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戦いは深刻じゃなければとびきりのお祭りだ

ワールド・ベースボール・クラシック

30年発言

1次リーグが行われる前に、イチローが「向こう30年は日本に手は出せないな、という感じで勝ちたいと思う」と発言したことに対し、韓国が敏感に反応。ライバル心をむき出しにし、試合中もイチローの名が呼ばれるとブーイングの嵐が起こり、あたかも遺恨試合の様相を呈するなか、日本は韓国に2連敗。「日本が3回も同じ相手に負けることは決して許されない」と、イチローはチームを鼓舞し、準決勝では韓国を6-0で降す。続く決勝ではキューバに10-6で勝利し、日本は初の世界一に輝いた。

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マウンド上の太極旗

太極旗は韓国の国旗。2次リーグで2度目の日本への勝利を決めた韓国人選手は、ビクトリーランの後、マウンド上で太極旗をかざし、韓国人メジャーリーガーのソ・ジェウンがそれをマウンドに突き立てた。それは、その様子をタッグアウトで最後まで見届けたイチローが「僕の野球人生でもっとも屈辱的な日」と語り、のちに松坂が「言葉もでないほどショックで、屈辱で震えそうになった」というほどの光景であった。そして迎えた準決勝は、3度目になる日韓戦。そこがサンディエゴであるとは思えないほど、スタンドは韓国の応援で満席。太極旗がいたるところで振られ、太鼓が鳴り響くなか「テー・ハ・ミングッ」の声が大反響し、日本へのブーイングが飛び交う。そんななか「巨人−阪神戦の甲子園はもっとすごい」と会見で不敵に笑った上原は、完璧な投球で韓国を抑えきり、結局6-0で韓国を下したのだった。

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誤審騒動(野球)

北中米、アジア、欧州、アフリカ、豪州などから16カ国・地域が参加する国別対抗戦とはいうものの、大リーグ機構(MLB)主催で「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための大会」と揶揄されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。大会が進むにつれて何度か誤審と思われる判定が続き、32人の審判のうち22人がアメリカ人であったこともあって、「まるでアメリカを勝たせんとしている」との穿った見方もされた。2次リーグの日本−アメリカ戦では、日本が8回表同点で迎えた1死満塁。タッチアップで勝ち越しのホームを踏んだ3塁走者西岡であったが、塁審のセーフの判定にアメリカ監督が猛抗議。球審は判定を翻し「アウト」とされてしまった。アメリカ−メキシコ戦でも同じ球審(この時は塁審)により誤審判定が下された。しかしこの誤審が各国のアメリカに対する闘志を煽る結果となり、結局アメリカは2次リーグで敗退となった。

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世界最強アマ

キューバ代表の異名。2001年ワールドカップ、02年インターコンチネンタル杯、03年ワールドカップ、04年アテネ五輪、05年のワールドカップと5年連続して優勝。キューバでは野球は国技であり、国を挙げて若手選手の育成、強化に取り組んでいる、まさに無敵の軍団だ。しかしカストロ議長の革命政権下にある共産主義国家において、選手はいわば「国家公務員」的存在であり、あくまで「プロ」ではない。月給も日米選手とは比較にならず2000円ほどと伝えられる。それでも代表選手は特権階級であり、キューバの貧困社会から抜け出すには、野球選手になることが一番の近道といえる。国外へ活躍の場を求めるのは難しいが、亡命しメジャー入りを企てる選手も後を絶たない。

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ドミニカ共和国

メジャーリーガーで、アメリカ人の次に多いのがドミニカ人。一般の野球ファンは、日本・アメリカ・キューバなどを優勝候補と認識していたが、実は隠れた(?)優勝候補であった。

国別対抗戦であるWBCにメジャーで活躍するドミニカ出身選手の出場国が注目されるなか、ドミニカ共和国の代表候補にも入っていたヤンキースのアレックス・ロドリゲスはアメリカ代表として出場。アメリカ対ドミニカ共和国は決勝戦でのみ可能性のあるカードであったために実現せず、優勝候補と目されていたドミニカも、結局準決勝でキューバに敗れた。

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