人生これすなわちゲーム、フッ
―― 能條純一に捧ぐ。ただしタイトルのみ
やれPSPだ、Xbox360だと、ゲーム機市場では毎年のように新顔が登場し、ゲーム業界は活況が続いているように見えます。ところがどっこい、この業界も実はかなり苦しんでいます。新型機(いわゆる「ハード」)が、次々と開発される背景には、次世代機では今度こそ主導権を奪ってやろうという挑戦者(=現・負け組)メーカーと、今握っている主導権を今後もがっちり確保しようというチャンピオン(=現・勝ち組)メーカーとの、熾烈な開発競争があります。そして、「勝ち残り以外はみんな赤字」と言ってもよい、この過競争の環境の下、市場競争原理主義者の言葉とは裏腹に、ハード・メーカー、ソフト・メーカー、ユーザー、全てが損をするような三方一両損の状況が現出するに至っています。ユーザーにしてみれば、新しいハードより、面白いソフトを作ることに力を注いで欲しいところですが、「そんなんじゃあ、ハード・メーカーは儲からないんだよ!!」ということで、資金も労力も無駄なハード開発に投じられる結果、関係者全員にその負担のしわ寄せが行き、みんなが損をするという構図です。市場メカニズムが、無駄なコストを圧縮するどころか、増大させることも多いという実例です。今回は、このゲームの世界の周辺の断片をちょっとばかり、かじってみることにしましょう。