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2011年の世相を言葉でウォッチング
執筆者 木村伝兵衛

2011年の世相を言葉でウォッチング

接続格差

災害時の通信・情報への接続環境には格差が生まれる。東日本大震災では音声通話よりもメールやツイッターといった文字情報サービスが力を発揮した。ネットや携帯メールに馴染みの薄い高齢者などの「接続格差」が、解消すべき課題として浮き彫りになった。

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情報難民

災害時、電力供給が絶たれたり、ラジオ局のアンテナが損傷したりして「情報難民」に陥ってしまう場合がある。東日本大震災のときにはインターネットも活用したサービスなどで、被災者に情報を届ける努力がなされた。

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GAMAN

東日本大震災発生直後、「タフに乗り越える」といったような意味でニューヨークタイムズの記事中にも使われた。「英語では同じ意味の言葉はないのだが、あえて言えば『Toughing it out』といった意味だろうか。日本の被災者は驚くべきGamanをもって、秩序を守っている」。

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絆婚

東日本大震災をきっかけとした婚活や結婚の急増が報じられたが、よりスポットを浴びたのが「絆婚」というコンセプト。渡辺謙と小山薫堂が被災者を励まそうと立ち上げたサイトの名前が「kizuna311」。2011年、「今年の漢字」は「絆」で決まり!か。

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今年の漢字

一年を振り返り世相を表す漢字一字。12月12日の「漢字の日」にちなんで、京都・清水寺にて発表される。財団法人日本漢字能力検定協会が主催し、1995年から毎年実施されている。

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ボランティア休暇

従業員がボランティア活動するのを支援・奨励するための休暇制度。休暇がとりづらい風土の日本ではあまり普及してこなかったが、東日本大震災を契機として導入する企業が増えた。

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リスクコミュニケーション

行政や専門家、企業、市民らが、リスクに関する正確な情報を共有し、相互に意思疎通を図ること。原発事故による放射能リスクは、目に見えず命に関わる可能性があるため、この必要性が高まっている。

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同調圧力

多数が支持する意見や行動に同調を迫る圧力。震災後、「自粛」「不謹慎」などの理由で少数の意見を抑えたり、「団結」を強要するかの空気が生まれたため、この「同調圧力」に対し識者らが危惧を表明した。

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除雪ボランティア

雪国の過疎地では若者が減り、残された高齢者が除雪作業を行なうが、高齢者の雪かきは作業中の事故など危険が伴い、外からの若者によるボランティアが有効である。交流が進めば、過疎地に活気が戻る効果もある。

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白物家電

しろものかでん。冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの実用家電製品。娯楽のための家電製品は色が着けられることが多く、これらと区別する意味で。

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回転ドア

たしかに「年に一度の恒例」になってしまった交代劇だから、海外のメディアから「回転ドア」と揶揄されても仕方ない。ニューヨーク・タイムズ紙「回転ドアのように首相が交代する国」、豪紙オーストラリアンは「日本は回転ドアの政治に終止符を打つべき」。揶揄の域は超えている。

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フードスタンプ

アメリカ連邦政府が福祉政策の一環として、低所得者層に発行する食料引換券。アメリカのフードスタンプの受給者数は急増している。ニューヨークのブルームバーグ市長が「フードスタンプでのソーダ購入を試験的に禁止する」条例案を提案して各方面からの反発を受けた。

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孤舟族

渡辺淳一の小説『孤舟』(こしゅう)から、定年退職し、第二の人生を孤独にさまよう高齢男性たちのこと。作者自ら命名した。団塊の世代が大量リタイアしたことから「孤舟族」が増加しているという。

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勉強部

東京都立調布南高校で発足した新しい部活動。学年に関係なく入部でき、他部との掛持ちも認められる。学校側が発案し、大学進学率のアップを目指す。講師に有名進学予備校の講師を招いたり、特別講座や夏休み合宿まであるとか。

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オレ割り

自分の担当・管轄だけがよければそれでいいという考え。民主党政権は官僚主体の「縦割り」行政からの脱却を目指したものの、結果「オレ割り」に陥ったといわれる。

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外こもり

下川裕治著『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)などで使われるキーワード。日本でひきこもるのではなく目的もなく海外に移り住み、ひきこもること。正社員として就職し、結婚して家族を養っていくという日本社会の呪縛を降りてしまう人々が増えているという。

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僕の中ではこの程度

「はっきり言って、僕の中では“この程度”なんですよ」。暴力団との関係を告白して引退宣言をした島田紳助。それほど密着してるわけじゃ、ない。でも、「“この程度”で引退しなければならないんです」という思い。

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