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誰かの名前がついてるコトバ

初めての人に敬意を表する○○のアイテム集

デンプシー・ロール

マンガ『はじめの一歩』(森川ジョージ・著、講談社)で主人公が会得した必殺技として有名になったテクニック。1920年代に活躍した伝説的世界チャンピオン、ジャック・デンプシー(ヘビー級・アメリカ)が編み出した。上体で8の字を描くようにウィービング(左右に動いてパンチをよける動き)しながら、それに合わせて左右のフックを打つ。ちなみにジャック・デンプシーという中南米産の魚は、その獰猛な性質ゆえにこのボクサーの名がつけられたもの。

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吉田肉腫

1960年版本誌掲載。以下、

東京大学医学部教授(病理学)吉田富三博士が、1943(昭和18)年長崎で発見したシロネズミの腹水癌、これは生きた癌細胞が腹水(腹腔にたまる液体)のなかで1個ずつ分離、浮遊して繁殖するもので、実験的に次々に他のネズミに移すことができる。癌の発生する機構を解明する研究に広く用いられ、特に癌の治療剤を検討するのに役立つ。なお吉田博士に対して59年に文化勲章が授与された。

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ジョーンズ骨折/下駄骨折

第5中足骨の疲労骨折の通称。サッカーのキック動作の際、この骨に負荷がかかりやすいためにサッカー選手によく見られる。骨折のメカニズムを発見したジョーンズ医師にちなんで名づけられた。2006年W杯ドイツ大会を直前に控えた3月、サッカー日本代表の中心メンバー・柳沢敦選手が同様の箇所を骨折したが、こちらは外傷性の骨折でもあり、「下駄骨折」(昔、高下駄をはいていた人が転んだ際に中足骨を骨折することが多かった)に近い。

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イナ・バウアー

1950年代に活躍したスケーター、イナ・バウアー(旧・西ドイツ)が発明したテクニック。足先を180度開きながら片足を曲げ、もう一方の足は伸ばしたまま滑走する。2006年のトリノ・オリンピックで、女子フィギュ・シングルで金メダルを獲得した荒川静香が得意とする。彼女の行う同技は背中を反り返らせる点が特徴で、レイバック・イナバウアーと呼ばれる。人名を冠したフィギュアのテクニックは、ビールマン・スピン、アクセル・ジャンプ、サルコウ・ジャンプ、ルッツ・ジャンプとイナ・バウアーを含めて5つある。

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バサロ・キック

1988年のソウル・オリンピックで金メダルを獲得した鈴木大地が得意としていた泳法(スタート法)。スタート後、仰向けの状態で腕を推進方向に伸ばし、潜水したままドルフィン・キックだけで進む。水泳では一般的に、水上に出ている部分は浮力がかからないために大きな抵抗であると考えられる。バサロ泳法は、水上に身体を出さないことで抵抗を軽減し、アドバンテージを得るもの。88年当時はバサロ・キックで20〜30mくらい進んだのちに水上に浮かび上がり、通常の背泳ぎに移行するのが主流であったが、その後、健康上の理由(無酸素で泳ぐことの危険性)などからバサロ・キック(に限らず、平泳ぎ以外での潜水)は15m以内とされた。

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モリスエ

体操(平行棒)の技。「棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持」。ロサンゼルス・オリンピックの体操競技・鉄棒で金メダルを獲得した、森末慎二が開発した。体操の技の名は、開発した選手の名前が付けられるので、数々の有名選手の名を冠した技がある。トカチェフやコバチ、ギンガー、イエーガー、ゲイロード、ヤマワキ、タナカ、コマネチ……などは誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

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