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2013年02月号
希望と期待にあふれてスタートした2013年、の巻
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読んだつもりになれるマンスリーブックガイド

この国で1年間に刊行される新刊は7万5000点余(出版研究所の調べによれば、2011年は7万5810点)。だとすると1カ月に6200冊、1日205冊の新刊が生み出されていることになります。1日205冊。睡眠や食事のいらない読書ロボットならば7分ごとに1冊こなすことで読破できる勘定ですが、人類の場合そうは行きません。そこでこの連載、忙しい人類のために、ベストセラー一覧から毎月数冊をご紹介しましょう。

AMAZONランキング(12月末現在)で総合第2位の『聞く力』は昨年の唯一のミリオンセラーとなりました。同じく総合5位に、ラノベ界(本文参照)からランキングした『僕は友達が少ない CONNECT』。そしてブームと言われる時代劇からはhontoの総合1位『散華の刻 居眠り磐根江戸双紙41』佐伯泰英を紹介します。紀伊国屋書店の総合2位には、これもシリーズ作品ですが『謎解きはディナーのあとで 3』、同じく7位の『夢をかなえるゾウ 2』、そしてhonto4位もシリーズ作品でしたが、『万能鑑定士Qの短編集 II』を紹介します。最後はビジネス書で、honto8位『お金をかけずにマスコミにとりあげられるユダヤ式PR術』とAMAZON総合14位の『たくらむ技術』。以上8冊、「読んだつもり」になってください。

執筆者:高木尋士

「平成ヒストリア」その9=平成9年、世紀末の歌が聴こえてきた

ちょっと前の歴史を知ると現代のことがよくわかる。連載「平成ヒストリア」第9号は平成9年、1997年の記録。子どもたちの間では、たまごっちポケモンがメガヒット。映画では『タイタニック』、邦画でも黒木瞳主演の『失楽園』が原作とともに大ヒット。しかし5月に神戸で起きた凄惨な少年事件は、時代の闇の奥深さを意識させられるものでした(→透明な存在)。グローバル・スタンダードやビッグバンの掛け声が賑やかで、自主廃業に追い込まれた山一証券の後ろ姿は小さくなるばかり。

執筆者:木村傳兵衛
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