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色とイメージの用語集
 

green がイメージさせるものは、若さ・成長・繁栄・元気…、マイナスの意味では未熟・嫉妬・不吉…。宗教的にはマホメットの旗印---イスラム教の聖なる色で、多くの国が国旗に用いている。政治的にはなんといっても70年代以降、環境保護の意味が強い。現在では赤=共産主義・左翼よりイメージが強い。

緑の党(グリュー・リステ)

本誌1986年版収録。以下、

略称GL。最近の欧州では、環境保護、原子力発電反対、経済成長主義批判を訴える市民運動が活発化しているが、その中で西ドイツの「緑の党」(緑の人々ともいわれている)は、1979年以来地方選挙で躍進を遂げ、ついに83年3月の総選挙で17議席を勝ち取って連邦議会への初進出を果たした。若者、インテリ層を中心にし、地球を破壊に導く軍拡反対、大企業活動の規制、労働環境の改善、管理社会化による人間疎外への告発などを掲げ、既成政党を脅かしている。また緑の党は議員の中途交代制(議員任期は4年だが、2人で2年ずつ交代する)や議員と労役員の兼任を認めないなどという異色の方式を打ち出している。ただ、84年には、社民党との連立問題や中途交代制をめぐって党内に不協和音が生じた。

1998年版より。以下、

左派のラフォンテーヌを党首とする社会民主党(SPD)はドイツの最大野党であるが、社会民主主義独自の政策を示しえていない。世論調査での支持率は現与党を上回っているが、現状のままでは20年近く政権から離れるかもしれない。一方、より急進的な野党・緑の党は、95年のベルリン市議会選挙にみられるように党勢を拡大している。

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グリーン・パンサー

本誌1991年版収録。以下、

Green Panther 「戦闘的な環境保護運動家」。1960年代に勇名をとどろかせた”ブラック・パンサー”(黒豹党=戦闘的黒人運動家)をもじって、1970年代に活躍した声高な環境保護論者たちに与えられた呼び名。”グリーン・ピース”や”グリーン・パーティ”(緑の党)などに拠った活動家たちがその典型的なものであるが、1990年代の”グリーン・コンシューマー”は、彼らよりもはるかに柔軟で現実的な運動形態をとっているようだ。

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グリーン・バン

本誌1991年版収録。以下、

green ban 「自然を破壊する事業に対する就労拒否」。オーストラリアから始まった運動で”グリーン・ベルト”(地域社会を取りまく緑地帯)における建設事業などでは働かない、という基本姿勢を貫いている。

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グリーン・レボリューション

本誌1980年版収録。以下、

green revolution 縁の革命。品種改良によって、高収量の農作物を生み出すこと。1960年代末の数年間に、アメリカを中心に各種の農業研究所が、小麦、米、トウモロコシなど画期的な品種改良を行った。たとえば、マニラ郊外に設けられた国際稲研究所(IRI)で作り出した高収品種IR8は、世界の食糧不足を解消するミラクル・ライス(miracle rice =奇跡の米)の名をほしいままにし、フィリピンはもとより、インドネシア、マレーシア、ベトナムなど、東南アジアに急速に普及した。IR8は、台湾とインドネシアの品種を交配したもので、66年ヘクタール当りの収量が五トン、従来の品種より2倍以上の増収となっている。しかし作付面積の普及にかかわらず水利施設の不備、肥料不足などのため収量は意外に伸びず、71年病虫に弱い欠点をさらけ出し、大減収となった。味などもなお改良の余地がある。

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緑の社会主義

本誌1986年版収録。以下、

「緩やかな社会主義」ともいわれるラオス型社会主義をいう。農村共同体的で階級闘争の論理は希薄。ベトナム、カンボジアとは異なった形での社会変革である。

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緑色世代

本誌1975年版収録。以下、

1970年にアメリカで The Greening of America (直訳「アメリカのグリーン化」邦訳タイトル「緑色革命」という本が出版され世界的に話題となった。著者チャールズ・ライクはアメリカ人の意識をI型II型III型に分類し、第III型の出現を「緑色革命」と名づけたのである。I型は建国以来の農民や小商売人の抱く考え方で、II型はいわゆる「オーガニゼーション・マン」の考え方。そこへそのいずれでもないIII型が生れたとしたのだが、この新しい世代を「緑色世代」と呼ぶようになった。

「緑色世代」は現代社会にあるたいていの仕事は無意味で堕落していて、自己の実現とはあい入れないと考えている。決して「怠惰」ではなく、自己実現に価値ある仕事なら喜んで全力を傾けるのである。体制から押しつけられた労働を拒否して、人間個人としての真の可能性を追求するとする。彼等のすべてがいわゆる「脱落者」やヒッピーではない。教師や弁護士といった従来からの職業についているが、その姿勢が違うのだ。「地下」にもぐって反文化運動をやっているものもいる。あるいは従来の職場だと、できるだけ余暇の多い所で働いて、より多くの時間を、新しいライフ・スタイルに使おうとする。組織に従属してその中で自分を伸ばそうとするII型とも違うし、勤勉、人格、克己心によって独力で成功を夢みるI型とも異なるのがライクのいうIII型「緑色世代」なのである。

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緑の羽根

緑の募金のシンボル。緑の募金は「緑の募金による森林整備等の推進に関する法律」(平成7年)で法制化されたものだが、募金自体は1950年から行われている。現在、国土緑化推進機構が主催。集められたお金は、森林の整備、緑化の推進、緑を通じた国際協力に遣われる。2月〜5月および9月〜10月。

黒い羽根赤い羽根黄色い羽根 2黄色い羽根 1青い羽根

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