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季節の食材カレンダー☆12月の巻
執筆 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆12月の巻

白菜  Chinese cabbage

白菜の旬は11月〜2月の寒い季節。霜に当たると柔らかくなり、おいしい野菜です。水分が多く、生で食べると甘みが弱いですが、熱を通すことで甘みが出ることが特徴。大根、豆腐とともに「養生三宝」といわれ、精進料理に欠かせない食材です。

購入の際は、持ったときずっしり重く、葉先がしっかり巻かれているものを選びましょう。カットされている場合は、中央の黄色い部分の面積が広く、葉同士がギュッとしまっているものを選んでください。

白菜の二つ割り

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白菜ハンバーグ

白菜の食べ方は、鍋ものや煮込み料理が一般的です。しかし、白菜の水分をうまく軽減すれば、どんな料理にも応用が効く食材なのです。ここでは、具材として活用した「白菜ハンバーグ」を紹介します。まず、白菜は葉と芯(白い部分)に分け、芯、葉の順で塩ゆでします。水気をよく絞り、葉はざく切りに、芯はみじん切りにします。合いびき肉に卵(肉400gに対して1個)、パン粉、牛乳を少々加え、練るように混ぜます。そこに、よく絞った白菜を投入。塩、こしょうを少々加えて、さらに混ぜれば、タネのできあがりです。成形をして、通常通りに焼いたあと、仕上げのソースを作ります。フライパンは洗わずに、残った肉汁を使い、トマトケチャップと中濃ソースを同量で加え、味を調えましょう。常備野菜に玉ねぎがある場合は、ぜひ加えてみてください。みじん切りにしてきつね色になるまで炒め、冷ましてから加えます。味にコクや甘味が加わり、おすすめです。

白菜&緑黄色野菜

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白菜の二つ割り

丸ごと白菜を買ったときは、まず、下処理に困るものです。もしも、冷蔵庫に入れるために二つ割りにしたいときには、こんな切り方がおすすめです。

まず、根元の固い部分に包丁の刃を入れます。そのあとは包丁は使わず、手で思いっきり縦に裂くのみ。このひと工夫で、葉がばらばらにならずに済みます。自信のない方は、葉を1枚1枚はがして、軽く水にぬらいたキッチンペーパーに包み、保存袋に入れて保存するとよいでしょう。しかし、一度葉をはがすと鮮度が落ちやすいので、早めに使いましょう。

白菜&緑黄色野菜

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ねぎ  long green onion

ねぎには様々な種類がありますが、一般的に「ねぎ」といえば、「白ねぎ」を指します。旬は10月〜3月。白い部分と緑の葉部分がくっきり分かれている原因は、育て方にあります。白い部分は、土の中で太陽に当たらないようにして育てられるためです。料理の薬味として、その白い部分を使うことが多いですが、緑の葉部分のほうが栄養価は高いのです。

購入する際は、白い部分が多く、ツヤがあり、ずっしりした重さがあるものを選びましょう。

白ねぎの他に、青ねぎ、万能ねぎといったものが出回っています。青ねぎはねぎの総称で、関西地方で親しまれる「九条ねぎ」が中でも有名。白いところはほとんどなく、緑の葉部分がメインのねぎです。サッとゆがいて、酢みそで和えた「ぬた」や水炊きなどの鍋の具材として活躍します。

また、ねぎは使いきるのに困った経験はないでしょうか。おすすめの保存法は、残ったねぎをすべて、小口切り(2mm程度の千切り)に切り、保存袋に入れ、冷凍庫に入れる方法です。シャリシャリに凍るため、小分けしなくても、使いたい分だけ取り出し、薬味や料理の具材として重宝します。ただし、長期間保存すると鮮度が落ちるので、1ヶ月以内には使いきるようにしましょう。

ねぎ&豚肉

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春菊  garland chrysanthemum

白菜と同様、春菊(しゅんぎく)の旬は11月〜3月の冬の期間。カロテン、カルシウム、カリウムなどの栄養素が豊富です。ほかに、女性にうれしい鉄分、ビタミンCも含み、ガン予防、肌荒れに効果があります。

また、春菊の独特の香りは、自律神経に作用し、精神安定の効果が期待できます。寒い冬は、自然と肩に力が入り、自律神経への負担も多くなります。

疲れたなと思ったときは「水炊き鍋」はいかがでしょう。鍋に水をはり、骨付きの鶏肉(手羽元など)を入れます。火にかけ、くつくつしてきたら、アクをとり、好みの野菜を加えましょう。蓋をして、野菜がしんなりすれば、出来上がり。春菊は食べる直前に入れて、20秒〜30秒ほど煮ればOK。たくさん食べて、寒さを乗りきりましょう。

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大根  Japanese white radish

大根は、ねぎと同様いろいろな種類がありますが、一般的なものは「青首大根」と呼ばれるものです。葉の下が緑がかっていることが特徴。大根は脂肪やたんぱく質を分解する消化酵素(アミラーゼ、ジアスターゼなど)を含有するため、肉や魚といっしょに食べると余分な脂肪などを分解し、健康維持につながります。

また、葉部分は非常に栄養価が高く、あなどれません。カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄を豊富に含有。また、食物繊維も含み、コレステロールの吸収を抑制する働きがあるため、動脈硬化の予防につながります。

ぜひ、葉っぱは捨てずに、細かくきって、千切りしたしょうがをちらし、酢、塩を適量入れて混ぜてみてください。簡単な「浅漬け」の出来上がりです。酸味が苦手な場合は、そこに白だしを少々加えます。コクがでて、食べやすくなりますよ。

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里いも  taro

里いもの旬は長く、秋から春先3月あたりまで。山に自生するやまいも(自然薯=じねんじょ)に対し、里で栽培されることが名前の由来です。原産地はインド東部からインドシナ半島。日本への普及は、稲作が始まった縄文時代後期より古いといわれています。いも類の中で、最もカロリーは低いのに、食物繊維をはじめ、ビタミンB1、カリウム、たんぱく質といった栄養素を含有するため、ダイエットにはもってこいの食材です。

また、ぬめり気の成分は、糖質とたんぱく質が結合したもので、ガラクタンやマンナンという名称の成分です。ガラクタンは脳細胞を活性化する作用があるため、老化防止につながります。マンナンは腸内環境を整える作用があります。

ふかし里いも

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ふかし里いも

里いもは、煮物から揚げ物まで幅広くおいしくいただけますが、おすすめは「ふかし里いも」。さつまいもを蒸し器でふかして食べるのと同様、里いもも甘みが増して、最高の味わいになります。ほかのいもにはない、ねっとりとした食感はたまりません。好みで塩をちょっとつけて食べるとよいでしょう。また、焼いてもOK。アルミホイルに包み、オーブンまたはグリルで焼いてみましょう。10分〜15分ほどで柔らかさをチェックして、まだのようならさらに焼きます。熱い、熱いと言いながらほおばるのも、寒い冬の醍醐味です。

石川早生

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石川早生

旧暦8月15日のお月見には、「石川早生(わせ)」という子いも(小さな里いものこと)を皮ごとゆでて、お供えする風習が日本には古くからあります。石川早生は、ちょうどその頃に収穫がはじまり、9月ごろまで出回る季節の農作物という理由で、お供えされました。また、里いもをお供えすることから、「芋名月」とも呼ばれています。近年ではお供え用の「月見団子」が購入できるため、里いもを飾った風景は少なくなっています。

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白菜&緑黄色野菜

白菜は約95%が水分ですが、ビタミンCとカリウムを多く含んでいます。ビタミンCは風邪予防、美肌効果には欠かせません。また、カリウムはとくに白い芯の部分に含有し、利尿効果や血圧を下げる効果があります。

白い部分は堅いため、一般的に「食べにくい」イメージがあるかもしれませんが、細かく刻んで、お味噌汁やチャーハンの具にしたり、浅漬けにしたりと、食感を生かす料理には最適です。

また、白菜は、緑黄色野菜との食べ合わせがおすすめ。「白菜の彩りスープ」なんて、いかがでしょう。まず、白菜は1cm幅にざく切りします。かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜を乱切りにします。鍋に水を注ぎ、緑黄色野菜と白菜の白い部分を投入。火をつけて、柔らかくなるまで煮ます。コンソメの素と残りの白菜を加えて、ひと煮立ちさせ、塩・こしょうを入れて味を調えます。白菜のビタミンCやカロテンに加え、緑黄色野菜のビタミンを同時に摂取できるため、女性にはうれしい美肌効果アップにつながります。

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ねぎ&豚肉

ねぎの独特の臭いは、硫化アリルの「アリシン」という成分によるもの。アリシンはビタミンB1の吸収を高める効果があります。よって、ねぎは、ビタミンB1を含む食材との食べ合わせがおすすめです。

代表的なビタミンB1食材は、豚肉。ここでは、「豚肉とねぎの炒め物」を紹介します。まず、豚肉は脂身の多い豚バラ肉を使います。カロリーを気にしている場合は、豚もも肉を使いましょう。肉は食べやすい大きさに切り、ねぎの白い部分は小口切りにします。ねぎの葉は、2cm幅程度の斜め切りにします。フライパンに油を熱し、まず肉から焼きます。こんがり焼けたら、ねぎの葉を投入。サッと炒めればOK。仕上げに白い部分を加え、塩、こしょうをすれば出来上がりです。シンプルな料理ほど、栄養を損なわず摂取できるものです。アリシンは熱を通しするぎると効果を失うため、炒めるのは「サッと」がポイント。また、緑の葉には栄養がたっぷりです。ぜひ、炒めることでカサを減らし、使いきる習慣をつけましょう。エコにもつながりますよ。

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