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西暦2007年の流行語大賞
執筆者 木村傳兵衛

西暦2007年の流行語大賞

流行語大賞

この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相をついた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。1984(昭和59)年に創始、「現代用語の基礎知識・選/日本新語・流行語大賞」としてスタート。以来、毎年12月に発表されている。『現代用語の基礎知識』最新版から上位語がノミネート語として選出され、そこから審査委員会によって年間ノミネート60語が絞られ、さらに受賞語(トップテン語と大賞語)が選ばれる。審査委員会は、藤本義一(審査委員長)、俵万智、神足裕司、やくみつる、『現代用語の基礎知識』編集長によって構成される。 05年からは「ユーキャン新語・流行語大賞」として発表されている。

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年間ノミネート60語

毎年12月に発表される流行語大賞に先立って、ほぼ11月中旬に公表される60の用語群。11月初めの時点で編集中であるところの『現代用語の基礎知識』、その最新版のゲラ刷りの中から選出された上位語を叩き台に、審査委員会によって60語が絞りあげられる。審査委員会は、藤本義一(審査委員長)、俵万智、神足裕司、やくみつる、『現代用語の基礎知識』編集長によって構成される。審査委員会は、さらに受賞語(トップテン語と大賞語)を選定する。

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受賞語

2007年12月3日発表された「2007年ユーキャン新語流行語大賞」、大賞語は「(宮崎を)どげんかせんといかん」「ハニカミ王子」。トップテン語は「そんなの関係ねぇ」「どんだけぇ〜」「消えた年金」「鈍感力」「食品偽装」「ネットカフェ難民」「大食い」「猛暑日」。

年間ノミネート60語に選ばれながら、受賞語とならなかった「ことば」は「KY(空気が読めない)」「産む機械」「事務所費」「ナントカ還元水」「お友達内閣」「ミスター年金」「背水の陣内閣」「身体検査」「オグシオ」「かわいがり」「サミング」「欧米か!」「おしりかじり虫」「ルー語」「そのまんまショック」など。

(日本新語・流行語大賞の公式サイトはこちら→ http://singo.jiyu.co.jp/index.html

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どげんかせんといかん

「2007年ユーキャン新語流行語大賞」大賞語。受賞者は東国原英夫・宮崎県知事。県知事に就任した東国原英夫は、そのキャラクター・知名度を活用し、また旺盛な行動力で精力的に宮崎県をPR。

マニフェストに掲げたように、「宮崎のセールスマン」ぶりをいかんなく発揮した。2007年1月、県議会での所信表明で「停滞のもととなった古いしがらみからの解放が必要」「宮崎をどげんかせんといかん!」と力説。また、「テゲテゲ(いい加減)では地域間競争に勝ち残れない」と方言を交えながら説いたのであった。

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そのまんまショック

前職の官製談合・汚職を受けて行われた宮崎県知事選において、そのまんま東(東国原英夫)候補が有効投票の44%を獲得し圧勝したこと。全国的な与党への逆風がショックとみられた。

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ミスター年金

元経済誌記者の調査能力を活かし、“ミスター年金”こと長妻昭議員が、年金問題を徹底して追及。基礎年金番号に統合されていない記録は5000万件にのぼると見られ、これを長妻議員が国会を舞台に追及。“消えた年金”“宙に浮いた年金”が大きくクローズアップされた。

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ハニカミ王子

「2007年ユーキャン新語流行語大賞」大賞語。受賞者は石川遼選手。2007年5月20日に行われた男子プロゴルフツアー「マンシングウェアオープン KSBカップ」。15歳8カ月の最年少記録で優勝した杉並学院高校1年の石川遼選手の愛称が“ハニカミ王子”。名付け親は優勝したマンシングウェアオープンKBSカップで実況を務めた瀬戸内海放送の多賀公人アナウンサー。

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小島よしお

サンミュージック企画に所属するお笑いタレント。「2007年ユーキャン新語流行語大賞」トップテン語である「そんなの関係ねぇ」の受賞者である。その小島よしお、海パンだけを身にまとい、軽快なリズムに乗せて自分を奮い立たせるように「でも、そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!」と連呼する。

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KY(空気が読めない)

Kは「空気」、Yは「読めない」の略。1年さかのぼるとことばの定義が変わる。2007年版の『現代用語の基礎知識』では「KY」は「空気を読め」といった意味だった。ところが次第に「あいつKYだ」のように「空気を読めない」あるいは「空気を読めないヤツ」の意味で使われるようになり、2007年9月に辞任した安倍首相に関して頻用されたことから、一般に広まった。年間ノミネート60語に選ばれながらも、惜しくも受賞語とはならなかった。

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KY式日本語

年間ノミネート60語に選ばれながらも、惜しくも受賞語とはならなかった「KY(空気が読めない)」に代表されるように、若者のあいだやネット空間を中心にローマ字略語が流行している。MK5は「マジにキレる5秒前」。PKは「パンツ食い込む」。NDは「人間としてどうよ」、PTAは「パンツ・タイツ・網タイツ」、春はABは「春はあけぼの」。こういう略語は今に始まったものでもないらしく、旧日本海軍のあいだでは、「MMK」(モテてモテて困る)なる隠語が流通していたという。

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