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夏と暑さの用語集
執筆協力 編集工房インデックス

夏は昔からこんなに暑かったか?

真夏日/夏日(tropical day/summer day)〔1991年版 気象〕

1日の最高気温が30℃以上になった日を真夏日、最高気温が25℃以上の日を夏日という。東京の真夏日の日数は平均すると1年間に45日、札幌で7日。また夏日の日数は東京で106日、札幌で46日である。また、夜間の最低気温が25℃以上の蒸し暑い夜を熱帯夜という。

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酷暑日

一日のうちの最高気温が25℃以上の「夏日」、30℃以上の「真夏日」に倣ったマスコミ造語。「集中豪雨」「春一番」「梅雨明け宣言」などもマスコミ造語の例。1996年のことば。

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熱波(heat wave)

1991年版版本誌収録。以下、

暑い気団が来襲し、異常な高温となる現象。1980年の6月半ばから7月にかけて、アメリカ南部では熱波が起こり、最高気温が37℃以上の日が42日も続き、1200人あまりが死亡した。最近では、88年の春から夏にかけて、アメリカを襲った熱波と旱ばつが顕著。

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1994年の猛暑

1995年版版本誌収録。以下、

1994(平成6)年夏(6〜8月)は、ほぼ全国的に著しい高温と少雨に見舞われた。夏(6〜8月)の平均気温は全国144地点のうち68地点で統計開始以来もっとも高かった。日最高気温は、東京の39.1℃など全国151地点のうち61地点でこれまでの記録を塗り替えた。東日本や西日本などでは、戦前・戦後を通じてもっとも暑い夏となった。また、夏の降水量は、全国146地点のうち28地点で統計開始以来の少ない記録を更新した。水道の断水、工業用水の削減、農作物の被害など渇水の影響は、西日本を中心とした広い範囲に及んだ。このような猛暑、渇水をもたらした要因として、梅雨前線の活動が不活発で空梅雨だったこと、梅雨明けが平年より1〜2週間早く、夏の高気圧(亜熱帯高気圧)が長期間にわたって、かつ安定して日本付近を覆ったことなどが考えられる。

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猛暑異聞

1995年版本誌収録。以下、

1994(平成6)年の夏は記録破りの猛暑だった。全国151カ所の気象台や観測所のうち、40%に当たる61観測点で「観測史上最高気温」を記録。東京では最高気温39.1℃、最低気温29.3℃、熱帯夜は40日を超えた。もっとも暑かったのは京都、甲府、名古屋の39.8℃。

この夏の特徴は猛暑に加えて水不足が深刻だったこと。農作物の旱魃被害は全国で597億円と農水省は見ている。西日本を中心にコメ、ミカン、ブドウ、野菜などの被害が大きく、また畜産業でも猛暑で牛約3900頭、豚約4000頭、ブロイラー約186万羽が死んだり衰弱したりした。

この他、青森県岩木山中腹のブナ林が、猛暑でガの幼虫が大発生して葉を食べ尽くされてしまった。記録的な日照りで琵琶湖の水位が下がり続けた結果、湖底から戦国時代の武将・明智光秀が約400年前に築造した坂本城の石垣の一部が現われた。90年以降1件もなかった暑さによる死者が、少なくとも全国で32人以上出ている。

水不足はかなり深刻で、日本全国雨乞い列島といった趣があった。

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異常気象(1996)

1996年版版本誌収録。以下、

過去の平均的な気候状態(普通は過去30年程度)から大きくかけ離れた気象現象。異常気象の内容や発生数は気候変動の動向に大きく係わっている。最近は、炭酸ガスなど温室効果気体の増加による気候の温暖化が注目されており、1980年代は世界的に異常高温の発生が増加し、異常低温は反対に減少した。日本ではここ数年、暖冬傾向が続いているが、夏季の低温の多発が影響し80年代は異常低温のほうが目立つ。最近では、コメ不足を引き起こした93(平成5)年の冷夏、戦前・戦後を通じて最も暑かった1994年の猛暑が顕著。

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異常気象(1981)

1981年版本誌収録。以下、

異常気象とは普通、過去30年間の気候と著しく違う天候と定義されている。近年は世界的に異常気象が起こりやすく、干ばつや大雨などによって、農作物に大きな影響を与えるので注目されている。1976年から77年にかけての冬期にアメリカ東部には異常な寒波が襲い、燃料不足が問題となり、ヨーロッパでは異常に暖かく、雪解けの洪水が起きたところもあった。これは北半球の極地方を中心とする高緯度地方の寒冷化(→北半球寒冷化説)にともない、気温の南北差が大きくなり、中緯度の上空を流れる偏西風が南北に大きく波をうったために起こる。

そして北から寒気が侵入するところで寒波や大雪、南から暖気が侵入するところで熱波や干ばつ、寒気と暖気が入り交じるところで長雨、集中豪雨が発生する。このため地域的にも時間的にも変化の激しい天気分布が現れる。

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異常気象(1966)

1966年版本誌収録。以下、

1962(昭和37)〜63年の冬は、日本では北日本に豪雪、何百年に1回の異常低圧、海流異変がみられ、北半球の各地、とくに米国東部、欧州などで酷寒にみまわれた。ドイツ、ポーランドでは月平均気温が平年より摂氏10℃も低かった。英国でも1740年以来の寒さだった。30年ほど昔から近年まで北半球の温暖化が伝えられていたが、いよいよ寒冷期がやってきたようである。

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冷夏

1981年版本誌収録。以下、

1300人が死亡したアメリカの熱波をはじめとし、日本・ヨーロッパの冷夏、インド・東欧の豪雨、アフリカ、中国、オーストラリアの干ばつなど世界的な異常気象が続いた。日本の“涼しい夏”がはじまったのは、7月25日からで例年より5〜6℃も低い、熱帯夜は、今年は5回だけで、農作物の不作も憂慮された。日本の冷夏は戦後では、昭和20、22、28、29、31、51年が記録されているが、原因は地球規模での石油石炭の燃焼や森林伐採による炭酸ガスの増量の結果ともいわれる。

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体感温度

気温に風速その他の気象要素を組み合わせて、人間の身体が感じる暑さ、寒さの程度を目盛にした温度。不快指数(discomfort index)は気温と湿度を組み合わせて、むし暑さの程度を華氏目盛で表した体感温度である。またアメリカの寒波などで外電が報じる相当温度(equivalent temperature)は気温にウインド・チル(wind chill)すなわち風速の冷却効果を加えた体感温度で、気温が氷点下20℃でも風速が15mだと相当温度は氷点下50℃になる。

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特異日

ある気象状態が偶然とは考えられないほどの確率で起こる日をいう。4月5日および23日は晩霜、7月14日は梅雨明け、9月17日、26日は強い台風の襲来、11月3日文化の日は秋晴れの特異日。

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北半球寒冷化説

1981年版本誌収録。以下、

1940年春ごろから1970年ごろまで、高緯度を中心とする北半球で寒冷化傾向が顕著だったことから、北半球がこのまま気温が低くなっていくのではないかという説。

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