謝効果を上げて楽に痩せられるという簡単さがミソだが、国内では同時期中国製の「やせる石鹸」が大評判になり、こちらは1000円以下である。主婦たちはいかにそれを安く買ったか自慢合戦。

(現代用語の基礎知識1996年版から)
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美容歯科

1996年に登場した用語。

「芸能人は歯が命」という美白歯磨き剤・アパガードMのTVコマーシャルのヒットで、一躍、歯を白くする美容法が注目され始めた。美しい瞳(明眸 めいぼう)とともに、その人の印象を左右する大切なポイントは白い歯(皓歯 こうし)。笑顔を見せたとき、口元からのぞく歯が汚れて見えるようでは、せっかくの笑顔も魅力が半減してしまう。アパガードMはカルシウム化合物の薬用ハイドロキシアパタイトが、歯の表面のエナメル質にできた細かな傷に詰まっている歯垢を取り除き、その傷の部分を埋めて再石灰化するため、その内側の象牙質のもっている本来の白さを引き立たせるという理屈。最近は歯科医自身が歯の美容的効果を認識し始め、審美性を重視した「審美歯科」あるいは「美容歯科」が流行になっている。

(現代用語の基礎知識1997年版から)
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通販コスメ

1996年に登場した用語。

誰も知らない自分だけの化粧品を密かに見つけたい、というコスメフリークの女性たちが“口コミ”という形で広めて、一大ブームを作ったのが、通信販売で買えるいわゆる通販コスメ。無添加化粧品という分野を築いたファンケルや石けんひとつを大ヒットさせた麗姿、スクワランブームを作ったHABA、トラブル肌に効果てきめんと話題になったプラスロン化粧品等々、数々のヒット商品が生まれた。

(現代用語の基礎知識1997年版から)
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美白化粧品

1997年に登場した用語。

ソバカスやシミを防ぎ、肌を白くする効果のあるスキンケア化粧品。ビタミンCやコウジ酸など、メラニン色素の生成を抑える成分が配合されている。各社の研究により、より速効性のある商品が開発されたことで、1997年は推定約2000億円ともいわれる「美白化粧品ブーム」となった。

化粧法では透明感のある肌、ナチュラルな眉が主流に。日焼け肌に細眉のアムラーメイクから大きく転換した。

(現代用語の基礎知識1998年版から)
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小顔ブーム

1997年に登場した用語。

「アムロちゃんのように」、また「スーパーモデルのように」カッコよく服を着こなしたい女性たちの間で「小顔」づくりが一大ブームに。顔用のスリミング化粧品が売れ行きを伸ばし、女性誌では小顔をつくる化粧法や表情筋のエクササイズなどが多数紹介されている。たしかに小顔のほうが洋服を着るにはバランスがよく、ブームは当分続くだろう。

(現代用語の基礎知識1998年版から)
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コスメおたく

1998年に登場した用語。

消費者のより細かい要望に応え、化粧品や化粧用具は、ますます細分化、多様化している。たとえば顔の引き締め一つにも、小じわを取りながら引き締めるパックや、血行を良くして引き締めるクリーム、口にくわえて表情筋を鍛える器具などさまざまなアイテムがある。これらを使いこなすには、より詳しい商品知識、美容知識が必要。消費者の美容偏差値は次第に上がり、「コスメおたく」も若年化、全体数を増やしている。

(現代用語の基礎知識1999年版から)
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表情筋トレーニング

1998年に登場した用語。

顔にある20数種類の「表情筋」を動かすトレーニング。表情筋も体の筋肉と同じで、年齢とともに萎縮する。また、食べ物をよく噛まなかったり、無表情でいると衰えやすい。正しく、偏りなく表情筋を動かすトレーニングをすることで、小顔や美肌づくり、表情の改善、顔の怪我のリハビリなどに効果が得られる。

