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「2003年日本新語・流行語大賞」からみる〈流行り〉のキーワード
 

年収300万円(トップ10)

受賞者:森永卓郎さん(UFJ総合研究所 経済・社会政策部長)

いま転職すれば即刻年収300万円、転職しなくてもじわじわと賃金が下がっていき300万円に落ち着く時代。2003(平成15)年3月、日本経済新聞が経営者に行ったアンケートでも「今後とも定期昇給を残す」と回答した者18%。年収300万円時代の生活術はコマゴマした節約ではなく大胆な家計の構造改革からと説く、受賞者の著書『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)がベストセラーになった。

まるきん まるび

1984年 流行語部門・金賞

受賞者:渡辺和博(イラストレーター)

渡辺和博は著書『金魂巻』で、現代の代表的職業31種に属する人々のライフスタイル、服装、行動などを、金持ちと貧乏人の両極端に分けて解説した。それを、○金(まるきん)、○貧(まるび)とネーミングしたところが秀逸。著書はベストセラーになり、この言葉もマスメディアだけでなく、日常会話の中にも頻繁に出てくる大流行語となった。

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日本列島総不況

1998年 トップテン入賞

受賞者:堺屋太一(経済企画庁長官)

小渕内閣の経済企画庁長官に就任した堺屋は、日本経済の現状を“停滞”ではなく「低迷」と断言した。さらに全体状況を「日本列島総不況」と、極めて明快な言葉で表現した。小渕内閣の“アクセサリー”と揶揄された堺屋だが、“流行作家”らしい表現力で一矢を報いた。“エコノミスト”としての本領発揮がなるか、世の中の注目を一身に集めた。

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ニコ四

本誌1951年版

日雇労務者が職業安定所からもらう1日の賃金手取242円のことで、労務者仲間でこの名ができた。失業者の増加とともに安定所は毎日同じ人間を就業させることができなくなり、9月1日から輪番制(1日働き1日は予備員、1日は休み、大体3日に1回の就業)をとって以来、いわゆるアブレが出て来るので、“完全就業”“輸番制反対”“ニコ四では食えぬ”と叫ぶ“職安デモ”がこれまた増加、警官隊との衝実事件も続発するという結果となった。

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サンコ

本誌1959年版

ニコヨンというのは1日の日当240円だったころつけられた日雇労務者の別名だが、その後作業の重い軽いによつて288円、318円、338円、378円の4段階になっていた。ところで昭和32年4月から政府は公務員の給与を上げ、運賃の値上げをやったので、減税にも浴することのできないこれら日雇労務者の日当をちょっぴりと上げ、その最低をこれまでの288円から300円とした。つまりいまではニコヨンではなくサンコということになる。

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月給2倍論

本誌1960年版

自民党の池田勇人が、34年2月24日関西財界人との懇談会で唱えたもの。その要点は、積極的財政経済政策をとって国内需要の増進をはかれば、生活水準は2倍にも3倍にも上がる、つまり生産性を上げていけば、それに伴って、賃金を今の2倍に引き上げることも可能だというのてある。現在、賃金水準はアメリカの9分の1、イギリスの4分の1、これを一挙に打破することは夢物語に近く、国民の泣きどころをついた政治家の無貴任なことば。

※じっさいには、その後の高度経済成長によって月給2倍は達成されてしまう。

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貧乏感

本誌1971年版

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ニュー・プア(疑似貧乏)

本誌1985年版

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