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「2003年日本新語・流行語大賞」からみる〈流行り〉のキーワード
 

バカの壁(トップ10)

受賞者:養老孟司さん(東京大学名誉教授・解剖学者)

2003(平成15)年、書店には「バカ」本がずらりと並んだ。呉智英『バカにつける薬』、小谷野敦『バカのための読書術』、立花隆『東大生はバカになったか』、勢古浩爾『まれにみるバカ』そして勝谷誠彦『バカとの闘い』など。「バカ」本といっても、もちろん内容はまじめで、多岐にわたっている。このような「バカ」本ブームの強力牽引車となったのが、『バカの壁』(新潮新書)である。まさに「バカ」売れで03年のベストセラーとなった。「自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています。これも一種の『バカの壁』です」といい、「これをそのまま広げていった先に、戦争、テロ、民族間・宗教間の紛争があります」と喝破する。

馬鹿は死ななきゃなおらない

1937年の用語

ラジオで、広沢虎造の浪花節「次郎長外伝」が大人気となった。その中のセリフ「飲みねえ飲みねえ、スシ食いねえ」「馬鹿は死ななきゃなおらない」が流行。

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1億総白痴化

1956年の用語

「1億総懺悔」をもじった大宅壮一による造語。昭和28年開局したテレビは、飛躍的な普及を見せた。当然テレビの青少年をはじめ社会に対する影響が問題にされ、番組の低俗さが批判の対象となった。

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スキゾ・パラノ

1984年 新語部門・銅賞

受賞者:浅田 彰(京都大学助手)

ニューアカデミズムの旗手といわれた浅田が、人間の特質を、スキゾ人間とパラノ人間とに分類した。スキゾ人間とはいろいろなことに興味をもち、ひとつのことにこだわらない人。パラノ人間はひとつのことに熱中して、ほかのことは全く考えない人。

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ネバカ

1985年 新語部門・表現賞

受賞者:諸井 薫(エッセイスト)

「オールナイターズ」「おニャン子クラブ」など女子大生・女子高校生ブームが真っ盛りの世相を痛烈に批判した新語。大人におだてられ、舞い上がっている女子高生たちを“根っからのバカ”と指摘。

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知の基準

本誌1971年版

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十三無

本誌1985年版

学生の知的低下が目立つ。学生新聞の連合機関が全国1万人の学生を対象に行った意識調査によると、定期購読している雑誌の1位から6位までが漫画雑誌、写真雑誌だった。学園祭の人気のある催しは、キャンパス一の美女は誰?ということであり、学問の意義や国際情勢を論じる集会を開いたら参加者はわずかに数名だった。そこから1960年代の三無主義(無気力、無関心、無責任)、70年代の四無主義、五無主義から、今や一三無主義だという。すなわち無関心、無気力、無責任、無感動、無抵抗、無批判、無能力、無作法、無学力、無教養、無節操、無定見、無思想である。ある学者は、写真や似顔絵を使い、プロ野球の世界を素材にして社会や人生を教えているが、まるでおとなが、子供に幼児語で話しかけているようなもの。

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ショッピング・バカ・レデイ

本誌1990年版

紙袋にありとあらゆるものを詰めこんでホームレス生活(要するに乞食のこと)を続けている女性のことをペーパーバッグ・レディというが、豊かな国・日本のOLやオバタリアンたちは、いまや外国で新ショッピング・バッグ・レデイとかショッピング・バカ・レディと呼ばれていることをご存知か?海外に行っても、ヴィトンやシャネルの店をひたすらハシゴするだけで何ひとつ見てこようとはしないバカ女性たち。そして、最近ではそれにかしずく軟弱な男たちも、次第にショッピング・バカ化しはじめている。

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