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再び三たび流行する病気と健康の用語集
 

衛生の歴史〜清潔になろう!

“あのペース”で衛生化が進んでいたら、今頃、食中毒や感染症などなくなっていたはずではなかったか。

除菌商品

本誌1990年版収録。以下、

会社や町中の共同トイレ、あるいは電車の釣り革、公衆電話などを利用する場合、これら不特定多数の人の触れる部分を、まずきれいにしてから使おうということで開発された商品。1986(昭和61)年、小林製薬が発売した「便座除菌クリーナー」が、この種商品のいわばパイオニア。エイズ患者が国内で初めて見つかったのもこの年。清潔好きのいくぶん潔癖症気味の人たちに爆発的に売れた。ティッシユやスプレータイプのものが中心で、主成分はエチルアルコール。したがって「殺菌」ではなくて「除菌」であり、薬品として厚生省の認可を得る必要もない。したがって製薬会社だけでなく、化粧品メーカーなど10数社から売り出されている。

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消毒・滅菌代行サービス

本誌1991年版収録。以下、

院内感染が大きな社会問題にもなっているが、この病院の医療器具や用品を消毒・滅菌する事業に、大手の化学、金属メーカーなどが相次いで進出している。病院の人手不足や経営合理化の進む中で、これまで病院内で処理していた滅菌作業を外注する代行サービスの需要が急増しており、市場規模は全国で3000億円に達するとみられている。畑違いの化学、金属メーカーなどの、発展する医療関連ビジネス参入の足がかりとして、今後とも競争は激しくなる模様。なお、「消毒」とは病気の原因となる病原微生物だけを殺すこと。「滅菌」はさらに徹底して、すべての微生物とその胞子を死滅させることである(→除菌商品)。

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抗菌性セラミックス

本誌1995年版収録。以下、

トイレ用の衛生陶器に使われ始めた。衛生陶器の黄ばみや汚れの原因となる、大腸菌、緑膿菌など多種多様なばい菌の繁殖を半永久的に防止する。陶器にかけるうわ薬に微量の銀イオンを添加するのがポイント。従来のままのうわ薬に銀イオンを混ぜただけでは、焼き上がった陶器の色が汚くなり、衛生陶器の商品価値が損なわれる。この変色の問題をどう解決するかが、ノウハウ。INAXが1994(平成6)年6月に発売した「KILAMIC」が国内における商品化第1号。価格は従来品に比べ、3割程度高い。なお、プラスチックや紙製品に使われる抗菌剤は、陶器を焼く時の高温で分解してしまうため、衛生陶器の永久処理には適用できなかった。

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清潔症候群

本誌1992年版収録。以下、

朝シャンはもちろん、毎食後、デンタルフロスで歯の手入れをし、うがい薬で口をすすぐ。水道には浄水器を取り付け、外出時には便座シート、除菌ティッシュを持ち歩く。衛生に対してこの程度の関心をはらうことは、もはや当たり前となったようだ。しかし、これが異常なまでに発展し、清潔症候群に陥ってしまう場合もあるとか。男の子の脱毛、エステ・サロン通いは序の口。電車の吊り革につかまれない、ドアノブはいちいちウェット・ティッシュで拭く、1日に何度も下着や靴下を履きかえるといった例も珍しくないらしい。こうした新たな購買層(?)の出現もあって、各種清潔グッズが市場を賑わしている。なかなか分からない自分の口臭を客観的に判定する口臭チェッカー、抗菌・消臭下着など、新製品も続々と発売されているようだ。

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