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季節の食材カレンダー☆9月の巻
執筆者 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆9月の巻

かぼちゃ  pumpkin

かぼちゃは大きく分類して、「西洋かぼちゃ」と「日本かぼちゃ」に分かれます。スーパーで見られる一般的なものは前者。栗のようなほくほく感が特徴で「栗かぼちゃ」とも呼ばれます。甘味が強いため、お菓子の材料としても重宝されます。一方、日本かぼちゃは、水分が多いため、ねっとり感が特徴。だしをじっくりしみ込ませた煮物には最適です。

また、見た目も全く違い、西洋かぼちゃはツルッとして緑色であるのに対し、日本かぼちゃは上下に溝が入っていて、黒っぽい色をしています。

かぼちゃの旬は5月〜10月。夏野菜として知られていますが、初秋まで活躍する万能野菜です。煮ものとして、よく登場するかぼちゃですが、たくさんの量は食べられないもの。そこで、おすすめは「かぼちゃの春巻き」です。

かぼちゃ&ねぎ&しょうが

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かぼちゃの春巻き

まず、かぼちゃを竹串がスーッと通る程度までゆでて、お湯をきります。鍋のまま火にかけ、かぼちゃの水分を飛ばしてから、ボウルに移します。かぼちゃが熱いうちに、木ベラなどでつぶし、ペースト状にします。このとき、直径5mm程度の固まりがある分には問題ないです。そこに、細かく切ったスライスチーズを入れて混ぜます。牛乳少々を加え、塩、こしょうで味を調えれば、春巻きの具はできあがり。春巻きの皮に適量のせて、手間から巻きます(途中、左右を折り込みましょう)。皮の端は水をつけて、はがれないようにしっかり皮同士をつけます。

揚げる際は、温度が高すぎると破裂したり、焦がしたりするので注意。箸を油に入れたとき、箸から小さな泡が出る程度が最適です。勢いよく大きな泡が出ていたら、高温の証拠なので、火を止め、少し経ってから揚げはじめましょう。

食べ方は、揚げ立てをそのままでもおいしいですが、かぼちゃの甘味が少ないときは、ケチャップをつけても! また、もっと手軽に作りたいときは、ワンタンの皮を使うとさらに簡単です。中央に具をスプーンに軽く1杯ほどおき、皮の端全体に水をつけます。三角形になるように皮を閉じればできあがりです。

かぼちゃ&ねぎ&しょうが

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さやいんげん  string bean

旬は3〜9月。さやいんげんの「いんげん」は、江戸時代に中国から渡来した禅僧「隠元」の名前に由来します。日本に広く普及したのは明治時代になってからといわれています。

選ぶ際は、緑色が濃く、小形なものを。表面に黒いシミや斑点があるものは避けましょう。また、調理法の注意は「ゆですぎない」こと。ゆですぎると、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウムなどが流出してしまうためです。1〜2分程度ゆでて、シャキッとした食感が残る程度がおすすめです。

旬のさやいんげんの風味を楽しむためには、何より「天ぷら」が一番。油と摂取することで栄養吸収力もアップします。さやいんげんはよく洗い、水気を拭き取ります。大きさは、そのままでもOK。長すぎる場合は半分にカットしましょう。天ぷら衣は、薄力粉:水=1:1が基本。例えば、粉1カップの場合は、水は1カップ、そこに卵(Mサイズ)1個を入れます。ポイントは、粉を切るように、菜箸を前後に手早く動かすこと。ダマが残り、もったりする程度が最適です。いんげんに衣をうっすらつけて、揚げ油でサッと揚げましょう。火の通りが早いので、衣にうっすら色がつけば、大丈夫です。

塩をちょっとつけて食べてみてください。さやいんげんの風味が口に広がり、野菜の旨味をしっかり感じることができますよ。

さやいんげん&鶏肉&ゴマ

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モロヘイヤ  molokheiya

夏から10月ごろまでおいしいモロヘイヤは、アフリカやインド西部を原産地とする野菜です。別名「王様の食べる野菜」と呼ばれ、栄養価が高いことが特徴。ほうれん草と比べて、カルシウムは約5倍、カロテン、ビタミンB2は約2倍もの含有量があります。刻むと粘りが出るため、納豆のようなネバッとした食感を楽しむことができます。また、アクが強いため、下ゆですることが大切です。

モロヘイヤは、栄養バランス的に「鶏肉」との相性がよいです。おすすめ料理は、鶏ひき肉を加えた「モロヘイヤスープ」。まず、モロヘイヤをみじん切りにします。鍋に水(4人分で4カップ)を入れて沸騰したら、鶏ガラスープの素(4人分で小さじ2)を加えます。火を弱めて、モロヘイヤを入れて数秒したら、アクをとり、溶き卵を回し入れて出来上がり。最後に、塩、こしょうで味を調えましょう。

鶏肉はコラーゲンを含有するため、ビタミンCを含むモロヘイヤと摂取することで、美肌効果が期待できます。

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ぎんなん  ginkgo nut

秋を代表する食材の一つ。イチョウの種子で、強い独特なにおいを放つことが特徴です。栄養価は糖質を主に、ビタミンC、カロテンなどを多く含みます。9月に出回るぎんなんの実は緑色をしていて、冬に向けて徐々に黄色に変色します。殻付きを購入する場合は、大粒で殻が極力白いものを選ぶとよいでしょう。

