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IT時代に見る普及率のお話
執筆 白鳥 敬

IT時代に見る普及率のお話

カメラ付き携帯の普及率

携帯電話をひろげて顔の前にかざし上下左右に動かす独特の仕草をする人をよく見かけるようになりました。ひと昔前だったら、公衆の面前で、そのようなことをすると、怪しい人だと思われたことでしょう。この仕草は言うまでもなく、カメラ付き携帯電話で写真を撮っているところですね。

ここ数年で、新型の携帯電話のほとんどの機種にデジタルカメラ機能が内蔵されるようになりました。

アメリカのコンサルティング会社A.T.カーニー社とケンブリッジ大学の調査によると、カメラ付き携帯電話の普及率は全世界で21%(2004年4月時点)。5人に1人はカメラ付き携帯を持っているということです。国別では、日本が1位で64%。2位がドイツで34%、3位は韓国で32%となっています。ちなみに、アメリカは7%。

「いやいや、オレは、カメラ付き携帯しかなかったんでいやおうなく買ったんだ」という方もいらっしゃるでしょうが…。

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カメラ付き携帯で写真を撮る人の数

カメラ付き携帯を持っていても、「オレは、携帯なんかで絶対に写真を撮らない」という人はどれくらいいるのでしょうか。

前項の調査「◆カメラ付き携帯の普及率」へによると、撮ったことがない人は、65歳以上では88%。高齢者では圧倒的に撮らない人が多いようです。55歳から64歳では71%。こちらも「大半が撮らない」という表現でも間違いではないでしょう。逆に、撮らない人が少ないのは、18歳以下の10代の子供たち。撮らないという子は33%しかいません。しかも、毎日撮ってるという子が19%もいます。10代と同様の傾向は、35歳まで続き、36歳を超えると、だんだん撮らないという人が増えていきます。

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モバイル・インターネット普及率

総務省の「平成15年通信利用動向調査の結果」によると、2003(平成15)年末時点で、日本のインターネット利用者数は7730万人、全人口当たりの普及率は60.6%に達しています。この数は、PCだけでなく、PDA・携帯電話・ゲーム機など、インターネットに接続可能な端末装置を使ってインターネットに接続している人の数です。

ではこのうち、携帯電話でインターネットに接続している人の数はどれくらいかというと、携帯電話・PHS・PDAからの利用者は、4484万人(58%)だそうです。これは、PCから接続している利用者と重なっている部分がありますので、その分を引くと、1453万人(18.8%)が携帯電話等のみからの利用者となります。

携帯電話からのインターネット接続は、画面の小ささ・通信速度の遅さ、メモリの少なさ・端末の処理速度の遅さなど、いろいろ制約があるものの、携帯によるインターネット接続は、PCの代替というわけではなく、インターネットの利用法の一つとして定着してきつつあるということでしょうか。確かに、インターネットに接続するためにPCのスイッチ入れなきゃいけないのって面倒といえば面倒ですね。

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レンズ付きフィルム普及率

デジタルカメラがフィルムカメラの出荷台数を抜いたのは、2002(平成14)年ですが、今度は、カメラ付き携帯電話のひと月の純増数が、デジタルカメラのひと月の国内出荷台数と同じくらいになってきました。

ところで、カメラ付き携帯電話って、画質はそこそこのレベルだし、シンプルだし、「写るんです」みたいなレンズ付きフィルムと同じような位置づけにあるような気がするのですが、レンズ付きフィルムの売れ行きは、デジタルカメラとカメラ付き携帯電話の普及で、売れ行きは落ちているのでしょうか。

そこで、日本カラーラボ協会の資料を見てみると、確かに年々減ってはいるのですが、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の出荷台数が伸びている割には、大きな減少はしていないんですね。1998年には、7927万4000本だった国内販売数は、02年には7405万4000本と6.6%ほど減少していますが、それほど大きく減少しているというわけではありません。

まだまだしばらくは、レンズ付きフィルムも健在のようです。

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IT時代のメディアの普及率

ITが発達して、数多くのメディアが登場してきたのはいいのですが、それらの一つひとつに全部つきあえるものではありません。まず、時間の問題があります。1人の人間が、メディア視聴にさける時間は、物理的に限界があります。テレビの1日あたりの平均視聴時間は3時間45分(NHKの2000(平成12)年国民生活時間調査)。これは1995年の調査よりも6分ほど増えているのですが、実は、人口構成が高年齢の方にシフトしていっているためだと考えられます。

サラリーマンが平日に、テレビ視聴にさける時間は、多くても3時間程度。その時間を、テレビ・ビデオ・インターネット・ゲーム・携帯電話の通話/情報収集などでシェアするわけです。しかも、テレビも、地上波・BS・CS・ケーブルと多くのメディアがあります。AMラジオもデジタル化が計画されていますし、衛星からのモバイル放送もあります。

