期待の若人衆＆復帰組

◆和製ロナウド

2004年3月13日対磐田戦でＪリーグ最年少デビューを果たした森本貴幸（15歳10カ月6日。従来の記録はＪ2広島の高萩洋次郎の16歳8カ月3日）。東京ヴェルディ所属。ロナウドとは世界最強と言われるレアルマドリードのブラジル代表ＦＷ。しばしば「怪物」と称されるが決して大げさな物言いではなく、その得点能力は世界のトップ選手の中でも群を抜く。森本のパフォーマンスも中学生のそれを逸脱しているのは明らかだが、Ｊリーガーとして、日本人としての規格を大きく逸脱するような怪物になって欲しいものだ。因みに初代（？）和製ロナウドの矢野隼人選手も元東京ヴェルディ所属。

◆天才ゴルフ少女

宮里藍は03年ダンロップ女子オープンで優勝。アマでの制覇は30年ぶり2人目の快挙。03年10月、史上初の現役高校生女子プロゴルファーに。04年3月ツアー開幕戦でプロ初勝利。女子ツアーの最年少優勝記録を更新。沖縄県国頭郡出身。1985年6月19日生まれ。レッスンプロの父の指導で4歳からゴルフを始める。98・99年沖縄県女子ゴルフ選手権連覇。99年全国中学校選手権優勝。聖志、優作の2人の兄もプロゴルファー。

◆ノルディック複合

高橋大斗（土屋ホーム）は04年3月、フィンランドのラハティで行われたワールドカップ個人第18戦スプリントで初優勝。日本人選手の優勝は、96年2月荻原健司以来8シーズンぶり3人目の快挙。1980年12月16日生まれ。秋田県阿仁町出身。ノルディック複合はジャンプと距離の2種目の総合成績で順位を決めるスキー競技。瞬発力と持久力の両方を必要とするため、この勝者は「キング・オブ・スキー」と讃えられる。競技は原則1日目にノーマルヒルのジャンプ、2日目にクロスカントリーを行う。個人戦と団体戦があり、ジャンプの得点を時間差に換算して、距離をスタートさせる「グンダーセン方式」をとっている。このほか、1日でジャンプ1本と距離（7.5km）を実施する「スプリント」、前半に一斉スタートで距離を行い、後半にジャンプという「マススタート方式」も行われている。

◆4回転サルコウ

04年3月フィギュアスケートの世界ジュニア選手権女子シングルで初優勝した安藤美姫（愛知・中京大中京高、オリオンクラブ）。彼女は中学2年生だった02年12月、女子選手としては公式競技会で史上初めて4回転サルコージャンプを成功させ話題に。世界ジュニアの優勝は日本女子としては太田由希奈（京都醍醐クラブ）に続き、史上4人目。87年12月18日名古屋市生まれ。サルコウはフィギュアの主要なジャンプ6種類（アクセル・ループ・トゥループ・フリップ・ルッツ・サルコウ）のうちのひとつ。往年の名選手、ウイリッヒ・サルコウの名からきている。

◆メグ・カナ

03年11月のバレーボール・ワールドカップで、日本躍進の原動力となった19歳コンビの大山加奈と栗原恵はお互いをこう呼び合っているという。パワー溢れるスパイクが持ち味の大山加奈は84年6月19日東京都生まれ。身長187cm。東京・成徳学園高卒。Ｖリーグ東レ・アローズ所属。栗原恵は84年7月31日広島県能美町生まれ。身長186cm。山口・三田尻女子高卒。ＶリーグＮＥＣ・ブルーロケッツ入団。04年5月の五輪最終予選に二人の活躍が期待される。

◆異色のF1ドライバー

04年からラッキーストライクＢＡＲホンダの正ドライバーとしてフル参戦する佐藤琢磨。1997年1月28日生まれの佐藤は中学から自転車レースに出場し始め、和光学園高では自ら自転車部を創部しインターハイ優勝。早大で全日本学生選手権4000m速度競争優勝。96年にカーレーサーへ転向するが、幼い頃からカートなどのレース経験を積むことが多いドライバーの中では異色の存在。98年全日本Ｆ3に参戦し、同年7月単身渡英。01年英国F3にて総合優勝を果たし、日本人初の欧州開催のF3王者となる。02年はジョーダン・ホンダの正ドライバーとしてF1参戦するが、翌年はＢＡＲホンダのテストドライバーとして契約。テストドライバーとなることを一歩後退と捉える向きもあったがチームの資金不足からほとんどテスト走行ができなかった02年を顧みて、03年はリザーブドライバーを選択。多くのテストランをこなすことでスキルアップ。04年には見事正ドライバーに復帰。

◆ＳＨＩＮＪＯ

3年間のメジャー経験を引っさげて04年から日本球界に復帰した、新庄剛志の登録名。札幌に移転した日本ハムの目玉選手として、野球だけでなく私生活も含めてオフシーズンから話題を独占。練習やオープン戦ではこれまでにない観衆が集まり、北海道経済の起爆剤としても大いに期待されている。1972年1月28日生まれ。福岡県出身。西日本短大付属高卒。右投げ右打ち。89年ドラフト5位で阪神タイガース入団。初スタメンの初打席、初球でホームランを打つというド派手なプロデビューを飾ったのはいかにも新庄らしいエピソード。ゴールデングラブ賞7回（93、94、96〜00年）、ベストナイン2回（93、00年）。2000年のＦＡ宣言時には複数球団から破格の条件提示を受けながら、あえて低条件のメジャーリーグへ挑戦した。

◆大魔神

いわずと知れたハマの大魔神・佐々木主浩も04年からの復帰組。「選手生活もそれほど長くなくなり、日本で子供たちと一緒に過ごしながら野球をしたい」と1年の契約を残して帰国。剛速球と落差の激しいフォークが売り。00年移籍先のシアトルマリナーズで大リーグ新人記録となる37セーブを挙げ、ア・リーグ新人王獲得。抑えの切り札としてチームのプレーオフ進出に貢献。メジャー通算成績は7勝16敗129セーブ、防御率3.14。1968年2月22日宮城県生まれ。東北福祉大卒。90年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ（現横浜ベイスターズ）入団。野茂のはずれ1位だったことは以外に知られていない事実。