(現代用語の基礎知識1999年版から)
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メイクの日

1999年に登場した用語。

現在では「若者のなりたい職業」上位にあがるメイクアップアーティスト。しかし、業界自体の歴史は意外に浅く、横のつながりも弱い。そのため、これまでアーティスト集団で社会に対して発言・行動する機会はほとんどなかった。そこで一九九九(平成一一)年、第一線で活躍するメイクアップアーティストが呼びかけ人となり、「JMAN(ジャパン・メイクアップアーティスト・ネットワーク)」を設立。5月9日を「メイクの日(May.9)」と制定した。初年度は新人アーティスト発掘のためのコンテストを実施。今後も業界全体の技術力と社会的地位の向上を目指してさまざまな活動を行う予定。

(現代用語の基礎知識2000年版から)
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セルフメイク

2000年に登場した用語。

消費者が自由に化粧品を手にとって試せるコーナーが人気をよんでいる。百貨店などでは、これまで化粧品は対面カウンターでの販売がほとんどだったが、「雑誌などで見た化粧品を試してみたい。でも、販売員に声をかけられるのは苦手」という消費者の心理をついて誕生。女性たちが欲しい化粧品を自分で選びとる力を得たことの表れともいえる。

(現代用語の基礎知識2001年版から)
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マイコスメ

2001年に登場した用語。

たいして変わらないように思える日本人の肌だが、細かく見ていくと、肌質や肌色はまさに十人十色。また、その時々の流行はあるものの、消費者の美意識はますます多様化している。そこで化粧品の世界でも、オーダーメイド感覚でその人だけのコスメを作るビジネスが注目を集めている。シュウウエムラでは、工場を併設したショップでファンデーションや口紅などのオーダーメイドを行っている。注文から仕上がりまでは数時間で、ラベルに好きな名前を入れられるなどの楽しさも味わえる。また、東急ハンズなどでは、好みのハーブや植物のエキスをブレンドする手作り化粧水やパックなどのキットが自然志向のユーザーに受けている。さらに、一人ひとりの肌質や季節などによる肌の変化に対応するオリジナルスキンケア化粧品を提案する「フェイス フェイス」など、新しいコンセプトのショップも登場している。

(現代用語の基礎知識2002年版から)
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プチ整形

2002年に登場した用語。

タトゥーやボディピアス、プチ整形など、最近の美容をとりまくキーワードには、「身体改造のカジュアル化」を感じさせるものが多い。いずれもかつては限られた一部の人のものであったが、今やそのハードルは驚くほど低く、オープンな印象だ。同時にそれらが一般化するにしたがって、個性の表現とは言いがたいものになっている感もある。例えば、プチ整形でいちばんの人気は「ぱっちりした二重まぶた」。手軽に使える二重まぶた造形グッズも売れている。だれもが同じような「美人顔」に近づこうとするのは、ひよわな美意識の表れなのか。

(現代用語の基礎知識2003年版から)
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無造作ヘア

2003年に登場した用語。

ここ数年、若い男性の間で無造作に髪を立たせたスタイルが定着しつつある。ヘアワックスの品質が向上し、簡単にスタイリングできるようになったことが背景にある。最近では就職してもビジネススーツに無造作ヘアがめずらしくない。「以前なら、就職を機に社会人らしい髪型にするのが常識だったのに」と中高年社員からはとまどう声も。

(現代用語の基礎知識2004年版から)
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手作り化粧品

2003年に登場した用語。

薬局やスーパーなどで入手できる材料で手作りする化粧品が静かなブーム。せっけんや化粧水などスキンケア化粧品はもちろん、ファンデーションや頬紅などメイクアップ化粧品まで手作りする人も。

例えば精製水とグリセリン、好みの精油をブレンドすれば、化粧水の出来上がり。香りや効能で精油を選んだり、グリセリンの量で保湿力を調整するなども自由にコントロールできる。

このように、成分が自分で選べるため、安心感があること、肌の状態や好みに合わせて調整できることが人気の理由。

(現代用語の基礎知識2004年版から)
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飲む化粧品

2003年に登場した用語。

美肌サプリともいわれる。美肌効果の高いビタミンCやビタミンE、アミノ酸、ムコ多糖類などを配合したサプリメント。ドラッグストアなどでは、スキンケア化粧品とサプリメントを組み合わせたブランドも登場している。

(現代用語の基礎知識2004年版から)
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アジアンビューティー

2004年に登場した用語。

直訳すると「アジアの美」。まっすぐな髪、切れ長の目、なめらかな肌などアジア女性の美しさを見直す動きが出てきている。その背景には、中国を代表する女優コン・リーや、ハリウッドで活躍するチャン・ツィィーなどアジア系女優の台頭がある。日本人でもモデルとして国際的に活躍する川原亜矢子や富永愛は、典型的なアジアン・ビューティーとして認知されている。

こうして名前を連ねると、「日本だけでなく、西欧でもその魅力が認められた女性たち」という括りが浮かび上がってくる。日本人の西欧コンプレックスも、このブームに若干影響している?

