人生◆セレンディピティserendipity 偶然がきっかけで、思いがけないものを発見したり,運を招きよせる能力。イギリスの政治家・著述家のホラス・ウォルポール(1717−1797)が1754年に始めて用いた造語。おとぎ話“The Three Prices of Serendip”(セイロンの3王子)の主人公にこのような能力があったことから。 ◆フェータリズムfatalism 運命論。運命論者は、フェータリスト(fatalist)。 ◆シュトルム・ウント・ドランクSturm und Drang 疾風怒涛。18世紀の後半にドイツ文学史上に起こった激烈な精神運動。自然と自由への愛を求めて,因襲的な旧社会の習俗や権威へ反抗したものであり,新しいドイツ文学樹立の基礎となった。グリンガー作・戯曲「疾風怒涛」(成瀬無極訳)の題名に由来する。 ◆セラビC'est la vie〈仏語〉 人生はこういうものだ。 ◆モンデューmon dieu!〈仏語〉 「おお、神様!」。英語でいうOh! My God.(オー!マイガーッ)。 ◆ジャポプティミズム/アメリカン・オプティミズムJapoptimism 日本人特有の甘い楽観主義。 いっぽう、American optimism は、アメリカ人特有の楽観主義で「困難な状況でも積極的に挑戦してゆけば、必ずや克服できるという確信」の類。 ◆「わたしゃ愛より金が好き」1989年「ゴン」(キンチョー)のテレビCMでの主婦のセリフ。出演:ちあきなおみ。 ◆「亭主元気で留守がいい」日本新語流行語大賞1986年受賞語 流行語部門・銅賞 受賞者:上山英介(大日本除虫菊(株)社長) テレビCMから生まれたフレーズ。“亭主の沽券”を徹底的に笑いのめし、夫が留守で元気はつらつな妻がこのフレーズを叫ぶ。対照的に、存在感の薄い夫の姿は“夫婦関係”の現実を突き付けられたようで、おかしく悲しい。この年、1番人気のCM。その昔から“亭主達者で留守がいい”という同意の文句はあったが、“元気”という表現への置きかえが、タイムリーなヒットに。“元気”は、ビートたけしのテレビ番組「天才・たけしの元気がでるテレビ!!」に触発されたもの。 ◆働くだけが人生か本誌1991年版収録。以下、
「暗いうちから起き出し、働いて働いてやっとここまで来たけれど」、チオビタドリンク(大鵬薬品)のCM、満たされない人生を語る。「がんばらなくてもいいんだよ」と言うのが愛情の日本。 ◆当たれば1億3000万円!人生たいがいのことはカタがつく。1996年、「ドリームジャンボ宝くじ」広告のフレーズ。出演:所ジョージ。 ◆スリー・エスthree S's 近代人にとって必須の3つのエスという意味あいで,sex(性)、sport(スポーツ)・screen(映画)を指す。sexの代わりにspeed(速力)をもってする者もいる。国際会議場の日本人についてはsleep(居眠り),silence(無言),smile(微笑)を指す。 ◆トゥイナーtweener 1980年代前半のヤッピーに代わって,87年頃から用いられるようになった言葉。betweenに由来する。富裕層と貧困層の中間にいて安定した生活を求めるが,金銭本位ではない人々を指す。たとえば最高級のレストランより手頃な値段のよい店を選ぶなど,いいものを適度に楽しむ術を心得ている人々である。 ◆ユーストレスeustress 良きストレス。ストレス学を主張したカナダのセリエ(H. Selye)による,ストレスこそは人生のスパイスであるとし,それは人類の進歩にとっても,個人の人生にとっても不可欠な原動力で,生の現実はストレスにあるという考え。 ◆BOOMbecoming one's own man 自分にふさわしい人間になる時期。心理学者D.レヴィンが人生を心理社会的発達段階で分類した30代後半の時期。 ◆コンパニオネート・マリッジcompanionate marriage 友愛結婚。米国リンゼー判事が提唱した婚姻形態で,産児制限をし,離婚を是認するが互いに慰謝料の請求をしないことを前提とするもの。 ◆ハッピーウーマン症候群happy woman syndrome 最近の女性の中の,メディアなどが描く画一的な幸せ像を追い求め,型通りにならないと不安に陥る症候。 ◆コロンタイズムkollontaiizm マルクス主義的な立場から女性の解放,自由恋愛を唱える思想。ロシアの女性革命家であり外交官、アレクサンドラ・コロンタイの名にちなむ。コロンタイ主義とも。 ◆微笑鬱病本誌1991年版収録。以下、
自分が鬱病であることを隠そうと、人と顔を合わせたときに微笑して内心の不安をとりつくろう症候。かつて休日返上で働いた40代後半から、定年間際のサラリーマンの1割以上にこの兆候があるという。ゆとりへのカーブを曲がりきれない中高年。 ◆一喜一憂資本主義本誌2001年版収録。以下、
その日その日の株価や、4半期ごとに発表される国内総生産の成長率など、経済の数値にふりまわされる日本の状況を経済評論家内橋克人が命名。経済指標は政権は政権維持のための格好の材料であり、「与野党ともに政治の関心はもっぱら自らに好ましい景気指標づくりに収斂し、細やかな日常性のうえに築かれる国民の暮らしからは遠ざかった」と指摘(朝日、2000年6月16日「論壇」)。 ◆ミダスMidas〈希語〉 (ギリシャ神話で)小アジアのフリギアの王。その強欲さ・軽率さから、寓話のよい対象となっている。ディオニュソスから「どんなことでも一つだけ望みをかなえてやろう」といわれて,自らの体に触れるもののすべてが黄金になることを望んだ。が、“望みどおりに”飲み水やパンまで、挙げ句は実娘まで黄金と化してしまい、大弱り。ディオニュソスに頼んで「望み」をといてもらった。 「王様の耳はロバの耳」の寓話にでてくる王様もこのミダス。 |
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