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大人の総合学習「総選挙のしくみ」
執筆者 畑江嘉門

大人の総合学習「総選挙のしくみ」

衆議院  the House of Representatives

2005年8月30日公示、9月11日に投開票された選挙は第44回衆院選です。日本の国会は二院制をとっており、衆議院と参議院があり、議員の任期は衆院が4年、参院が6年です。

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総選挙  a general election

参議院は定数の半分ずつを3年ごとに改正します。これを「通常選挙」と呼びます。これに対して衆議院は全議員が一斉に改選されることから、「総選挙」と呼びます。すなわち総選挙は衆院選のことです。

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解散  dissolution

戦後の衆院選は今回で23回目(戦前を含めると44回目)ですが、任期が満了した総選挙は、1976年の三木内閣時代の1回だけで、残りの22回は首相が解散・総選挙に打って出たものです。解散、すなわち衆議院の議員任期満了前に、その資格を失わせる行為です。

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特別国会  an extraordinary session of the Diet

政党が政権を獲得するには、単独または連立を組む複数の政党で、衆院の過半数の議席を得なければなりません。このため、衆院選は政権選択の選挙と位置づけられています。衆院選後に、院の構成などを決めるのが特別国会です。総選挙後30日以内に召集され、この国会で首相指名選挙が行われますが、衆院と参院が別の人を指名した場合、憲法の規定により衆院が指名した人が首相に選ばれます。

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中選挙区制  medium-sized constituencies

1946年、戦後初の衆院選は旧憲法下大選挙区制でしたが、「新憲法解散」と呼ばれた1947年から、ひとつの選挙区で2〜6人を選ぶ中選挙区制に変わり、この中選挙区制は93年まで続きました。中選挙区制は有権者の選択の幅が広がる、小規模政党にも当選者を出すチャンスがあるなどの利点がある一方で、さまざまな弊害も少なくありませんでした。たとえば、政党や政策より、候補者個人の後援会組織で選挙を行ったり、自民党の派閥政治の温床となりました。

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小選挙区制  the small  electoral district

中選挙区制の弊害を少なくし、政党、政策中心の選挙を目指したのが、現行の小選挙区比例代表並立制です。94年の「政治改革関連法」で導入され、96年の衆院選から実施されています。現行制度の総選挙は、2000年(「神の国解散」)、03年(「マニフェスト解散」)に次ぐもので、3回目が2005年9月の第44回総選挙でした。小選挙区制は全国を300選挙区とし、ひとつの選挙区で1人を選びます。基本的には同じ政党の候補同士が争うことはなく、各党が政策を競い合うことになります。第44回の総選挙では、自民党が郵政民営化反対派の旧自民党候補者の選挙区に新しく賛成派候補者を擁立したのは、小選挙区制度が背景にあるからです。

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比例代表制  the proportional representation system

比例代表制は民意を反映しやすい制度で、ドント方式とも呼ばれる方式です。各党の得票数に比例して当選者数を決定する選挙制度です。現行では、北海道、北関東、近畿、九州など全国を11ブロックに分けて、180議席が政党ごとに投票された得票に従って議席が配分されます。衆院選は政党が候補者の名簿順位を事前に決め、政党名で投票する拘束名簿式を採用しています。

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