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近ごろ東京に流行るもの part.2
執筆者 谷川由布子

近ごろ東京に流行るもの part.2

じぇじぇじぇ

まだ5月になったばかりの8日、朝日新聞がNHK朝の連続ドラマ『あまちゃん』の好調ぶりを報じ、ドラマの中で使われている方言「じぇじぇじぇ」の「流行語大賞はもう決まり?」と書いている。4月から放送され、視聴率の20%超えが続くなどで人気を集めている『あまちゃん』。週刊誌上では「再放送や録画を含めると視聴率50%を超える」との言及もある。主題曲「あまちゃん オープニングテーマ」も人気で、6月発売したサウンドトラックCDは、初週1・2万枚を売り上げ、テレビドラマのサントラとしては異例のヒットを記録している。

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炭酸水メーカー

家庭で簡単にソーダが作れる炭酸水メーカーが人気に。炭酸水の使いみちは、まず飲料として。便通の改善や血行を促進する効用があるとされている。また、天ぷらやパン作りに使用するのもちょっとブームになった。さらに、洗顔やパック、ヘッドスパなど美容面でも注目が集まっている。

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ハイクオリティ写メ

写真撮影で、一人が「かめはめ波」を出すポーズをとり、他の人がジャンプをしながらその衝撃を受けてふっとぶようなポーズをし、その瞬間を撮るという、いわばジョーク写真がツイッターなどを通じて流行している。

「かめはめ波」とはマンガの「ドラゴンボール」に出てくるワザの名だが、ほかにも、「マカンコウサッポウ」「ハドウケン」などのワザがある。スマホの写メがハイクオリティ写メになり、魔貫光殺砲をさも放って吹っ飛んでいるかのような瞬間を撮影することが可能な時代になった。日本の女子高生がツイッターに投稿した「マカンコウサッポウ」の画像はみごとで、その反響は海外に及び、アメリカやイギリスのメディアにとり上げられた。

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DJポリス

2013年6月4日、サッカー日本代表は2014FIFAワールドカップ・アジア予選においてワールドカップ出場を決めた。その夜、渋谷駅前は歓喜するサポーターで混乱を極めた。警備にあたっていた20代の警視庁機動隊員がユーモアたっぷりに交通ルールを守るよう呼びかける姿がネットで話題になった。

「皆さんは12番目の選手」「こんな良き日に怒りたくはありません。私たちはチームメートです。どうか皆さん、チームメートの言うことを聞いてください」「怖い顔をしたお巡りさん、心ではW杯出場を喜んでいるんです」。翌朝、彼はDJポリスと呼ばれる有名人になっていた。

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困り眉

両眉をハの字に下げ、困ったような顔に仕上げる困り顔メイクが2011年ごろから流行している。眉は薄く短く、眉尻を下げて描くのがポイント。アイメイクはたれ目風に、頬紅は頬の中心に丸く入れ、唇はリップグロスでぽってりとさせる。トレンドリーダーの加藤ミリヤや梨花が取り入れたり、女性誌で特集されたりと、女性たちの間に浸透している。

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パンケーキ

2010年以降、北米やハワイなどから人気パンケーキ店が次々と上陸し、ブームとなっている。ハワイの人気店「エッグスンシングス」が東京・原宿に。シドニー発のbillsは世界一の朝食という触れ込みで、平日でも朝から行列が絶えない。プレーンだけでなく、フルーツやナッツを添えたデザート系、ズッキーニなどの野菜系、生地からトッピングまでオーダーメードで注文できる店など個性を競っている。

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PCメガネ

低価格メガネチェーンが発売したPC用メガネがヒットセールスを記録している。青色光と目の関係が一躍注目されるようになった。このメガネは液晶ディスプレイが発するブルーライトから目を守るために開発されている。長時間テレビゲームに没頭する子供の目を心配し、キッズ用を購入する親も多いという。

過度の青色光(ブルーライト)が目に悪影響を及ぼす可能性については、いくつか論拠がある。目を疲れさせたり、睡眠障害との関連も指摘されている。

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富士山

2013年6月22日、富士山が文化遺産として世界遺産に決定したことが発表され、大ブームとなった。例年でさえ、30万人以上が夏山シーズンに集中して山頂付近で大渋滞を起こしていたが、世界遺産の内定を受けてすでに5月時点で山小屋の予約はほぼ一杯になるなど富士山人気が過熱した。なお、日本の文化遺産はこれで13番目。

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脱出ゲーム

特定の空間の中に閉じ込められた参加者たちが、与えられたいくつかのヒントやツールなどを駆使することで、そこから脱出する体感型ゲームのイベント。パソコンゲームのようにプレーヤーが仮想画面上でキャラクターを動かして行うのではなく、プレーヤー自身がイベント会場において実際に参加することが人気を集めている。

ゲームに参加する者は、牢獄や乗っ取られた飛行機からの脱出といった、現実には経験できないような設定を与えられて、そこから脱出をしなければならない。その場において与えられたアイテムや暗号、パズルなどに隠された謎を解いて、それを脱出のために利用する。

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100円缶詰

「100円ショップの缶詰カレーが旨すぎる」と、口コミで人気に火がついたのが「いなばのタイカレー缶詰」。メディアで何度も取り上げられ、店頭では品薄状態となった。従来の缶詰の、質素で低質なイメージを覆す「本格的な味」を「100円という安さ」で気軽に楽しめる。

