月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
季節の食材カレンダー☆8月の巻
執筆者 久保田恵美

季節の食材カレンダー☆8月の巻

とうがん  White Gourd

とうがん(冬瓜)は、熱帯アジア原産ウリ科の野菜です。4〜5kg以上と重く大きいため、カットされて売られている場合が多いです。旬は6月〜8月と真夏ですが、冬まで貯蔵できる点から「冬瓜(とうがん)」と呼ばれています。90%以上が水分で、ビタミンC以外はほとんど栄養価は期待できません。ですが、淡白な味わいや、咽越しのよいやわらかい食感が暑い夏には好まれる食材です。

食べ方は、だしの味をしっかりしみ込ませた煮ものが一般的ですが、ここでは、生のままいただく「とうがんサラダ」を紹介します。

まず、皮をむきます。薄い緑色がうっすらと残る程度までむきましょう。2mm幅程度のせん切りにして、塩を少々ふり、20分程度おいておきます。切るのが面倒な場合は、ピーラー(皮むき器)でサーッと薄く長くむくのもいいでしょう。

水分が出てきたら、しっかり手でしぼって、水気をきります。器に盛り、かつおぶしをたっぷり添えて、少ししょうゆをかければ、できあがり。前菜や箸休めとしてシャキッとした食感を楽しめます。洋風サラダにしたい場合は、好みのドレッシングをかけてもおいしいです。

ページの先頭へ 戻る

にがうり

その名の通り、苦味が特徴の沖縄野菜です。別名「ゴーヤ」と呼ばれ、全国に出回っています。にがうりに含まれるビタモンCは、なんと「トマトの5倍」! さらに、にがうりのビタミンCは、熱に強いため、調理してもビタミンはそのまま。美肌効果、夏バテ防止にはもってこいの食材なのです。

表面のイボに張りとツヤがあり、痛いくらいにボコボコしているものが良品です。また、根元が膨れているものは避けましょう。

にがうりは、何と言っても独特な「苦味」が特徴です。苦味を押さえるために、塩を十分にまぶし、下ゆでする方法もありますが、それでも、まだ苦手という方に、こんな食べ方はいかがでしょうか。

「冷やしそうめん 揚げゴーヤのせ」。普通にそうめんをゆで、器に盛り、好みのつゆをかけます。その上に、カリッと揚げたゴーヤをのせてできあがり! ゴーヤは油との相性がよく、一緒に摂取することで、栄養素の吸収率を高めます。ポイントは、2mm幅に切って、水にさらしたあと、高温の油で、サッと揚げること。独特な苦味が弱まり、食べやすい味わいに。ぜひ、試してみてください。

また、その苦味が好きな方には、「ゴーヤ焼きそば」がおすすめです。焼きそばと言えば、キャベツですが、その変わりに、旬のゴーヤを入れてみましょう。歯応えと苦味が加わって、甘味のあるキャベツとは、またひと味違う一品に仕上がりますよ。→にがうりとマグロ

ページの先頭へ 戻る

ピーマン

ピーマンは「唐辛子」の仲間で、唐辛子を意味するフランス語「ピマン」が名前の由来です。旬は6月〜8月。緑色が濃く、ツヤがあり、かたく重いものを選びましょう。

ピーマンは緑色が一般的ですが、最近では黒、橙、黄、赤といったカラフルなピーマンも出回っています。ですが、元をたどれば、どれも、緑のピーマンなのです!

緑ピーマンが完熟すると、黄から赤へと変色。また、大型の緑ピーマンが熟すと、やはり黄から赤へと変色し、「ジャンボピーマン」、「オランダパプリカ」などと呼ばれています。中でも珍しい黒ピーマンは加熱すると、緑色に変色するピーマンで、ヨーロッパで品種改良された野菜です。

ピーマンの特徴は、独特な青臭さと苦味。それがピーマンの良さなのですが、苦手という声を多々聞きます。そこで、苦手な方でもおいしく食べられる方法として、「油」を使うことをおすすめ! ピーマンは油で調理すると、青臭さを取り除く効果があり、さらに、抗酸化作用のある“カロテン”の吸収力をアップさせるのです。

苦手を克服する調理のポイントは、細かく「みじん切り」にすること。お子様の大好きな「オムライス」や「チャーハン」によ〜く炒めたみじん切りのピーマンを加えてみると、知らず知らずに食べてしまう……なんてことも! そのくらい、臭いや味が気にならない1品に仕上がります。

また、「カレー」の具材としても魅力的な野菜です。ピーマンの風味が好きな方は、生のまま入れて煮込めばOKですが、苦手な方は、よ〜く炒めたみじん切りのピーマンを仕上げに投入してみましょう。見た目にも入っているかどうかわからない「隠れピーマンカレー」のできあがりです。→ピーマンチャンプルー