(現代用語の基礎知識2005年版から)
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スローコスメ

2004年に登場した用語。

各地の名産品や伝統技術を生かした化粧品のこと。「地元の特産品を生かした郷土料理に目を向けよう」というスローフード運動になぞらえて、スローコスメといわれるようになった。にがり、豆乳、ゴーヤー(ニガウリ)、こんぶ、日本茶、緑茶などの食品や、絹、火山灰、海洋深層水など自然素材を配合したものが多い。2001(平成13)年に化粧品の全成分表示が義務づけられて以来、使用成分に敏感な人が増えているが、スローコスメの場合は使用成分が少なめでわかりやすい。安心感を持って使えることが人気の要因だろう。

(現代用語の基礎知識2005年版から)
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岩盤浴

2004年に登場した用語。

温めた天然石の上に寝そべり、発汗を促して老廃物を排出する温浴法。石から発生する遠赤外線やマイナスイオンなどが酸化を抑制し、美容や健康に効果があるといわれている。秋田県の玉川温泉などで古くから行われていたが、2004年頃から都市部に専門店が急増。「高温のサウナのような息苦しさがなく、じんわり気持ちよく汗がかける」と若い女性を中心に利用者を増やしている。温泉と違い、設備投資や運用資金が安価なことも出店ブームの背景に。

(現代用語の基礎知識2006年版から)
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スカルプケア

2005年に登場した用語。

エステサロンのメニューを見ていると、フェイシャル、ボディ、ネイルなど、体のすみずみまで美しくするサービスが出尽くした感がある。ホームケアに関しても近年飛躍的に情報もモノも増え、自分で顔や体、髪のケアを行う人が増えている。そんな中で忘れられてきた存在、そして美容と健康に大きな力を持つ存在がある。それは、「頭皮(スカルプ)」と「口の中」の手入れだ。

頭皮については、男性はもちろん中年以降は女性にも、髪のトラブルをかかえる人はたいへん多い。毛髪が少なくなる、1本1本の毛が細くなるなどの現象を予防するには、ベースとなる頭皮を健康に導くことが重要だという認識が広まりつつある。特に40代以上を対象とした雑誌やテレビ番組などでは、頭皮ケアの特集は非常に反響が大きく、注目度がアップしている。2005年には頭皮ケアの啓蒙・普及をめざす「日本スカルプケア協会」が発足し、理美容業界もヘアケアだけでなく、頭皮ケアの導入に積極的だ。

(現代用語の基礎知識2006年版から)
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セラピーメイク

2002年に登場した用語。

先天性、またはケガや病気、加齢などで外見にトラブルをかかえる人を癒すメイクアップのこと。施術には、メイクアップの技術はもちろん、医学、心理学の知識も必要になる。このため各分野のエキスパートが集まって2000年に「医・美・心研究会」が発足。メイクセラピストの養成に取り組んでいる。

介護の場面ではセラピーメイクが広がりつつある。例えば香りのよいクリームでマッサージすることで、五感が刺激され、体のこわばりが取れ、笑顔が増すなどお年寄りが1日を元気に過ごすために大きな効果を上げている。同時に、介護する側の心身を癒すためにもメイクやスキンケアはたいへん有効な手段となる。

(現代用語の基礎知識2007年版から)
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レディースシェービング

2006年に登場した用語。

女性専用の顔そり。理容店のメニューとして以前からあったが、最近は女性専用のサロンが相次いでオープンし、利用しやすくなった。丁寧にうぶ毛を剃ることで、ムダな角質も除去され、肌が明るくつややかな印象になると好評だ。理容店でもレディスシェービング用の個室や店内の仕切りを作ったり、ケープなど女性専用の備品を用意して女性が利用しやすい工夫を凝らす。その結果、女性客の割合は2005年に全体の10%を占め、1998年の5%から倍増した。

