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流行語大賞からキーワード
 

自己責任

金融規制緩和

自己責任という言葉が盛んに使われだしたのは1980年代後半、金融分野の規制緩和が行われてから。従来の政府主導型の経済社会から、消費者が自己責任の原則の下で適正に判断して選択するという経済社会への転換となった。事業者にとってはより自由な商品設計を認められることとなり、これは消費者にも有益なこととなった。また消費者には、多様な商品のなかからリスクを負うこと、利益追求の選択眼を養うことを求められるようになった。

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情報利用における自己責任原則

ウェブ上の情報を利用した結果、利用者がなんらかの不利益をこうむったとしても、利用者の判断と意思にもとづいてなされたものであり、情報提供側は責任を負えないということ。インターネットにより、個人レベルでの情報収集および情報発信能力は飛躍的に増大したが、違法または有害な情報を受信したり、不用意に自らの個人情報を公開し、思わぬ被害に遭うことも増えており、情報を受発信することに対するリスクと責任を問われる。また2005年4月から施行される個人情報保護法に基づいて企業はプライバシーポリシーの作成が急がれるが、ウェブ上でもプライバシーポリシーとともに情報利用における自己責任原則が告知されることが多い。

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保証外です

パソコンの世界では自己責任が当たり前。パソコンの拡張や改造をしてしまうと、たとえそのことが原因ではない故障が起きても、大抵はメーカーの保証を受けられなくなる。例えば、ソフトのインストールや悪意あるネットのHPによってブラウザクラッシュさせられたとしても、JAVAをオフにしておかなかった利用者の責任。取り扱いミスや落雷被害も保証対象外であり、保証期間中だからと修理に出したパソコンでも「故障ではなく破損なので保証対象外」といわれることも。扱いの難しい商品を作るメーカー側の自衛手段ではあるが、消費者側も慎重な取り扱いで自衛するしかない。

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三馬鹿

2004年4月にイラクで武装グループに拉致された3名を、口さがないネット住人はそう呼んだ。フリージャーナリスト、市民団体代表、ボランティア活動家というそれぞれの役割を持った3人であったが、イラクからの退避勧告が出されている状況下で危険を承知のイラク入りであったことで、政府高官からも「自己責任」の考え方に基づき、イラク入りそのものを批判する発言がなされるなど、人質3人とその家族に対しても批判の声があがった。

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自作自演

2004年4月、イラクで邦人3人が人質となった事件の報道が始まってから無事解放にいたるまでは、情報が錯綜し、何の進展もない日を重ねるにつれ、自作自演ではないかとの疑念がささやかれた。自作自演とは文字通り自分で作って自分で演じるという意味で、言葉にもともと悪い意味があるわけではないが、オウム真理教が、南青山総本部に火炎瓶投げ込み事件を自ら起こしたり、地下鉄サリン事件で「ハルマゲドンを自作自演」したことで、マイナスの印象の強い言葉になってしまった。ネットでは、掲示板などで自分で書き込み自分で返信する自作自演行為が、自分の意見に同調する人が多いかのようにみせるために行われたりする。

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プロ市民

元来は「地域に根ざし、地域のことに主体的にかかわり責任を果たし続けることを引き受けた人」を指す言葉として、まちづくりの主体者として市民に自覚を持ってほしいとの意から佐賀県鹿島市長によって使われ始めた語。現在は職業的活動家を指すことが多く、自分勝手な使命感を振りかざす活動家やヒステリックな活動団体を揶揄するために用いられることが多い。

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聖職者協会

イスラム教スンニ派法学者の組織。1953年に設立され、一時活動休止状態となっていたが、2003年のイラク戦争後に活動を再開した。2004年4月にイラクで起こった2つの日本人人質事件で、人質の無事解放に大きく貢献した。聖職者協会は米軍の占領に反対しているが、米国に協力していない外国人は解放するようにと呼びかけ、「イスラム法に反する」などとして日本人の開放を武装グループに要求した。相次ぐ外国人拉致事件に、日本以外の国からも一目おかれ、人質交渉を依頼した国もあったといわれた。

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イラクの中心で、バカと叫ぶ

イラクで武装グループに銃撃されて亡くなったフリージャーナリスト橋田信介さんの著書。非合法で空爆下のイラクに潜入し、日本人人質事件のあとは新聞社もテレビの取材もいなくなってしまった戦地での情勢を伝える。また世界各地の戦場を取材した原稿を夫人がまとめた「世界の戦場で、バカと叫ぶ」も発刊され、収益の一部は「橋田メモリアル・モハマド基金」に寄付されるという。

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モハマドくん

橋田信介さんは、戦闘に巻き込まれて左目を負傷した9歳のモハマドくんと知り合い、日本での治療を計画。その遺志を妻の幸子さんが継ぎ、モハマドくんの日本での治療が行われた。眼球内の水晶体が傷つき、外からの光が網膜に届きにくくなっていたため、水晶体に付着した膜を取り除く手術を静岡県の聖隷沼津病院で行い、2度目の来日で角膜を移植するなどの再手術を杏林大病院で行った。経過は良好。

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香田証生さん

自衛隊撤退を要求するイラクの武装グループによって拉致され、殺害された。イラクでの犠牲者は、外交官2名、フリージャーナリスト2名に続いて5人目。遺体は頭部と胴体が切断されており、この殺害映像をアルカイダを名乗る組織がネット上で公開した。アルカイダはウサマ・ビン・ラディンを指導者とするイスラム原理主義の国際武装勢力。また2004年12月にこの殺害映像をTBSラジオが主催したイベントでKLACKというビジュアル系バンドが延々と映し出し大問題になった。

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