ぎんなんは殻のまま冷凍できます。大量に入手した場合は、冷凍して、使う分だけ取り出す方法をおすすめします。

食べ方は、炒ったり、揚げたりしてお塩で食べるのが一般的ですが、ご飯に混ぜ込んだ「ぎんなんご飯」も簡単です。普通にお米を研ぎ、炊飯器(または土鍋)にセッティングします。お水をはり、殻と薄皮をとったぎんなんを加えます。白米3合に対して、酒大さじ2、塩小さじ1強を加えて、通常どおり炊きます。酒を入れることで、ふっくらつややかなご飯に仕上がります。一見、普通の白ごはんですが、ぎんなんが口に入った瞬間に独特な香りが広がり、秋の味を堪能できるでしょう。

香り(苦味)が苦手な方は、熱湯でゆでた「ゆでぎんなん」がおすすめ。何もつけず、そのまま食べてもおいしい歯応えのある一品に仕上がります。

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みょうが  Japanese ginger

6〜10月ごろが旬の香味野菜です。漢字では「茗荷」と書きます。独特の苦味と風味が特徴で、そうめんの薬味や刺身のつまなどに重宝されます。栄養価はほとんどありませんが、香り成分(α-ピネン)を含有し、食欲増進、発汗作用が期待できます。購入の際は、ふっくらと丸く赤みがかったものを選びましょう。

食べ方は生で食べることが一般的です。例えば、「みょうがの味噌和え」。みょうがを薄くスライスします。そこに、普段使いの味噌(だし入りがベスト)を適量入れて混ぜ合わせれば、出来上がり。生のみょうがを使うため、傷みやすいので、2〜3日くらいで食べきれる量を作りましょう。そのまま食べて、箸休めにもいいですし、ほっかほかのご飯にのせて食べてもよし。食事の締めに、ご飯にのせて、さらにお茶をかけて、サラサラッと食べても、おいしいです。体調不良で食欲のないときなどには、特におすすめです。

また、みょうがの豆知識として一つ紹介。冬から春にかけて出回るみょうがの茎のことを「みょうがだけ」と呼びます。若芽を弱光で育てたため、薄紅色をしています。アスパラガスのようにすらっとした姿で、長さは50〜60cmほど(販売時は20cmほどにカット)。使い方はみょうがと同じですが、苦味や風味は、みょうがほど強くありません。通年あるものではないので、見かけたときが試し時期ですよ。

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かぼちゃ&ねぎ&しょうが

西洋かぼちゃは江戸時代にカンボジアから渡来した野菜で、「カンボジア」がなまって「かぼちゃ」という名になったといわれています。

かぼちゃは、油と摂取したほうが、カロテンやビタミンEの吸収力をアップさせるため、炒めものや揚げものがおすすめ。カロテンは吸収されるとビタミンAに変化するので、疲れ目を癒し、視力低下を防ぐといった効果があります。

また、ねぎやしょうがなどの香味野菜と調理することで、風邪予防の効果が期待できます。おすすめ料理は「かぼちゃの野菜あんかけ」。かぼちゃは3mm程度の厚みに切って、食べやすい大きさにします。ほかに好きな野菜、肉を用意してカット。フライパンに油を多めにひき、かぼちゃを素揚げします。一度、取り出して、他の野菜、肉を炒めます。その中に水(1人分:1カップが目安)と鶏ガラスープの素少々を入れて煮立て、揚げたかぼちゃを戻します。次に、すりおろしたしょうがと小口切りにしたねぎを加え、さっと混ぜ、塩、こしょうで味を調えます。仕上げに、水溶き片栗粉を適量入れて、とろみをつけます。水溶き片栗粉は、一気に入れると固くなりすぎるので、少しずつ加えることがポイントです。最後まで強火で調理しましょう。

このあんかけを、ご飯にかけるもよし、麺にかけるもよし! お好みの食べ方でどうぞ。

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さやいんげん&鶏肉&ゴマ

さやいんげんも、かぼちゃと同様、油との摂取が理想的です。また、良質なたんぱく質をもつ「鶏肉、大豆加工品(納豆、豆腐など)」や、ビタミンEを多く含有する「ゴマ、アーモンド」などが、相性のよい食べ合わせ食材です。さやいんげんに含まれる“リジン”というアミノ酸と合体することで、美肌効果が期待でき、女性には魅力的な食べ合わせです。

例えば、「さやいんげんと鶏肉のゴママヨ和え」はいかがでしょう。食べ合わせと油を使うことを意識したレシピです。まず、半分にカットしたさやいんげんを熱湯でサッとゆで、水にとります。残ったお湯で、鶏肉をゆでて水にあげ、手で細かく裂きます。どちらも水気を拭き取り、ボウルに入れ、すりゴマとマヨネーズを好きな量加え、しょうゆを少々たらし、全体を混ぜ合わせます。塩分が足りない場合はマヨネーズではなく、塩(または、しょうゆ)を足すとよいでしょう。せっかく栄養を考慮した料理でも、油分をとりすぎれば、台なしに。ちょっとした「工夫」が大切です!

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