(現代用語の基礎知識2007年版から)
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異業種コスメ

2007年に登場した用語。

化学や製薬など美容とは異業種のメーカーが手がける化粧品が注目されている。例えば富士フイルムは、写真フィルムの製造で蓄えた研究成果を化粧品に応用。ナノレベルで特定の化学物質を反応させる技術を生かし、抗酸化物質アスタキサンチンをナノ粒子化し、肌への浸透を高めた美容液を開発。写真現像サービスのノウハウを生かし、ネット通販にも力を注いでいる。大塚製薬では、皮膚の治療薬などの研究を、肌の新陳代謝を促進する基礎化粧品に生かし、医薬部外品の認証を得た。カウンセリングに栄養相談も取り入れるなどユニークな販売方法を提案し、新規参入が困難といわれる百貨店の化粧品売り場での販売を実現。年間売上げは十億円を超える。このほか、ヤマハ発動機、月桂冠、味の素、ロート製薬などの企業が続々と化粧品分野に参入している。本業で培った技術や販売方法をいかに化粧品に生かすかが成否のカギといえる。

(現代用語の基礎知識2008年版から)
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デカ目メイク

2007年に登場した用語。

浜崎あゆみのような大きな目を強調したメイクのこと。10代を中心とする若い女性の間では、目を大きく見せることはかなりの関心事。「デカ目命!」とばかりにメイクの研究にいそしむギャルは多い。マスカラでまつ毛を濃く、長く見せる、つけまつ毛をつけるなどは特別なことではなく、日常的になってきている。さらに、アイライナーを粘膜まで入れたり、瞳が大きく見えるカラーコンタクトを使うなどさまざまなデカ目テクがある。また、ネコ目風、タレ目風など、ひとあじ違うデカ目メイクも出現している。

(現代用語の基礎知識2008年版から)
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大人かわいい

2008年に登場した用語。

「大人かわいい」という新しい価値観は、団塊以降の女性たちに共感をもって受け止められているようだ。この価値観を具現化している化粧品ブランド「キッカ」では、ロングのグレイヘアをなびかせた50代の現役モデル、ヤスミナ・ロッシィを広告に起用。「『50代だから』『60代らしく』そんな言葉から人はもっと自由になれると思うのです」と語りかける。単なる若づくりではなく、かといって年齢に縛られず、いくつになっても魅力的でありたいという、いまの大人の女性の心情をうまく受け止めているといえるだろう。

(現代用語の基礎知識2009年版から)
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女優ミラー

2009年に登場した用語。

鏡のまわりにLEDライトがついている携帯用ミラー。ネーミングは、女優が楽屋などで使う、ライトアップできるメイク用のミラーを模していることからきている。女優のようなセレブ気分と、「暗い車内やクラブでもメイク直しできる」という実用性が受けている。人気モデルや女優とのコラボデザインや、スワロフスキーのデコレーションを施したプレミアモデルなど限定デザインも人気がある。従来よりひと回り大きく、円形になった「大女優ミラー」も発売された。

(現代用語の基礎知識2010年版から)
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アヒル口

2010年に登場した用語。

唇が薄く、口角がクイッと上がったアヒルのような口元のこと。2009年11月、人気ブロガーでツイッターのヘビーユーザーの「まつゆう*」が、ツイッターのアイコン写真を「アヒル口」に変えたところ「アヒル口、かわいい!」といっきに話題となった。女性芸能人では、上戸彩、YUKI、宮崎あおい、広末涼子ら、男性芸能人では、西島秀俊、松山ケンイチ、福山雅治らがアヒル口といわれる。この流れを受けて、写真やプリクラを撮影する際に、口角を上げ、口をとがらせて「アヒル口」を装う若い女性が急増。テレビや雑誌でも「アヒル口メイク」のテクニックが取り上げられている。ぽってりした唇のセクシーさとは対極にある、子どもっぽい愛らしさ、親しみやすさが人気の理由か。

