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季節の食材カレンダー☆1月の巻
執筆 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆1月の巻

ほうれん草  spinach

旬の時期は長めで秋から冬にかけて、おいしくいただけます。年中出回っていますが、寒い季節に出回るほうれん草のほうが、栄養価が高く、甘みがあります。

ほうれん草は緑黄色野菜の中でも、栄養価に優れていて、特にカロテンは豊富。ほかにビタミンC、鉄、カルシウムなど日常生活に必須な成分がたっぷりつまった野菜です。

また、造血作用のある「葉酸」を含むうえ、鉄の吸収をよくするビタミンCも含むため、貧血の方には最適。さらに、ほうれん草の赤い根の部分には「マンガン」という成分が含有し、骨の形成に役立ちます。

ほうれん草の味をシンプルに楽しみたい場合は、「ほうれん草のおひたし」が一番です。塩ゆでしたあと、手早く冷水にとるときれいな緑色を保つことができます。また、絞ったあとに、しょうゆを全体に軽くかけ、再度絞ってみましょう(1束に対し、しょうゆ小さじ1程度)。そうすることで、水っぽくならず、よりおいしくいただけます。この作業を「しょうゆ洗い」といいます。

ほうれん草&ゴマ&落花生

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小松菜  komatsuna

小松菜(こまつな)は、江戸時代に東京・小松川(現在の江戸川区)で多く栽培されていたことから、この名前がつきました。旬は12月〜2月。カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄などを豊富に含有。中でも、鉄はほうれん草の約1.4倍、カルシウムはほうれん草の約3.5倍と、ほうれん草に引けをとらない優良野菜です。

また、小松菜はほうれん草よりもアクが少ないという特徴があるため、生のままスープに入れたり、野菜ジュースの素材にしても問題ありません。ただし、鮮度が落ちると栄養価も半減してしまうデメリットも。ちなみに、1日置くと約30%のビタミンCが失われるといわれています。購入後にすぐ食べるか、もしくはゆでて冷凍しておくことをおすすめします。

小松菜と豆製品

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水菜  pot herb mustard

旬は12月〜3月。水と土だけで栽培されたことから、「水菜」と名づけられました。

シャキシャキッとした食感が特徴で、淡白な味は生食に最適です。また、ビタミンC、ビタミンA、カルシウム、カリウム、鉄などを多く含み、栄養価にも優れた野菜です。

中でも、カリウムは水溶性のため、生で食べることをおすすめ。水を3cm〜4cmは幅に切って、ボウルに入れます。レモン汁(水菜2分の1束に対し、レモン3分の1個分)を加え、塩、こしょうをします。食べる直前にオリープオイルを回しかけます。量はひと回しかければOK。ここに、彩りでトマトをのせれば、即席サラダの完成です。寒い冬にサラダは避けたいという場合には、「鍋もの」がおすすめ。水炊きをはじめ、石狩鍋、豆乳鍋など、どんな鍋にも合いますよ。たっぷり入れて、食感を楽しみましょう。

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三つ葉  mitsuba

三つ葉は、日本古来に自生した野草の1種。栽培され始めたのは、江戸時代ごろといわれています。三つ葉とひと言でいっても、大きく、「切り三つ葉、糸三つ葉、根三つ葉」の3つに分類できます。

切り三つ葉は日光に当てずに軟化栽培したもので旬は12月〜2月。上品な香りが特徴です。糸三つ葉は水耕栽培のため、年中出回る一般的な三つ葉です。

根三つ葉は、3月〜4月に出回る貴重なもの。歯ごたえがよいため、おひたしや和え物に最適です。ビタミンA、C、鉄、カリウムなどを含有。特にビタミンAを多く含み、目や皮膚の保護効果が期待できます。また、香り成分であるクリプトテーネンとミツバエンには、精神を鎮める効果があり、ストレスや不眠症改善に効果があります。

