月刊基礎知識
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2005年09月号
小泉・自民党の一人勝ちを分析する緊急特集
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「自民党爆勝!」に納得できない貴方へ

「自民党爆勝!」に納得できない貴方へ 私も政治学者を名乗る以上、好むと好まざるとにかかわらず、今回の衆院選を取り上げないわけにはいかないでしょう。というわけで、衆院選のキーワードから、めぼしいものを拾ってみました。ちなみに、今回の選挙結果についての講評を簡単に述べますと、負けた負けたと関係者各個人は騒いでいますが、「民主党プロジェクト」としては、この結果は予定通りの大成功と言えると思います。なんでだよー、と誰でも思いますよね。話は簡単、民主党の第一の党是小選挙区制&二大政党制なんです。今回の自民党の「地滑り的」爆勝は、小選挙区制&二大政党制の特徴であるスイング現象が典型的な形で表れたもので、日本の政治風土が「小選挙区制&二大政党制」型に変化してきたことを意味しており、民主党にしてみれば、たまたま負けただけの話であって、全体としては目指す方向に順調に進んでいると言えるからです。民主党のこれまでの躍進は、実は、与党の自民党、公明党の議席ではなく、同じ野党の社民党、共産党の議席を奪うという、ライバルを蹴落とす戦略で支えられてきました。つまり、選挙の度に、与党との対決姿勢を強調する口先とは裏腹に、攻撃の矛先は背後のライバル野党に向けられてきたということです。こうして民主党がツイてコネたスイング・ボーターという、二大政党専用の大きな餅を、今回は自民党がいただいたということです。ただ、その先、民主党が望むような二大政党制になるかどうかはかなり不透明なんですが、その話はまた別の機会に譲るとしましょう。

イラストレーション・下谷二助

執筆者:土屋彰久

船と飛行機、港にまつわる単位と数値

船と飛行機、港にまつわる単位と数値 港という場所は、大昔ならばそこも賑やかなスポットだったのでしょう。たくさんの船がひっきりなしに帰って来て、毎日が異国の産物やミヤゲ話にあふれた頃とは打って変わって、このごろは演歌のBGMと別れのイメージに彩られています。空の港であるエアポートでさえ、波の音こそせぬものの、たとえばテレサ・テンの哀しげな歌声を連想させる装置であると言っても過言ではないでしょう。まして、秋です。大きな風が吹いて自民党が爆勝したあとに残された港に寂しき秋風、今月は港と空港と船と飛行機の話です。滑走路の話もあります。

著者:白鳥 敬
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