月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
シーズン開幕
スポーツ観戦を面白くする キーパーソンからキーワード
執筆協力   編集工房Index

フィリップ・トルシエ (Philippe Troussier)

歩く規律/ミスター規律

トルシエはそのアグレッシブな指導で「赤鬼」などと呼ばれる反面、きわめて規律を重んじることで知られ、アフリカ諸国での監督時代から「歩く規律」「ミスター規律」などと呼ばれていた。1999年7月、五輪代表に選出された柳沢敦は合宿中のホテルを抜け出し、モデル梨花と深夜デート。これが発覚して代表からはずされた。フランス人は“じっさいにそれが守られるかを別として”、細かい規律をつくりがちである。

ページの先頭へ戻る

白い魔術師 (Le sorcier blanc)

トルシエは1989年、ASECアビジャン (コートジボアール) の監督に就任後、コートジボアール、ナイジェリア、ブルキナファソ、南アフリカ代表の監督などを歴任、アフリカ予選でナイジェリアをW杯に導くなどの手腕を「白い魔術師」と賞された。その間、コートジボアールの国籍も取得。ちなみに同じく外国人監督でいえば、中国代表チーム監督のボラ・ミルチノビッチ (ユーゴスラビア) も「白い魔術師」の異名をとる。

ページの先頭へ戻る

フラット3 (flat 3)

トルシエが日本代表監督に就任以来とりつづけている基本戦術。3バックでディフェンスラインを直線的に保ち、その上げ下げを組織的に制御することで相手フォワードをオフサイドトラップにかける防御戦術だが、最終ラインの数が3人と少ないため、"超攻撃的"と形容される。

ページの先頭へ戻る

ポリバレンス (polyvalence)

多様性、多機能性の意。トルシエの基本方針の一つ。選手に複数のポジションをこなさせること。選手層をひろげ、しかも複数のポジションをこなせる選手を重用する。また、選手どうしにポジション争いをさせる「競争原理」も特徴の一つで、最近では三都主アレサンドロと中村俊輔の右サイドバック争いが有名。

ページの先頭へ戻る

感情表現

トルシエはふだんから選手に対して喜怒哀楽を表面に出すよう指導しているが、当人の感情表現もかくの如し。1999年のコパ・アメリカ大会で、合宿中も部屋に籠もってゲームをする名波浩に「あいつは、一生リーダーになれないタイプ」と名指しで非難。名波は「人格まで否定された」と激怒し、両者の確執の始まりとなった。

ページの先頭へ戻る

フローラン・ダバディ (Florent Dabadie)

1974年、パリ生まれ。兼業ではじめたトルシエの通訳・パーソナルアシスタントで一躍有名に。父は映画監督・脚本家。母はファッション雑誌の元編集長。映画『東京物語』『タンポポ』を観たのがきっかけで日本に興味を持つ。1998年、映画雑誌「プレミア」日本版 (アシェット婦人画報社) の編集者として来日。日本語はかなり堪能で、常用漢字ならすべてOKという。

ページの先頭へ戻る

中田英寿

1977年山梨県生まれ。現在、セリエA・パルマ所属。トルシエとの衝突がたびたび報じられている。記憶に新しいところでは、2001年コンフェデレーションズカップ決勝 (フランス戦) の直前、ローマの対ナポリ戦 (セリエAの優勝がかかっていた) のため中田がイタリアに帰り、トルシエは「中田には失望した」と発言。

ページの先頭へ戻る

ベスト・ドレッサー

MFU (社団法人日本メンズファッション協会) 主催。トルシエ監督は2000年、第29回ベストドレッサー賞スポーツ部門を受賞した。授賞式にはダンヒルのスーツで登場し、シドニー五輪金メダリスト高橋尚子選手と同席した。ちなみに、ネクタイの見立てはドミニク夫人の受け持ちとか。岡田前監督が終始ジャージ姿だったのとしばしば対比される。

ページの先頭へ戻る

メガネ

トルシエ監督のトレードマークと言えるメガネ。実はTPOに応じて複数のデザインを使い分けている。来日当初、小型のフチなしメガネ (ツー・ポイント/リムレス) を用いることが多かったが、その後は上部だけフレームのあるタイプをよく使用していた。ちなみに、この形をナイロールと呼ぶ (HOYAの登録商標だが一般名称・ハーフリムよりこの言い方のほうがよく使われるようだ) 。どのメガネをかけているかチェックしているファンも多い。

ページの先頭へ戻る

トルシエ本

本人の著書としては『トルシエ革命』 (田村修一共著・新潮社) と『情熱』 (ルイ・シュナイユ共著・日本放送出版協会) がある。前者は日本代表についての話が中心で、後者は自伝的要素が強い。伝記としては仏「レキップ」紙の記者ジャン・フィリップ・コアント著『異端児トルシエ』 (角川書店) が詳しい。

ページの先頭へ戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS