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アテネ・オリンピックのキーパーソンからキーワード
 

野口みずき  のぐち・みずき

1978年7月3日生まれ。神奈川県出身のマラソン選手。

ストライド走法

マラソンなど陸上競技の走り方の一種。走るときの歩幅を広めにとり、飛びはねるように走るため、全身のバネ、筋力を必要とする。一方、シドニー・オリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子をはじめ、日本人の多くが採用しているピッチ走法は歩幅を狭くし、脚の回転数を速くすることでスピードを出す走法。一般に長身者にはストライド走法、短身者にはピッチ走法が向くと言われるが、野口は150cm、40kgという小柄な体ながら抜群の筋力を生かしたストライド走法でアテネの女王となった。

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伊勢神宮

三重県伊勢市にある神社で、正式名称は「神宮」。2000年前、皇居に祀られていた皇祖神、天照大御神が皇女とともに各地を回られ、最後にこの場所に鎮座したといわれる。内宮には天照大神、外宮には衣食住の神、豊受大御神が祀られている。一般には「お伊勢さん」と呼ばれ、正月3が日で60万人前後の初もうで客が訪れるという日本有数の神社。野口は三重県伊勢市の出身で、アテネ・オリンピックでは両親から贈られた伊勢神宮のお守りをパンツに縫い付けて走った。

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空飛ぶマグロ

老若男女を問わず人気が高く、日本の食文化に欠かせないマグロであるが、日本の沿海漁業・遠洋漁業だけではその需要を賄いきれない。必然的に海外からの輸入にも頼らなければならないが、空輸されるマグロを指して「空飛ぶマグロ」と呼んだりする。この「空飛ぶマグロ」については、ODA批判の材料としても使われてきた。曰く、ODAを海外の漁港・冷凍設備など投下する。そして現地の貧しい人々を低賃金で雇い、漁業資源を日本に輸出してしまうというものである。しかし、それが本当に現地からの搾取にあたるのかについては、感情的ではない慎重な検証が求められる。

ちなみに多くの日本人と同しく、野口みずきもマグロの赤身が大好物で、アテネからの帰国会見でも「日本で何をしたいか」と問われて「マグロの刺身が食べたい」笑顔で話した。

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失業保険

働く意思があるにもかかわらず、仕事がない人に対して支給される公的保険。野口は1998年、師事していた藤田信之監督を追う形で当時所属していたワコールを退社。移籍先がなかなか決まらず、一緒にワコールを退社したコーチや選手とともに貯金を取り崩し、失業保険を受給しながら生活していた。その間、唯一出場できた犬山ハーフマラソンで優勝。その後も松江レディース、士別ハーフマラソンなどハーフマラソンの大会で好走を続けたことが後のマラソンにつながったという。

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三村仁司

1948(昭和23)年8月20日、兵庫県生まれ。67年、オニツカ(現・アシックス)に入社。自らの陸上選手経験からシューズ作りに取り組む。アシックスは49年創業のスポーツ用品メーカーで、77年にオニヅカ株式会社ほか3社が合併して現社名となる。本社は兵庫県神戸市。同社内には特注品の開発を担当する部門があり、そこで陸上のリロイ・バレルやロサ・モタ、サッカーの“妖精”ストイコビッチなどをはじめ、イチローや高橋尚子の靴を手がけてきた。

三村氏は社内でただ一人認められた「グランドマイスター」で、野口がアテネ・オリンピックで使用した靴も三村氏の手によるもの。野口は試合前夜その靴を抱いて寝、優勝を決めたときにはキスをするほど愛着を持っていた。

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ツチノコ

幻のヘビと呼ばれる正体不明の生物。ノヅチなどとも呼ばれ、昔から多くの目撃証言があるものの、未だ捕獲されたことはない。証言の中で多いのは、体長40cmぐらい、ビール瓶のようなずん胴の体で、ヘビのような頭と尻尾がある、蛇行せずジャンプする、といったもの。今までにツチノコではないか、と言われたものは大抵ヘビやトカゲの奇形で、存在自体を否定する人も多いが、一方でツチノコ発見者に多額の賞金を出すという団体もある。野口はアテネ・オリンピック前のスイス合宿でこのツチノコを目撃したと発言、報道陣を驚かせた。

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春城

中国南部の省・雲南省の省都である昆明。自然豊かな歴史の町であるとともに、人口400万人の大都市でもある。東南アジアの交通の要所として栄え、東京からも直行便が出ている。マラソンのトレーニングでは心肺機能や持久力の向上を目的として高地トレーニングを行うことが多い。昆明は海抜約1900m、年間平均気温14.5℃という一年を通して穏やかな気候ゆえに「春城」と呼ばれるほどで、日本との時差が1時間という好環境なので多くのランナーが訪れている。野口も2002年大阪国際マラソンやアテネ・オリンピックのレース前には昆明で合宿を行った。

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ハイテク魔法びん

野口の所属チームのスタッフは、アテネは気温が高くなることが予想されるため、給水が勝敗を分けるポイントになると判断。「中身が温まらず、体にかける冷却水と水分補給用のスペシャルドリンクを一緒に取ることができる」ボトルの開発を象印マホービン(株)に依頼した。出来上がってきたのが魔法びんの中にストローつき小型ボトルが内臓されたハイテク魔法びんだった。

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