時間の次に利用料金の問題もあります。一つひとつのサービスが、月額1000円から2000円だとしても、3つも4つも契約すると月々の出費が痛いです。

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BSデジタルの普及率

総務省の統計によると、BSデジタル放送受信機出荷台数累計は、2004(平成16)年6月で363万台。この他、ケーブルテレビで受信している所帯が239万所帯あって、合計602万所帯で、BSデジタル放送を見ることができる状況だそうです。でも、実際の視聴者数は、残念ながらもう少し少ないのではないでしょうか。なにしろ、物理的に限られた時間に、いろんなメディアを見ろと言われても難しいですよね。

総務省の調査でも、個人のインターネットの利用頻度は毎日最低1回という人が40.7%で最も多く、また、1回の利用時間は10分〜1時間という人が約41%となっています。

ITメディアインフレーションで、残るのは、一部のメディアだけという厳しい現実があります。筆者のような新し物好きにとっては、どのメディアも非常に興味があるのですが、時間と金が・・・

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ブロードバンド普及率

日本国内のインターネット利用者は7730万人で、人口普及率は60.6%に達しています。そのうち、ブロードバンド回線利用率は、2003(平成15)年度末で42.3%。前年に比べて1.36倍に増加しています。(『平成15年通信利用動向調査の結果』より)ブロードバンドとは、アナログ電話回線にモデムととりつけて行うダイヤルアップ接続とISDN接続以外の、ケーブルテレビ、DSL、FTTH、FWA(無線)による接続のことを言います。

いずれ近い将来、インターネット接続の大半が、ブロードバンドになっていくことは間違いないでしょう。モバイルの方も、54Mbpsの無線LANが使えるホットスポットが増えています。ホットスポットの普及率は、インターネット利用者のうち9.5%(約730万人)とまだ少ないですが、これから伸びていくでしょう。さらに、2010年頃の実用化を目指して開発中の4G(第4世代)携帯電話では、光ファイバーと同じ速度である100Mbpsのブロードバンド通信ができるようになります。

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韓国と日本

韓国のインターネット利用者は、2004年6月の韓国政府の調査によると、3067万人だそうです。日本は、7730万人ですが、人口比で見ると、韓国は65.5%と日本より4.9ポイント高くなっています。

インターネット利用者のうちブロードバンド利用者数は、少し古い02年末の資料ですが、韓国は986万人。現在は、もっと多いはずです。いずれにせよ、人口比からいうと韓国のブロードバンド接続数は非常に多いと言えます。なるほど、韓国はブロードバンド先進国というわけですね。

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RSSリーダー普及率

RSSとかRDFという言葉をご存知の方はどれくらいいるでしょうか。いろんなホームページを注意深く見ると、画面のどこかに、RDFとかRSSというアイコンが入っているものが、最近、増えています。朝日新聞のWEB版のホームページにも、右上に、RDFという小さなアイコンがついています。

RSSは、RDF Site Sumaryの略で、RDFとは、Really Simple Description Frameworkの略。これらは、ホームページの情報を短いインデックスとして提供するしかけのことです。RSSもRDFも同じ意味で用いられることが多いようです。

RSSを利用するには、RSSリーダーというソフトウェアを使います。このソフトウェアを立ち上げておくと、定期的にサイトを回り、更新された新しい情報のインデックスを次から次へと作ってくれ、ユーザーは、いつでも膨大な情報を整理した形で最新の情報にふれることができます。

しかしながら、現状ではまだ普及率は低いようです。Yahoo!JAPANが2004(平成16)年7月〜8月にかけて行った調査によると、インターネット利用者のうち95.3%は全くこれを利用していないそうです。

要約された情報が集まるのはいいけど、その情報がたまり過ぎると、またその要約が必要になるので、いっそのこと検索かけたほうが早いからね、という判断でしょうか。

ITの世界ではどんなメディアがブレイクするか予想もできませんね。

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人口カバー率

携帯電話のサービスエリアの広さをいう単位に、人口カバー率があります。人口カバー率が100%なら、日本全国で使えないところがないということでしょうか。残念ながらそうではありません。ドコモの携帯のPDC(mova)は、すでに人口カバー率100%ですが、郊外へいくと今でも使えないところがありますよね。

 この人口カバー率というのは、市町村単位で決められていて、市役所や町役場のある場所で使えれば、その市町村を使用可能エリアとし、その市町村の人口の合計を総人口で割って率を算出します。ですから、日本の全市町村の市役所等がエリアになっていれば、人口カバー率100%となるのです。

ドコモの資料によれば、「人口カバー率=業務地区(市町村単位)÷営業区域の総人口」で「業務地区の基準は当該業務区域における市町村をカバーすること」となっています。

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