(現代用語の基礎知識2011年版から)
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困り顔メイク

2010年に登場した用語。

両眉をハの字に下げ、困ったような顔に仕上げるメイクアップ。ポイントは、眉は薄く短く、眉尻を下げて描くこと、アイメイクはたれ目風に、頬紅は頬の中心に丸く入れ、唇はリップグロスでぽってりとさせること。トレンドリーダーの加藤ミリヤや梨花が取り入れたり、女性誌で特集されたりと、女性たちの間に浸透しつつある。ドーリーメイクから派生したもので、つけ八重歯の登場と同様に「自分を幼く、かわいく見せたい」という欲求が背景にあるようだ。

(現代用語の基礎知識2012年版から)
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モバ美(モバビュー)

2011年に登場した用語。

「モバイル(携帯)美容家電」のこと。モバイルビューティー(mobile beauty)を略して「モバビュー」と読む。小型で軽量、使いやすくおしゃれなデザインのものが多く、通勤や通学のバッグに入れて持ち歩ける手軽さが受けている。代表例の一つは、パナソニックの電動歯ブラシ「ポケットドルツ」。顔用では、電池式でいつでも肌に潤いを与えられるミスト美顔器、熱を加えてカールを作るまつ毛カーラー、顔のうぶ毛をそるための電気シェーバー、ヘア用では自在に髪型がアレンジできる「ヘアアイロン」などがある。今後も「いつでも、どこでも使える」モバ美はますます増えそうだ。

(現代用語の基礎知識2012年版から)
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就活メイク

2011年に登場した用語。

超氷河期といわれる就職戦線。面接で優位に立つために、好感を与える「就職活動用メイク」のこと。大学や、企業の合同説明会で就活メイクの講座が開かれるケースも増えている。資生堂に大学からの講座の依頼が増えたのは、2008年のリーマン・ショックのころから。10年度の依頼は前年比3割増しという。今風の目元を強調したアイメイクや頬紅が濃すぎるメイクはもちろんNG。一方、地味すぎても印象には残らない。学生たちの父親世代の面接官を想定して、清楚で知的な印象のメイクが基本とされている。

(現代用語の基礎知識2012年版から)
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愛され顔メイク

2012年に登場した用語。

守ってあげたくなるような愛らしさを追求し、ふんわりとやわらかい印象に仕上げるメイクのこと。丸みをもたせて遠心的なバランスに仕上げるポイントメイク、ピンク系の柔らかな色味、透明感のあるベースメイクなどが特徴。10代、20代はもちろん、30代、40代の大人の女性たちにも「ナチュラルで若々しく見える」と支持されている。ドーリーメイクやつけ八重歯と同様に「自分を幼く、かわいく見せて人から愛されたい」という現代女性の欲求と戦略が背景にはあるようだ。

(現代用語の基礎知識2013年版から)
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美白男子

2012年に登場した用語。

日焼けを嫌い、紫外線対策をバッチリして白い肌を守る若い男性が増えている。10〜20代の男性の間では、肌の手入れを日常的に行うことは当たり前になりつつある。紫外線は肌にダメージを与えるという認識が浸透し、肌を守るために日焼け止めをつけたり、美白系化粧品を使ったりすることに抵抗は少ない。また、1990年代ごろまでは「日焼けした肌は男らしくかっこいい」という見方が優勢だったが、いまどきは俳優でいえば瑛太や岡田将生など色白タイプに人気が集まる。美意識の変化が美白男子を生み出している。

(現代用語の基礎知識2013年版から)

美白化粧品

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すっぴん美容

「整形メイク」や「ハーフ顔」など、若い女性の間には、過剰なまでに作り込んだメイクが流行している。一方、30代、40代と年齢を重ねるにつれ、素顔のような「すっぴん美容」に関心が高まる。どの世代にも共通するのは、忙しい日常の中で、手早く簡単にきれいになりたい、手抜きしたように見られたくない、というニーズだ。そこで最先端の化粧品技術とアイデアが凝縮された「時短化粧品」が注目されている。化粧品が進化し、インターネットの普及などで美容に関する知識量は増大している。あとは自分の肌に「手から思いやりを伝える技術」が身につけば鬼に金棒だ。

(現代用語の基礎知識2014年版から)
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