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再び三たび流行する病気と健康の用語集
 

現代的食生活が引き起こす問題

ジャンクフッド病

本誌1982年版収録。以下、

ジャンクとはくず物の意味。フッドは食べ物であるが、ハンバーガーやポテトチップなどを多く食べている青少年の間に、脚気(かっけ)に似た症状が現れていることが、アメリカの医者によって指摘されている。わが国でもすでにインスタント食品を多くとっている青少年に脚気の症状が現れていることが指摘され、ビタミンB群を含んだ食品をとるように提案されている。

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にせ健康食品

本誌1986年版収録。以下、

健康増進に効果があると銘打って販売される食品が総称して健康食品というが、近年、その売上げが急激に増え、業界全体では5000億円ともいわれている。しかし、薬事法に触れないかぎり野放しとされてきているため、人びとの健康への不安、関心に付け込んで効能のないものや、有害なものまでを詐欺的な商法で売り付ける傾向が見られ、社会問題となっている。最近では、その対象が青少年層にまで拡がりつつあり、雑誌広告を見て、多くの青少年が被害にあう例までみられた。

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顎関節症

本誌1987年版収録。以下、

口を開いたときに、両耳の前のアゴ関節が、カリッとかポキッとか音を立て(これをクリッキングという)、症状が進むとアゴ関節やアゴの“エラ”の部分が痛む病気。最近、若い世代に急増して注目されている。ひどくなると閉口障害が起こり、ロが大きく開けられなくなる。ふつうの人は縦にした3本の指が入るが、このアゴ関節症になると、指1本入るのがやっとというケースもある。軟かい食品ばかり食べてアゴが退化したためともいわれるが、とくに虫歯などで歯並びの悪い人は注意したほうが良い。なお、長い間、自律神経失調症に悩まされたり、“何となく調子が悪い”という不定愁訴を訴え統けている人は、一度、アゴ関節を歯科の口腔外科などで調べてもらうといいということである。

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潜在性ビタミン欠乏症

本誌1988年版収録。以下、

昭和61年6月、東京で開かれた日本ビタミン学会で、ビタミン欠乏症に関する新しいデータが次々に発表され専門家の間で話題になっている。それによると“飽食の時代”といわれながら栄養のアンバランスが激しく、ビタミンの中でも特にB1とCの不足するものが多いということである。「何となく調子が悪い」「体がだるい」といった症状を訴える人の中には、この潜在性ビタミン欠乏症がかなり含まれているとみられている。

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激辛胃炎

本誌1988年版収録。以下、

昭和61年後半ごろからブームになっている激辛食品を、受験生などが夜食に食べるために起きる急性胃炎。旭川医大第3内科の調査によると、61年12月から半年ほどの間に、この種の胃炎で外来を訪ねた患者は13例、それ以前はほとんどそういう例はなく、最近とくに目立つケースだという。受験生は不安とストレスのため、とかく胃の機能が低下する傾向があるが、そこへ辛さのもとになっているカプサイシンという刺激性の強い物質が作用すると当然に急性胃炎を起すことになり潜在的な患者はもっと多いとみられている。胃の機能が落ちているときは、激辛食品もほどほどにということである。

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カプサイシン

本誌1999年版収録。以下、

とうがらしの辛味成分。ダイエット効果が注目されている。カプサイシンが中枢神経を刺激するとアドレナリンなどのホルモン分泌が多くなり、それによってエネルギーの代謝が高まる。その結果、体内の脂肪組織での脂質の燃焼が増え、体が無駄な脂肪を蓄えるのを抑えることに。とうがらしを使った料理を毎日食べている韓国の女性は外見がスリムなだけでなく、内臓の周囲の脂肪も日本人女性より少ないという。

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ペットボトル症候群

本誌1993年版収録。以下、

コーラや果汁飲料など糖分の多い清涼飲料水を多量に常用することから起きる急性の糖尿病の症状をいう。聖マリアンナ医大などの研究グループが1992(平成4)年5月、日本糖尿病学会で報告したもので、10代から30歳代を中心とした男性糖尿病患者25人について検討した結果、ほとんど過食の状態で、うち22人はこの種の清涼飲料水を1日2〜3リットルも飲んでいたという。同グループはこの症例を清涼飲料水の容器から『(1.5リットル)ペットボトル症候群』と名付けた。この患者たちの糖尿病は中高年に多発し肥満を伴うインスリン非依存型糖尿病で、合併症はほとんどみられなかったが、病気の進行がきわめて急激で、7人は昏睡状態に陥るほど重症だった。食べ過ぎのため血糖値が上がってのどが渇く。そのため果汁飲料などを大量に飲み、さらに血糖値が高くなり、のどがまた渇くという悪循環が病気を引き起こしたと結論づけている。

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缶コーヒー症候群

本誌2000年版収録。以下、

缶入りコーヒーを飲みすぎる人にしばしば見られる、昼間短時間の間に発作的に起きる眠けなどの一連の症状をいう。コーヒーというと普通、カフェインの影響が注目されるが、市販の缶入りコーヒーには1本当たり200キロカロリー近いカロリーのものがあり、1日に数本も飲めば、明らかにエネルギーのとりすぎになる。この缶コーヒーを1日5本以上飲む人が、缶コーヒー症候群になりやすいといわれる。詳しく診察すると睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることが少なくない。

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