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季節の食材カレンダー☆5月の巻
久保田恵美 執筆

季節の食材カレンダー☆5月の巻

あしたば  ashitaba

旬は3月〜9月で、セリ科の多年草。今日摘んでも明日にはまた芽を出すことが名前の由来で、漢字では「明日葉」と書きます。特産地は、伊豆諸島。冬は比較的暖かく、夏は涼しく、年間通して降水量が多い点があしたばの生育に向いているためです。

調理して食べるほか、加工品としても流通しています。例えば、あしたば青汁、あしたば茶など。ガン予防、高血圧・貧血防止、美肌効果といったメリットがあり、近年注目されている食材の一つです。

あしたばと植物油

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こごみ  ostrich fern

旬は短く5月ごろ。葉先がくるんと丸まって、かがんだ(こごんだ)姿に見えることが名前の由来です。別名「クサソテツ」とも呼ばれています。

アクが少ないため、下処理なしで調理できる手軽さがあります。代表的なメニューは、こごみの天ぷらや、こごみのゴマ和え。

ここでは、こごみを初めて食べる方でも馴染みやすい「こごみの肉巻き」を紹介します。まず、こごみを塩を加えた熱湯で、柔らかくなるまでゆでます。ゆですぎると食感が悪くなるので気を付けましょう。水にとり、水気をふきとります。それを、豚もも肉(スライス)でクルクルッと巻きます。熱したフライパンにおき、肉に焼き色がつけば出来上がり。塩・こしょうで味を調えましょう。こごみの歯ごたえを楽しめ、さらに栄養価も満点。

カロテンは、ピーマンの約3倍。ビタミンB2は、ピーマンの約4倍も含んでいます。どちらも油と摂取することで吸収が高まるので、炒め物や揚げ物として食べることをおすすめします。

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実山椒  Japanese pepper

みざんしょう。旬は5月〜6月。山椒(さんしょう)の未熟な青い実(直径3mm〜4mm)のことです。別名「青山椒」とも呼ばれています。山椒はミカン科の落葉樹で、雄の木と雌の木があることが特徴です。両者が揃っていないと、実をつけることはありません。実山椒は、雌花についた成熟前の実のこと。ピリッと辛く、そのまま食べると刺激が強いので、甘辛く炊いた佃煮や塩漬けなどにしていただきます。京都名物「ちりめん山椒」で、存在感を発揮しています。ちりめん山椒とは、いわしの稚魚であるちりめんじゃこと、実山椒をしょうゆで甘辛く炊き上げた佃煮のこと。ご家庭で作ることももちろんできますが、佃煮店または通信販売にて購入が可能です。ふりかけ感覚で、ご飯にかけて食べてもいいですが、ご飯に混ぜ込んでおにぎりにするのも美味です。

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山椒は小粒でもぴりりと辛い

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」ということわざがあります。山椒は「とても小さい粒なのに、その大きさに似合わず、非常に辛い」ことが転じて、「見かけや体は小さいけれど、気性や才能は鋭く、あなどることができない」の意味。食材の特徴をとらえた、ことわざの一つです。

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粉山椒  Japanese pepper

実山椒は、11月ごろになると、熟成して茶色の実になります。その皮を粉末にしたものを「粉山椒」と呼びます。うなぎの蒲焼きにかけていただくのは定番ですね。他に、和え物の風味づけや、お吸い物にも最適です。

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いちご  strawberry

いちごの本来の旬は4月〜5月ごろ。しかし、ここ数十年で新品種改良やハウス栽培の普及から、11月〜6月ごろまでは、国産のいちごが出回るようになりました。いちごの最大の特徴は、豊富なビタミンC。100g当たりのビタミンC含有量は、みかんの約2倍、バナナの約4倍に当たります。ビタミンCはコラーゲン生成を助けるため、美肌効果が期待できます。また、いちごの赤色には「アントシアニン」という色素が含まれ、ガン予防、肝機能低下の改善、視力向上などの効果があります。含有するビタミンCは、水に溶けやすい性質があるため、いちごを洗う際はヘタを取らずに洗うことがベスト。少しでも流出を防ぎ、たっぷり栄養をとりましょう。

