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季節の食材カレンダー☆2月の巻
執筆者 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆2月の巻

菜の花  rape blossom

旬は12月〜4月。「春の訪れを告げる野菜」として知られていますが、冬の寒い季節からおいしく食べられる野菜です。菜花(なばな)とも呼ばれ、開花前の穂先部分(若い葉、つぼみ、茎)を摘んだものです。栄養価はビタミンC、カロテン、鉄、カルシウムを豊富に含みます。美肌効果や貧血防止にも期待ができ、女性にはうれしい食材です。また、菜の花特有のさわやかな香りと、ほのかな苦みが特徴。それを生かし、塩ゆでして、しょうゆをサッとかけていただく「菜の花のおひたし」がおすすめです。

菜の花とカロテン

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菜の花とカロテン

菜の花は、抵抗力を向上させる効果を持つ 「カロテン」を多く含みます。カロテンは、油と摂取すると体内に吸収されやすいため、「菜の花パスタ」や「菜の花の天ぷら」など油を使った料理が良質メニューといえます。パスタに加える際は、サッと炒めて、パスタと絡める程度がベスト。菜の花の食感を残したほうが、より一層おいしくなります。天ぷらサッとあげる程度(約30秒〜40秒)でOK。油っぽくなると香りが飛んでしまうため、高温でカラッと揚げましょう。

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セリ  Japanese parsley

旬は11月〜3月。1月7日に食べる風習の「七草がゆ」に登場する食材です。ちなみに「春の七草」とは、セリをはじめ、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろのこと。この風習は、「1年の邪気を払い、万病を防ぐ」という意味が込められ、古くから受け継がれています。セリは、歯ごたえと強い香りが特徴。また、アクが強いので、下処理として塩ゆですることがポイントです。ただし、ゆですぎはタブー。香りと歯ごたえを楽しむ野菜なので、熱湯の中に入れたら、箸で2回〜3回泳がせる程度にしましょう。そのままおひたしで食べるもよし、鍋の具材に加えてもおいしくいただけます。

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壬生菜  mibuna

壬生菜(みぶな)は、1800年代に京都の壬生(みぶ)で栽培が始められたことから、この名がつきました。水菜の改良種で、葉が丸みを帯びていることが特徴です。味や食感は、水菜にそっくりで、シャキシャキした食感とほのかな苦みがあります。通年出回っていますが、一番おいしい旬の時期は12月〜3月です。ビタミンCは、ほうれん草の約1.4倍も含有する優れもの。美肌効果や風邪予防に期待できます。また、京都生まれの野菜ということで「京野菜」と呼ばれ、京都では漬け物の素材によく使われています。関東では百貨店の野菜売り場などで入手できます。水菜とほぼ同じ調理法でいただけますが、おすすめは「壬生菜サラダ」です。よく洗った壬生菜にレモンをたっぷり絞って、塩、こしょう、オリーブオイルを好みの量かけます。全体を軽く和えれば出来上がり。ゴマのようなやさしい風味を楽しめます。

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芽キャベツ  brussels sprout

直径2〜3cmほどの小さな球形のキャベツ。原産地はベルギーで国産ものの旬は2月〜3月です。キャベツに似ていることから、キャベツの若芽と思われがちですが、そうではありません。芽キャベツは、「キャベツの仲間」。太く伸びた1本の茎に、50個〜60個ほどの芽キャベツが鈴なりにびっしりとなります。その姿から、別名「子持ちらんかん」と呼ばれ、子孫繁栄の縁起をかつぎ、結婚式の料理に使われることもあります。栄養価の特徴は、何よりビタミンCが豊富で、なんとレモンの1.5倍もあります。ごく一般的なキャベツと比べると、100g中のビタミンCは約4倍。また、キャベツはゆでるとビタミンCの損失が大きく、一般的なキャベツは約4割しか残りません。しかし、芽キャベツはゆでても7割のビタミンCが残るのです。煮込み料理に向いている点は、この数字からもわかりますね。選ぶ際は、緑が濃く、巻きが堅いものがベストです。また、アクが強いので、下処理が重要。半分の深さまで十字に刃を入れ、塩ゆでします。目安はフツフツした状態で4分〜5分程度。竹串を刺して、スーッと通ればOKです。そのまま、ドレッシングをかけてサラダにしてもいいですし、カレーやシチューなどの具材として加えれば、ひと味違った一品に仕上がりますよ。

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みかん  mandarin orange

寒い季節に出回るみかん。ハウスものも出回っているため、年中食べることができます。採りたてを食べられるのは11月〜12月ごろ。その後、3月ごろまで出回るみかんは、12月に収穫したみかんを貯蔵したものです。柑橘類は、世界中に100種以上あるといわれていますが、日本で一般的なのは、「温州(うんしゅう)みかん」。ただし、温州みかんとは、総称であって、収穫時期や産地により、ブランド名が各々についています。国内では和歌山の「有田みかん」、愛媛の「愛媛みかん」、静岡の「静岡みかん」が有名で、2007年度収穫量のベスト3です。みかんをはじめ柑橘類には「ビタミンP(ヘスペリジン)」というビタミンを含有。これはビタミンC吸収の促進、歯周病予防、血圧を下げる作用、脳出血予防などといった効果をもっています。

みかんとレモン

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陳皮

みかんは、皮を手で簡単にむけるため、手軽なフルーツですね。普通、むいた皮はゴミになってしまいますが、ここでは、その皮の再利用法を紹介します。まず、皮を1cm程度にちぎります。それを天日にあて、しっかり乾燥させます。それで完成です。この皮のことを中国では陳皮(ちんぴ)と呼び、生薬や香辛料として使用されます。体を温める効能があるため、冷え性の方にはおすすめです。簡単な使い方は、お茶として飲む方法。まず、鍋に水と干した皮を入れ、火にかけます。ひと煮立ちしたら、弱火にし、15分〜20分ゆっくり煎じます。これを皮茶(ひちゃ)と呼びます。まだ、寒さの残る2月。ぜひ、お試しください。

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みかんとレモン

みかんのビタミンCに、レモンのクエン酸が加わることで、相乗効果を発揮し、疲労回復に役立ちます。おすすめは、ヨーグルトにみかんを加え、レモンを少々かけ、好みの甘さになるよう砂糖(または、はちみつ)を加えて混ぜましょう。「みかんヨーグルト」の出来上がりです。朝に食べれば、一日の疲れ方が違ってきますし、夜に食べれば、朝起きたときの疲労回復につながります。みかんだけでも十分ビタミンを摂取できますが、レモンをはじめ、酢や梅といったすっぱい食品と合わせることで、健康維持促進につながるメニューに変身。春になる前に、冬の疲れを取り除きましょう。

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