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真珠夫人フジテレビ系・東海テレビ制作の、昼のメロドラマのヒット作(2002.4.1〜6.28)。戦後の混乱期を舞台に、旧華族令嬢の波乱に満ちた悲恋を描いて、主婦層を中心に真珠夫人ブームを起こした。ヒロイン・瑠璃子(横山めぐみ)は、造船会社の御曹司・真也(葛山信吾)への純愛を胸に、ほかに嫁しても貞操を守り、娼婦の館の女王となっても純潔を全うする。彼らと関係する男女は、その異常とも思えるプラトニックラブに打ちのめされ、次々に死へと追いやられる。そういったけれん味たっぷりの展開とどろどろの愛憎表現が受け、昼の時間帯で、最高9.8%、平均6.1%の高視聴率を記録した(ビデオリサーチ関東地区)。ブームは「真珠夫人・完結版」(9.27)のゴールデンタイムでの放送、菊池寛の原作本の復刊、コミック化、ビデオレンタルの開始、DVDの発売へと広がった。脚本=中島丈博、演出=西本淳一ほか。 受賞者:同ドラマを制作したテレビ東海プロデューサー 鶴 啓二郎 さん ◆菊池寛1888〜1948年。大正〜昭和期の小説家・劇作家。東京高師→明大→早大と移った後、旧制一高に入り直し、芥川龍之介、久米正雄らと同級。のち京大にすすむ。京大在学中、第3次・第4次「新思潮」に参画。卒後は時事新報記者。執筆活動をつづけて。1920年、初の通俗小説「真珠夫人」を著す。1923年には雑誌「文芸春秋」を創刊、文芸家協会を設立(1926)したり、芥川賞・直木賞を始める(1935)など出版人として大いに活躍した。 ◆華族◆メロドラマmelodrama。ギリシャ語のメロス(歌)とドラマを結合した言葉とされ、また、ルネサンス期のイタリアで音楽的要素の多い劇をメロドランマとよんだことから生まれたともいわれる。本来は18世紀末に発達した伴奏音楽入りの大衆向け演劇をさし、内容は勧善懲悪のサスペンスに満ちた人情物語であった。19世紀初頭にメロドラマの全盛期をもたらした作家は、ドイツのコッツェブーとフランスのビクゼルクールで、ヨーロッパの各国でも翻訳、翻案上演された。パリでは通称「犯罪大通り」の芝居町でメロドラマが人気を集めたが、重要なのは、ロマン派に影響を与えたことだろう。ユゴーや大デュマはメロドラマの劇作術の技巧や精妙な舞台装置に学んで、ロマンチックな雰囲気をつくりだした。現在メロドラマといわれるのは、感傷的で通俗性の濃い娯楽劇の意味である。 ◆大衆小説(通俗小説)純文学の対語で、その中間に位置するのが中間小説であるが、中間小説との区別は必ずしも明確ではない。広義には大衆に読まれる文学作品をさすが、狭義には1920年代半ばに起こったマスコミ的文学をさし、関東大震災後急速に発展した新聞・雑誌を舞台に成立した新興文学。大量生産、大量伝達、大量消費などマスコミ的性格をもつ。日刊紙の100万部突破、新聞社系週刊誌、大衆娯楽誌のあいつぐ創刊等により急速に成長した。当初は伝奇性に富んだ時代小説が主流をなしていたが、昭和期に入ると探偵小説(のちの推理小説)、家庭恋愛小説、ユーモア小説などまでふくむようになった。第1次黄金時代といわれる昭和前期には吉川英治、白井喬二、大佛次郎らが活躍したが、その後はマスコミ的性格が強くなり、軌道修正の方向で実録文学や伝記文学が提唱されたが、日中戦争から太平洋戦争へかけて自由な活動は不可能となり、不振の時代を迎えた。戦後活力をとりもどし、新しい読者層を得、その後のテレビの普及がマスコミ状況を大きく変化させたその影響によって、文学のマス化、マスコミ化の強まるなかで、エンターテインメント文学志向の動向とマッチし、多彩な展開を示している。古典的作品に中里介山「大菩薩峠」、吉川英治「宮本武蔵」などがあり、現在活躍中の作家に赤川次郎、藤本義一、田辺聖子、五木寛之、野坂昭如、井上ひさしら大勢がいる。 ◆東海テレビフジサンケイグループ系列のテレビ局(名古屋)。 ちなみにテレビキー局の系列は、
全国放映の連続ドラマはもちろん東京のテレビ局がすべてを制作しているわけではなくて、名古屋や大阪の系列局が制作の「枠」をもっている。 たとえば、
◆たわしコロッケTVドラマ「真珠夫人」中もっとも有名なシーンで供される料理(原作にはでてこない)。第2部、嫉妬心から登美子は、遅く帰宅した夫・直也の夕食に「さめたコロッケしかありませんけど」といってお皿にきれいに盛りつけた2個のたわしをだした。 |
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