いちごと牛乳

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マグロ  thunnus

マグロとひと言でいっても、様々な種類の魚が存在します。クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチマグロ、キハダバグロ、ビンナガマグロ、タイセイヨウクロマグロ、コシナガ、タイセイヨウマグロの8種がマグロ属に含まれます。それぞれ旬が違うため、旬にあったマグロを選ぶとよいでしょう。クロマグロは冬で、メバチは春と秋。キハダは春から夏にかけてで、ミナミマグロは夏場です。マグロの特徴は、タンパク質が豊富なことです。特に赤身に多く、魚の中で最も多い含有率です。一方、中トロや大トロには、脂質が多く含まれています。DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA (エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸を含有し、特にDHAの含有率は、魚の中でトップです。DHA、EPAともに、疲労回復、老化防止、コレステロール値低下、血液サラサラ効果などが期待できます(その含有量は落ちますが、赤身にも含まれています)。

近年では、DHAとEPAは、サプリメントで摂取可能になりましたが、時間のゆとりを少しでも作り、食事を通して、栄養を摂取することをおすすめします。

マグロと緑黄色野菜

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あしたばと植物油

あしたばに含有するビタミンCやカロテンに、植物油や種実類(くるみ、アーモンド)などのビタミンEを組み合わせると、ガン予防の効果が期待できます。

おすすめの食べ方は、「あしたばの天ぷら」。あしたばは、茎の堅い部分は取り除き、ざく切りにします。衣をつけて、高温の油でサッと揚げましょう。油の温度が低いと、ベタッとした仕上がりになってしまいます。食べるときは、しょうゆではなく、塩で食べると、あしたばの風味をより一層楽しめます。

天ぷらにすることで、あしたば独特の苦味が和らぎ、食べやすくなります。苦味が得意でないけれど、栄養は取りたい!といった方にもおすすめな食べ方です。

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いちごと牛乳

いちごに含有するビタミンCは、適度な酸味を加えることでより安定します。例えば、レモン汁やヨーグルトといった酸味を足してみましょう。

おすすめは、「いちごミルク」。ミキサー(またはフードプロセッサー)を使い、撹拌するだけの簡単ドリンクです。まず、いちご6個のへたをとり、半分に切ります。牛乳200ml(コップ約1杯)、はちみつ大さじ1と2分の1、レモン汁少々を用意。すべてをミキサーに入れて、しっかり液体状になれば、出来上がりです。はちみつは好みで足して、甘さを調節してください。ビタミンCに、イライラを解消する牛乳のカルシウムを足すことで、精神安定に効果的です。

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マグロと緑黄色野菜

マグロに含有する成分「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、緑黄色野菜に多く含まれる「カロテン」と組み合わせると、脳細胞の活性化を促し、老化防止や動脈硬化防止につながります。おすすめメニューは、「マグロと野菜のかき揚げ」。マグロは食べやすい大きさの角切りにし、野菜(かぼちゃ、にんじん、ピーマンなど)も適当な大きさに切ります。揚げ衣をつけ、中温程度の油で揚げましょう。マグロは火が通らなくても食べられる食材なので、火の通りを気にしなくても大丈夫です。また、揚げ物が苦手な場合は、同じ材料で、炒め物にしてもいいですね。ニンニクを入れれば、疲労回復メニューとして最適です。

マグロは、部位によって、いろいろな味や口当たりを楽しめます。また、調理法もいろいろと工夫できる万能食材です。お刺身のほかに、シンプルにソテーした「マグロのステーキ」をはじめ、照り焼き、揚げ物、煮物など。どの料理にも意識して、緑黄色野菜を添えてみましょう。

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