さらに缶詰をアテに飲む缶詰バーも登場。景気低迷の中で始まった「100円缶詰」ブームだが、「高級缶詰」や「グルメ缶詰」にも人気が広がりつつある。

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歌うま外国人

テレビ東京「ニッポンLove外国人歌うまバトル」や、日本テレビ「のどじまんザ!ワールド」で、日本語の歌を歌う外国人の歌唱力が視聴者を驚かせた。

彼・彼女らが日本に寄せる想いの強さ、その想いを支える物語も強い感動を呼び、各番組・歌手への注目が高まる中、世界中から日本の歌を愛する外国人を招き、日本への思いを歌で伝えてもらう「SONG FOR JAPAN のどじまんザ!ワールド」が開催される。2013年4月6日放送分では、アメリカから来日したダイアナ・ガーネットさんが、「世界一日本の歌のうまい外国人」として優勝した。

ニコラス・エドワーズ氏がシングル「君が歌詞(うた)になる」で、クリス・ハート氏がアルバム「Heart Song」でメジャーデビューするなど、日本の歌謡曲やJ-POPが大好きな外国人として、邦楽業界に新たなジャンルを築きつつある。

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ICカード相互利用

全国各地のJR、私鉄、公営交通、バス会社などが発行する10種類の交通系ICカードの全国相互利用サービスが2013年3月23日からスタートした。

鉄道52、バス96の計142事業者(重複6)が参加し、全国の駅の半分近くである4275駅が1枚のカードで乗降できるようになった。ただ、利用できるのはサービス提供エリア内で完結する乗降(異事業者間も含む)のみで、東京と大阪の間といったエリアをまたぐ乗降には利用できない。また、広島や富山の私鉄など、不参加のICカードもある。10種類のカードの発行枚数は計8198万枚に及ぶ(2月末時点)。相互利用は既に一部では行われてきたが、全国に拡大され、出張の多いサラリーマンや旅行客らの利便性は高まった。

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ネット選挙

インターネットを使った選挙運動を解禁する公職選挙法改正案が成立。2013年夏の参院選から、政党および候補者は、選挙期間中のウェブサイトの更新、動画のネット配信、選挙運動用の電子メール送信が可能となった。

一般有権者は、電子メールを使った投票呼びかけは禁止されるものの、ツイッターやフェイスブックなどの交流サイトを通じた投票呼びかけや落選運動はできる。ネット選挙解禁により、若者の投票率の向上が期待される一方で、誹謗中傷やなりすましなどの問題が懸念されている。

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母さん助けて詐欺

電話を利用して、親族、警察官、弁護士などを装い、交通事故の示談金、借金の返済、妊娠中絶手術費用といった名目で、現金を預金口座に振り込ませるなどの方法により金銭をだまし取るのが、いわゆる「振り込め詐欺」。

最近は振り込ませる手口に加えて、犯人がキャッシュカードや現金を直接自宅などに取りに来る「振り込ませない」手口も増加。「振り込め詐欺」という名称が犯罪の実態を的確に表現できていないとして、警視庁は新名称を募集した。その結果、1万4104件、9085点の応募作品が寄せられ、最優秀作品は「母さん助けて詐欺」、優秀作品は「ニセ電話詐欺」と「親心利用詐欺」に決定した。

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標準時

標準時は、一定の地域で共通で使われている。日本の標準時は、1886(明治19)年に東経135度を元に定めて以来、経度0度の英国のグリニッジ標準時から9時間早い時刻となっている。

東京都の猪瀬直樹知事は2013年5月、政府の産業競争力会議で、日本の標準時を2時間早め、グリニッジ標準時から11時間早い時間にすることを提言した。外資系金融機関などのアジア拠点を香港やシンガポールから日本に呼び戻すのが狙いだ。2時間前倒しにすると、東京と香港、シンガポールとの時差は1時間から3時間に広がり、香港やシンガポールでは担当者は日本市場をカバーしにくくなる。また、アメリカのニューヨーク市場が終わる時刻に、東京市場が開くようになり、ヨーロッパと合わせると8時間ずつ、24時間をカバーできる。しかし、2時間前倒しにすると、冬の西日本も一部では、日の出が9時半近くになるなど、日常生活への影響も大きく、実現に向けたハードルは高い。

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冷凍マンモス

2010年にシベリアの永久凍土から絶滅した1頭のマンモスが発掘された。3万9000年前のメス(10歳)で、体長3m。発見された地域の名前「ユカギル」にちなんでマンモスは「YUKA」と名付けられた。あごの下と背中に大きな裂け目があり、内臓の多くは抜け落ちていたが、長い鼻をはじめ、外見はほぼ当時のままだという。

この、全身がほぼ完全な状態で発掘された少女マンモスを世界初公開する特別展「YUKA」』が7月から9月まで神奈川・横浜 で開催されている。

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エナジードリンク

広義の栄養ドリンクの一種。明確な定義はないが、栄養ドリンクのうち、ファッション性のある缶で、若者をターゲットにした「レッドブル」「バーン」「モンスターエナジー」などを指すことが多い。

日本では2012年頃から市場が活性化した。女性向けの「レディーパンサー」、辛口の「ライジン」など、差別化を図る商品も登場し、また、2013年も「スターバックス リフレッシャーズ」などの新商品の投入が相次いでいる。

エナジードリンクは、「リポビタンD」「エスカップ」などが薬事法で定められた医薬部外品であるのに対し、従来からある「オロナミンC」「リアルゴールド」などと同様に、日本では清涼飲料水(炭酸飲料)と扱われ、タウリンなど効き目の強い成分は配合されていない。

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