加熱しすぎると香りが損なわれるので、椀ものの仕上げに加えたり、丼ものの飾りに添えたりと生に近い状態で食べることをおすすめします。またたくさん量をとるならば、ほうれん草などと同様、サッとゆがいて「おひたし」として食べるとよいでしょう。

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カリフラワー   cauliflower

旬は10月〜3月。カリフラワーは地中海沿岸の原産で、明治初期に日本に伝わりました。当初はブロッコリーよりも親しまれていたといわれています。

また、カリフラワーはブロッコリーと同様、キャベルの改良種で花蕾(からい)を食べます。栄養面では、ビタミンCが豊富でなんと、かぼちゃの約2倍! さらに、アリルイソチオシアナートという機能成分が含まれており、血栓を防ぎ、ガン予防に効果的です。

調理の面では、きれいな白色を保つため、塩ゆでする際に少量の「小麦粉」または「お酢」、「レモン汁」を入れることがポイント。小麦粉を混ぜる際は、ダマにならないよう水で溶いたものを加えましょう。

おすすめは「カリフラワーカレー」。普段のカレーの具材に仲間入りさせてみてください。柔らかくなりすぎるとおいしくないので、仕上げに加えて3分〜4分煮込めばOK。インドカレーに「アルゴビ(じゃがいもとカリフラワーのカレー)」があるように、日本家庭のカレーにもどんどん使ってほしい食材です。サラダで使うより、一度にたくさん食べられるので、お子様にもたくさん食べてもらえるチャンスです。

カリフラワー&かぼちゃ

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ほうれん草&ゴマ&落花生

ほうれん草は、ビタミンEを含む食材と摂取すると、ガン予防の効果が一層増します。ビタミンE食材の例は、アーモンド、ゴマ、落花生、植物油などです。家庭でも一般的な「ほうれん草のゴマ和え」は理に合った食べ方といえますね。

ここでは、ゴマ和えを少しアレンジした「ほうれん草の落花生和え」を紹介します。まず、落花生をフライパンに入れてあぶり、香ばしさを出します。それをみじん切りにします。

次に、和え衣を作ります。砂糖:しょうゆ:だし汁=1:1:3で混ぜ合わせたものに、落花生を加えます。甘めが好きな方は、砂糖を少し増やすとよいでしょう。

ほうれん草は塩ゆでして、冷水にとり、食べやすいサイズに切ります。食べる直前に、和え衣をかけ、全体になじませれば出来上がりです。

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小松菜と豆製品

小松菜は、油脂やたんぱく質を含む食材と組み合わせると、カルシウムの吸収率が高まります。また、ストレス解消にも効果があり、おすすめです。

具体的には、肉類、魚類、豆製品との相性が◎。ここでは、豆製品を使った料理「小松菜と豆腐の炒め物」を紹介します。まず、豆腐はキッチンペーパーに包み、水切りします。小松菜は3cm幅程度に切ります。フライパンに油を熱し、小松菜を入れ、炒めます。このとき、水分が出やすいので、強火で炒めることがコツ。ややしんなりしたら、水切りした豆腐をそのまま投入。へらで崩しながら、サッと炒めます。塩、こしょうをして、仕上げにしょうゆを香りづけ程度に、少々入れます。もし、ほかに野菜を入れるならば、にんじんやかぼちゃなどを入れてもよいでしょう。炒め物は簡単なのに、栄養価をしっかり逃さず摂取できるため、おすすめします。

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カリフラワー&かぼちゃ

カリフラワーのビタミンCに、緑黄色野菜のカロテンとビタミンEが一緒になれば、ガン予防に効果のある三大成分を網羅(もうら)できます。

中でも、栄養たっぷりなかぼちゃと組み合わせた「具だくさんシチュー」はいかがでしょう。一般的なシチューの具材は、肉のほかに、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、コーンなど。それに、カリフラワー&かぼちゃを足してもいいですし、何かと差し替えても。鍋にたくさん作って、たくさん食べられる、寒い季節にはぴったりの料理ですね。健康維持のためには、体内を温めることが必要なので、温かい料理を意識して、レパートリーに入れましょう。

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