月刊基礎知識
月刊基礎知識トップページへ バックナンバーへ
賞味期限から使用期限。食品から避妊具まで。
執筆者 白鳥 敬

賞味期限から使用期限。食品から避妊具まで。

消費期限

加工食品や肉などの生鮮食品には、消費期限や賞味期限が表示されています。期限表示は、厚生労働省が所管する食品衛生法、農林水産省が所管の日本農林規格(JAS)法で定義しています。消費期限は、お弁当・生菓子・食肉のようにいたむのが早い食品が対象で、5日以内に品質が劣化する食品が対象です(食品衛生法・JAS法)。

ページの先頭へ 戻る

JAS  Japanese Agricultural Standard

JAS(日本農林規格)は、1999年、規格制度に加えて、表示制度が新たに加えられました。制度には、成分や品質などの規格になるJAS規格制度、生産方法についての規格の特定JAS規格制度、品質表示基準制度(強制)があります。表示基準として、加工食品の表示は、品名、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者または販売者の氏名と住所などを一括して表示。生鮮食品のうち、農作物と畜産物は名称と原産地を表示。

ページの先頭へ 戻る

賞味期限

期限表示は、厚生労働省が所管する食品衛生法、農林水産省が所管の日本農林規格(JAS)法で定義しています。賞味期限は、スナック菓子やインスタントラーメンのように比較的日持ちのいい食品が対象になっています。製造後3ヶ月までは、年月日で示し、3ヶ月を超える場合は、年月だけの表示でもよいことになっています(食品衛生法・JAS法)。

ページの先頭へ 戻る

賞味期限なし

中には、賞味期限の表示のない加工食品もあります。たとえば、砂糖・塩・アイスクリームなどです。これは、食品衛生法・JAS法ともに、表示義務はありません。台所で、塩と砂糖のパッケージを確認したところ、「長期保存食品のため、消費期限を記載しておりません」とわざわざ書いてありました。書いてないとかえって、問い合わせの電話が数多くかかってくるということでしょうか。

ページの先頭へ 戻る

製造年月日

加工食品には、消費期限や賞味期限は表示されていますが、製造年月日が表示されていないものも多くあります。これは問題なし、だそうです。食品衛生法では1995年4月から、JAS法では2005年4月から、製造年月日に代えて期限で表示することになりました。加工技術が進んだため、製造年月日を表示するより、いつまで持つのかという情報の方が消費者にとって重要になってきたからだそうです。

ページの先頭へ 戻る

家電の製造年

テレビなどの家電製品には、製造年を表示することが、製造業表示規約8条で決めされています。テレビは本体の横などに、「07年製造」などというラベルが貼ってあります。この他、冷蔵庫やエアコンなど、日常生活でよく使う43の製品について製造年を表示することになっています。携帯電話など、製品サイクルの短いものは年表示で大丈夫なのだろうか、と思って調べてみたら、ちゃんと、何年何月製造と、製造月まで表示されていました。

ページの先頭へ 戻る

修理用部品の保有期間

10年以上も前に買ったカメラを修理に持っていったら、「今度壊れたら部品がありませんので修理できなくなります」と言われたことがあります。電器製品の取扱説明書やカタログには、「製造中止後、8年間は修理用補修部品を保有しております」などと記載されています。この保有年数の下限が製造業表示規約で決まっています。これによると、最長の9年が冷蔵庫やエアコン。テレビやステレオは8年、アイロンやトースターは5年となっています。あとは、メーカ次第で、この期間以上、残っていることもあるようです。

ページの先頭へ 戻る

使用推奨期限

電池の本体に、「12-2007」などという表示が書いてあります。これはJISで決められている使用推奨期限で、この期限内に使用を開始すれば、十分な性能を発揮できますよ、ということです。最近は、アルカリ乾電池の使用推奨期間が5年というところが多くなってきました。電池は、使っていなくても、自己放電して、だんだん電気が減っていきますが、改良が進み5年間も新品同様の性能を保持できるようになったのです。自己放電どころか液漏れすら当たり前だった30年以上前と比べると実にたいへんな進歩だと思います。

ページの先頭へ 戻る

充放電回数

ニッケル水素電池のような充電できる二次電池には使用推奨期限はありません。最近の二次電池は充放電が1000回くらいできますから、一日一回充電するような使い方をしていても、約3年間は持つということです。充放電を1回繰り返すことを、1サイクルといいます。

ページの先頭へ 戻る

薬の使用期限

薬の使用期限は、外箱に書いてあります。薬は化合物ですから、時間がたつと変質するものもあり、効き目が低下してしまいます。特に記載がないものについては、3年が使用期限だそうです。いずれも、開封しない状態で保存した場合で、開封したらできるだけ速く使ったほうがいいそうです。食べ物と同じですね。

ページの先頭へ 戻る

避妊具の使用期限

コンドームの使用期限は5年だそうです。日本製のものなら、実際は、10年たっても大丈夫・・・・らしいです。そのコンドームですが、出荷数は、年々低がっているといいます。(財)性の健康医学財団のHPに紹介されているデータによると、1998年までは、なんとか年間国内出荷数400万グロス(1グロスは144個だからおよそ5億8000万個)前後を維持していたのですが、翌1999年にはおよそ350万グロスまで落ち、2004年は300万グロスを切って、293万グロス(4億2000万個)ほどまで低下しています。世界全体の統計で見ても、2000年頃からがくっと出荷数が減っています。日本国内だけなら少子化の影響と見ることもできますが、世界的に減っているのは何が原因なのでしょう?

ページの先頭へ 戻る
All Right Reserved, Copyright(C) ENCYCLOPEDIA OF CONTEMPORARY WORDS