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季節の食材カレンダー☆3月の巻
執筆者 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆3月の巻

たけのこ  bamboo shoot

たけのこの旬は、3月〜5月。掘りたてのものはえぐみが少ないため、生で食べることもできます。しかし、一般的に店頭に並んでいるものは、時間が経っているので、アクやえぐみを取り除く作業(下ゆで)が必要。その際、必要なものが、「生ぬか」と「赤唐辛子」です。生ぬかはたけのこ(中)1本に対し、3分の2カップが目安。赤唐辛子は2本〜3本用意してください。生ぬかがない場合は、米のとぎ汁でも代用できます。

まず、たけのこの穂先を斜めに切り落とします。次に、縦に1本切れ目を入れます。大きな鍋にたっぷりの水とたけのこ、生ぬか、赤唐辛子を入れ、強火にし、沸騰したら弱火にして1時間程度ゆでます。その際、たけのこは皮ごとゆでます。これは、皮に含まれる成分が、たけのこ全体の繊維質を柔らかくする効果があるためです。

竹串を刺して、スッーと通れば、ゆで上がりです。火を止め、そのまま3時間ほどおき、完全に冷ましましょう(熱いうちに皮をむくと、身が堅くなってしまうので注意)。皮をむいたあとは、1時間〜2時間、水につけておきます。そうするとえぐみがしっかり抜けます。

水につけたまま冷蔵庫で保存すれば、1週間ほどおいしく食べることができます。「たけのこの水煮」を購入することもできますが、こんなひと作業も、春を体で感じられる貴重な時間です。→たけのこ・タコ・イカ

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シュウ酸

たけのこのえぐみの正体は「シュウ酸」という成分です。これは、カルシウムの吸収を妨げる性質があります。また、消化が悪いため、結石症の方や、胃腸が弱い方はたけのこの食べ過ぎには注意が必要です。また、わかめが添えられた「若竹煮」に出会うことが多いと思いますが、このわかめは、シュウ酸の作用をカバーする大きな役割をしているのです。わかめに含有するカルシウムを、たけのこ料理に補足することで、カルシウム吸収量を増加させる効果が期待できます。

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ふき  fuki、giant butterbur

旬は3月〜5月。日本原産の山菜で、全国的に栽培されています。特に有名なのは、秋田県の「秋田ぶき」。なんといっても、大きいことが特徴で、高さは1.5m〜2m、葉の直径は大きいもので1m〜1.5mにもなります。ほかに、愛知県の「愛知早生」は、苦みが少なく香りがよいため、食べやすい品種です。群馬や大阪が主な原産地の「水ぶき」は、香りがよくて柔らかい特徴があります。

選ぶ際は、茎が1.5cm〜2cmのもので、太さが均一なものがよいでしょう。また、根元をもって、しなりすぎるもの(茎が倒れすぎるもの)は避けましょう。ふきの葉も、佃煮などにしておいしく食べることができるので、葉付きがある場合はそちらがおすすめです。

栄養価は、食物繊維が豊富なため、便秘解消に役立ちます。また、特有な香りは、咳を鎮め、たんを切り、喉をすっきりさせる効果があります。→ふきのとう

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たらの芽  fatsia sprouts

たらの芽は、「たら」という落葉樹の若芽のこと。旬は3月〜5月で、春の代表的な食材です。たらの芽特有の香りが特徴で、アクは少ないため、下処理なしで調理することができます。カラッと揚げた「たらの芽の天ぷら」は、香りと歯ごたえを楽しめる春ならではの一品ですね。また、塩ゆでするだけでも美味です。歯ごたえが残る程度にゆでて、好みでしょうゆなどをつけていただきます。それこそ、たらの芽そのものの風味を楽しめる究極の食べ方かもしれません。

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ふきのとう  butterbur scape

ふきのとうは、ふきの花蕾(からい=つぼみ)のことです。3月ごろに土の中から、まるで顔を出すかのように成長します。2cm〜3cmの球状のふきのとうが、ぷっくりとお目見えしたときが収穫時期です。特徴は、清々しい香りとほのかな苦さ。購入時は、つぼみが堅くしまっているものを選びましょう。

調理法は、特徴を生かすために「天ぷら」がおすすめです。すぐに火が通るので、高温で、サッと揚げることがポイント。低温でじっくり揚げてしまうと、ふきのとうに油が浸透して、香りも食感も失ってしまいます。

また、香りを楽しむために、味噌汁の仕上げに使ってもよいでしょう。好みの具材を入れて煮たあと、火を止めて味噌を加えます。最後の仕上げに、細かく刻んだふきのとうを加え、ひと混ぜします。味噌汁の予熱でしんなりする程度で大丈夫です。早春にしか味わえない風味を存分に楽しみましょう。

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うど  udo

旬は3月〜4月。一般的に店頭に並ぶものは、日に当てずに白色に育てられた「白うど」です。このタイプは野山に自生する「山うど」に比べ、柔らかくアクが少ないため、酢のものやサラダに向いています。白うどの下処理は厚めに皮をむき、酢水(水2カップに対し、酢小さじ1程度)に10分程度つけます。この作業は、アクを抜く効果以外に、変色を防ぐ効果もあります。

一方、香りもアクも強い「山うど」は、天ぷらやきんぴらなど火をしっかり通し、歯ごたえを生かした料理に向いています。白うど同様、酢水につけ、アクを抜いてから調理しましょう。シャキッとした歯ごたえと口に広がるうどの香りを楽しむことができますよ。購入の際は、全体が同じくらいの太さで、うぶ毛がしっかり生えているものを選びましょう。→うどと頭痛

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たけのこ・タコ・イカ

たけのこは、栄養価は高いとはいえませんが、食物繊維は豊富です。その食物繊維に、タコやイカのタウリンを組み合わせることで、悪玉コレステロールを減らす効果を発揮。生活習慣病の一つである「高脂血症」を解消する食べ合わせです。おすすめは「野菜もたっぷり!海鮮丼」。野菜は冷蔵庫の余りものでOKです。

まず、たけのこは細切りにします。タコ、イカ、その他の野菜(キャベツ、玉ねぎ、にんじんなど)は食べやすい大きさにします。油をしいたフライパンにまず、火の通りにくい野菜を入れて炒めます。次に、タコ、イカ、火の通りやすい野菜の順で加えて炒めます。そこに、鶏ガラスープを具材が隠れる程度まで入れます。フツフツした状態で、野菜が柔らかくなるまで煮ます。最後に、しょうがのせん切りと、塩、こしょうを加えて味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつければ完成。どんぶりにご飯を盛り、たっぷり具たくさんのあんかけをかけましょう。野菜を入れることで、ビタミンも加わり、栄養価満点です。

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ひじき・油揚げ・大豆

ひじきは、「カルシウム」がとても豊富な乾物です。乾燥状態10gのひじきを食べれば、コップ半分(100ml)の牛乳とほぼ同量のカルシウムを摂ることができます。また、油揚げや大豆に含有する良質な「たんぱく質」には、ひじきに含有する「カルシウム」の体内吸収率を高める効果があります。カルシウムは、精神安定作用があり、イライラ防止につながるため、日々を心地よく生活するためには欠かせません。具体的なおすすめ調理法は、やはり「ひじき煮」です。甘辛く煮て、具材には油揚げと大豆を加えてみましょう。スーパーなどの総菜コーナーでは定番おかずですが、まさに理にかなった健康的な一品なのです。

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うどと頭痛

うどは漢字表記だと「独活」と書きます。うどは90%以上が水分のため、栄養価が高い食材とはいえません。しかし、うどの根は、漢方薬の「独活」(どっかつ)として使われているのです。具体的には、ジテルペンアルデヒド、アミノ酸、タンニンなどの成分を含むため、神経痛、リウマチの鎮痛剤として使用されます。また、天日で乾燥させたうどの根茎を煎じても、効果は期待できます。主に、風邪の初期症状の発汗、発熱、頭痛、さらに歯痛などに効能があります。

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