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聖なる地はいつも人々を魅了してきたものですの用語集

それぞれにそれぞれの聖地があるの用語集

聖地  sacred place

2001年版本誌掲載。以下、

人間の個人・集団によって宗教的・精神的に尊いものとされる場所。すべての宗教は聖地をもっている。多くの場合、そこには、人工的施設またはその遺跡がある。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖なる場所が集中・混在しているエルサレムはその典型。カトリックのバチカンやルールド、ヒンズー教のバラナシ(ベナレス)、イスラム教のメッカとメディナ、仏教のルンビニー、サルナート、ブダガヤ、クシナガル、チベット仏教のラサなど。沖縄のウタキ、神社神道の伊勢、日本仏教の比叡山・高野山・身延山なども聖地といえる。アイヌ民族は特定の川などを聖地としている。宗教以外でも、芸術・学問・文芸などで特にすぐれた人が出たところを聖地とすることもある。

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エルサレム  Jerusalem

ユダヤ、キリスト、イスラムの各宗教にとって共通の聖地。ユダヤ教徒にとっては、紀元前にユダヤ王国が築かれた栄光の地であるとともに、ローマ帝国によって滅亡させられ、民族離散の悲しみの象徴でもある最も重要な聖地「嘆きの壁」がある。キリスト教徒にとっては、聖墳墓教会(ゴルゴタの丘の教会)がある。また、イスラム教徒にとってはムハンマド(マホメット)が一夜昇天したといわれるモスク(岩のドーム)があるなど、メッカ、メジナに次ぐ第3の聖所である。

1947年の国連パレスチナ分割決議では、エルサレムを特別国際管理地区と定めた。しかし、48年のパレスチナ戦争の結果、エルサレムはイスラエル占領下の西半分(新市街)とヨルダン占領下の東半分(嘆きの壁、岩のドームなどを含む旧市街と周辺)に分割された。さらに67年の第3次中東戦争でイスラエルは東エルサレムとヨルダン川西岸全域を占領、全エルサレムを占領下に置いた。以後イスラエルは、政府機関、国会もすべて、エルサレムに集め、80年7月30日、エルサレムを首都とするエルサレム法を制定したが、日本を含む世界の大半の国は認めず、テルアビブに大使館を置いている。87年11月、京都で開催の世界歴史都市会議にも、エルサレム市長は招待されなかった。

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メッカ  Mecca

1970年版本誌掲載。以下、

サウジ・アラビアの西部、紅海に近いヘジャーズ地方の都市。マホメットの生地で、イスラム教最高の聖地。一般に、転じて、あこがれの地といった意味で使われることば。

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ルンビニー  Lumbini

ヒマラヤ山脈を望むネパールにある村。釈迦生誕の地。仏教の八大聖地の1つでもある。

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バラナシ

ガンジス川が南北に流れるインドの町。ベナレスともいう。釈迦が悟りを開いてから7日目に訪れたというヒンズー教の聖地であり、世界中のバックパッカーが通る聖地でもある。ヒンズー教が瞑想と儀式に用いてきたため、大麻(ガンジャ)王国。かつて合法であったが、1989年からは非合法となり、逮捕状無しで麻薬所持者が逮捕されるにもかかわらず、手に入りやすく、バッグパッカーの間で横行する。ほかにバックパッカーの聖地としては、タイの首都バンコクのカオサンが有名。

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高野山

本誌2005年版掲載。以下、

高野山は、和歌山県北東部にある標高800m前後の山上大地に広がる霊場であり。比叡山、恐山と並ぶ三大霊場のひとつ。817(弘仁8)年に真言宗の開祖・空海が開山した。山岳修行者であった空海はここを修繕の地とし、密教の教えを高めていった。平安末期以降、高野聖(ひじり)とよばれる遊行僧によって各地で高野山を現世の浄土とする信仰と空海を敬う弘法大師の信仰が広まり、高野山詣でが盛んになる。その後、江戸期まで隆盛を続けた。

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サンクチュアリ/聖域

サンクチュアリとは、中世において法律の及ばなかった寺院・教会をさした。「不可侵な領域」を意味する。ベトナム戦争当時、アメリカ側が攻撃をさしひかえた北ベトナムの人口密集地域のこともサンクチュアリといった。「バード・サンクチュアリ(鳥)」「南氷洋サンクチュアリ(鯨)」のように鳥獣保護区・禁猟区の意で用いられることも多い。

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ザイオン国立公園

アメリカ・ユタ州にある国立公園。渓谷や断崖などの景色が美しいスポット。ザイオン(Zion)とは、古代ヘブライ語で聖域・避難所を意味する。ちなみに映画『マトリックス』シリーズで主人公ネオ(キアヌ・リーブス)達が守ろうとした「目覚めた人」達の町の名もザイオン。

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