月刊基礎知識
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新語流行語大賞からよむ日本のしくみ
 

塩爺

保じいさん/保ばあさん〔1999年版  ワードウォッチングより〕

保母さん、保父さんの役割を担う高齢者。老人ホームと保育園が時間を決めて交流する試みが好評。経営が悪化した保育園が同じ敷地で老人向けの施設の経営を始めている。

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「おじいちゃんにも、セックスを。」 (宝島社) 〔1999年版  広告批評より〕

なんともストレート。このコピーだけで十分にインパクトがあるが、さらにモデルとなった「おじいちゃん」が、詩人の田村隆一さんであり、掲載されたのが、おとそ気分の1998 (平成10) 年元旦の新聞広告だったことでさらに注目された。このところ世間をお騒がせし続けている出版社だけあって、当たり障りのない他の年始の挨拶とは画然と違う。すでに社会のあちこちで、顕在化しつつあったにもかかわらず、これまで広告はもちろん、世の中全体が見て見ぬふりをしてきた「老人の性」にズバリと踏み込んだ。とは言っても、それほど生臭く、深刻にならなかったのは、ひとえに田村さんから立ちのぼってくる軽みと洒落っ気、そして彼特有の「色気」のせいだろう。残念なことに、この広告が出た8カ月後、田村さんは帰らぬ人となったが、この時も宝島社は、同じ写真を使って、「じゃあみなさん/これからいろいろ大変だろうけど/お先に失礼します」のコピーで、追悼広告を出した (実際この写真が田村さんの遺影となった) 。

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老人力〔1998年流行語大賞受賞語〕

受賞者:赤瀬川原平 (作家)
新しい発想で、世の中の老人たちに大いなる勇気を与えた言葉「老人力」。生みの親の赤瀬川によれば、年をとって物忘れをすることは、新しい知識を取り入れるために必要という。だから、忘れっぽくなることは「老人力」がついた証拠だとし、年を取れば取るほどスゴイ「力」がつくんだと主張する。この発想の転換に、世間はタジタジとなるばかり。

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