ページの先頭へ 戻る

とうもろこし  corn

とうもろこしは塩ゆでして、そのまま食べてもおいしい野菜ですね。野菜といっても、甘味が非常に強いので、子どもに喜ばれるヘルシーおやつにもなるでしょう。栄養面では、糖質のほかにたんぱく質、脂質、ビタミンなどをバランスよく含む優良野菜です。また、とうもろこしに含有する糖質は、「オリゴ糖」といい、腸内善玉菌の「ビフィズス菌」を増殖させる機能があります。よって、腸内環境を整え、ガン予防などの効果が期待できるのです。

とうもろこしは、ゆでるだけでもおいしいですが、ちょっと気分を変えたいときは、「焼きとうもろこし」に挑戦してみてはいかがでしょう! 家庭で夏祭り気分を味わえますよ。

作り方は、ゆでとうもろこしに、ハケなどでしょうゆを塗り、直火で炙ります。網がある場合は、網にのせて、火にかけてもいいですね。しょうゆを塗って炙るという作業を数回繰り返し、香ばしい香りが漂えば、できあがり。

また、ゆでとうもろこしの実をコロコロと手でとって、保存容器に入れて冷凍しておくのもおすすめ。料理のアクセントに何か加えたいときに、少しずつ使えて、重宝します。

ページの先頭へ 戻る

オリゴ糖  oligosaccharide

正式名、イソマルトオリゴ糖。小糖類とも。2個から10個の単糖が結合した糖。ビフィズス菌を増やして、腸の働きを活発にし、カロリーも砂糖より低い。

ページの先頭へ 戻る

枝豆

枝豆は、大豆を若いうちに収穫したものです。良質なたんぱく質を含有するため、「畑の肉」と呼ばれ、栄養価の高い食材の一つです。さやの緑が濃く、表面にシワがなく、ぷっくりと張りのあるものを選びましょう。5月〜8月ごろにおいしく食べられますが、7月〜8月の真夏には枝付きの枝豆が登場します。枝付きのほうが、鮮度が高いので、迷ったら、枝付きを買いましょう。枝からさやを切るときはハサミを使えば、早いものです。ちょっとした手間こそが、「よりおいしい」を体感できるポイントです!

塩ゆでした枝豆を、ご飯と混ぜた「枝豆ご飯」は、何より旬の味を楽しめる1品ですね。そのご飯を俵型や三角ににぎって「おにぎり」にすれば、夏のレジャーのおともに最適です。黄緑色のプクッとした枝豆がご飯の白色に映えて、お弁当が一層華やかになりますよ。

ページの先頭へ 戻る

にがうりとマグロ

ビタミンEの多い「キングサーモン、うなぎ、マグロなどの魚介類、アーモンド、落花生」などが相性のよい食材です。にがうりのビタミンCを合わせることで、抗酸化力がアップし、老化防止に!

おすすめの一品は「炙りマグロゴーヤチップス添え」。まず、マグロを角切りにし、フライパンで表面を軽く焼きます。直火が使える場合は、柵のまま炙るとよいでしょう。ゴーヤは極薄く切り、水にさらします。水気を拭き取り、高温の油で、サッと揚げます。油をきって、予熱がとれたら、パリパリッと指で細かく砕きましょう。器に炙ったマグロをのせ、その上に、細かくしたゴーヤを散らします。塩を添えて、食べる際、つけながらいただきます。お酒のおつまみにも最適です。ゴーヤを使った“和”のひと皿、ぜひ!

ページの先頭へ 戻る

ピーマンチャンプルー

ピーマンには、「大豆、大豆加工品(納豆、豆腐、おからなど)」との組み合わせがベスト。大豆に含まれるインフラボンが、ピーマンに含有するビタミンCやカロテンの吸収力を高め、シミ、ソバカスなどを押さえる美肌効果が期待できます。また、ピーマンのビタミンCは熱に強いため、炒めもの、揚げものに向いています。

そこで、おすすめメニューは、ゴーヤチャンプルーをヒントにした「ピーマンチャンプルー」。まず、豆腐をキッチンペーパーで包み、まな板などで挟み、水気を切ります。ピーマンは細切りにします。その他、好きな野菜を食べやすい大きさに切りましょう。

熱したフライパンに、油を多めにしき、ピーマンを炒めます。続けて、その他の野菜を炒め、水きりした豆腐を固まりのまま入れます。ヘラでほぐしながら、炒め、最後に溶いた卵をまわし入れましょう。火加減を強めにして、サッと全体に卵がからめば、できあがり。味は、塩・こしょうで調え、最後に香りづけ程度にしょうゆを少々加えます。肉を加える場合は、豚肉がおすすめ。野菜といっしょによ〜く炒めることがポイントです。ちなみに、沖縄方言“チャンプルー”は「混ぜこぜにした」の意。→にがうり

ページの先頭へ 戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS