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お金があることとステイタスの現代史用語集
 

その昔“豊かさ”はアメリカからやってきたものだ

ヤッピー病  Yuppie disease

本誌1988年版収録

若くして都会に住む専門職(ヤッピー)のかかる病気。疲労、情緒不安定、時にリンパ腺肥大を示す。

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ヤップ  yap ← ヤッピー yappie

本誌1988年版収録

若いプロフェッショナル。young adult professionalsの頭字語。ヤッピー、ヤンピーと同じ層だが、それらより幅が広い。ベビーブーマーのうちのプロフェッショナルをさす。

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ヤッピー狩り  Yuppie hunting

本誌1988年版収録

かつて一世を風靡する感のあつた「ヤッピー」(young urban professionals)も、このところトンと影をひそめて元気がない。とくに大きな衝撃を与えたのは“ブラック・マンディ”で、それまで肩で風を切ってウォール街を闊歩していた”ヤッピー・トレーダー”(新人類相場師)たちも片っぱしからくびを切られ、「明日は我が身か」と戦々恐々としている。要するに、1960年代の“高度成長期”以降に生まれ育ったヤング世代たちであるが、彼らは、史上空前の「豊かな社会」(アフルエント・ソサエティ)的な状況の中で、驚異的な“ハイテク”(high-tech=高度先端技術)に守られて、何不自由なく暮らしてきたので、およそ“失敗”とか“挫析”とかいうものを経験したことがない。そのため、ウォール街に入っても実に強気の相場を張り続け、“旧人類”と呼ばれる経験豊かな先輩たちから、「株には“下げ”もあるのだから用心するにこしたことはないよ」と忠告されても、じつにクールな表情で緑色に光るコンピュータのディスプレイ装置を指さしながら、「コンピュータがこのような情報や統計を出しているのだから心配はない。そもそもあなた方(旧人類)はコンピュータを操作できるのか」と、かえって反撃してくるのが常だった。そして、案の定、一大“クラッシュ”(crash=崩壊)が襲いかかってきたのである。87年10月19日、ブラック・マンディのその夜から、かねがねヤッピー・トレーダーのことを苦々しく思っていた“オトナ”たちの厳しい“魔女狩り”が始まった。そのもっとも象徴的なものが月曜の夜の大虐殺と呼ばれるヤッピー層の大量解雇であった。まず、サロモン・ブラザーズが「一気に800人の人滅らしを断行する」と発表したのを皮切りに、L・F・ロスチャイルドも150人、メリル・リンチも300人……という具合にくび切りの連鎖反応が始まり、これまで「カネがすべて」といった感じのぜいたくな生活をしていた若いエリート社員たちの間に大恐慌がまき起こった。

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アフルエンザ  affluenza

アメリカで、ハイテク相場で大儲けしたために消費ゲームにあけくれて、親になっても庶民の金銭感覚とはかけ離れた子供を生み出してしまう異常な現象。affluent(豊かな)とinfluenza(流感)の合成語。

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インターネットバブル/ネットバブル(2001)

本誌2001年版収録

2000(平成12)年2月以前の、ネット関連銘柄株の高値をさしていわれる。その後、3月以降株価が急落し、インターネットバブルは崩壊した。アメリカにおいても、IT関連企業を取り扱っているナスダックの総合指数が、4月14日に史上最大の下げ幅を記録した。インターネットバブル期においては、投資家の成長期待感が過熱し、株価が1株当たり利益の100倍以上となるなど企業経営の実態とかけはなれた株価となったことや、企業側も安定的な成長ではなく、市場を重視し株価に基づいた時価総額の増大を最大の経営目標としていたところが多かったことなどの要因が複合してインターネットバブルが引き起こされたとされている。インターネットバブルが崩壊したことによってネット系企業は選別の時代に入り、IT革命は新たな局面に入りつつある。

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インターネットバブル/ネットバブル(2003)

本誌2003年版収録

2000(平成12)年2月以前の、ネット関連銘柄株の高値の状態をさす。その後、株価は急落し、インターネットバブルは崩壊した。インターネットバブルは、投資家の過剰な成長期待感が、有効なビジネスモデルをもたないベンチャー企業にまで及んだことなどから引き起こされたと考えられている。01年に入っても、成功したネット系企業の代表格であるアメリカ・ヤフー社の業績が大幅に落ち込み、市場関係者に「ヤフー・ショック」が起こるなど、ネット系企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。

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ITバブルの崩壊(2003)

本誌2003年版収録

1990年代にアメリカは年5〜6%の高原景気を実現し、「景気循環の終焉」を謳歌するニューエコノミー論も登場した。この好景気は、IT革命など経済知識集約化を先導する情報通信分野での技術革新と、それに世界中の資金が引き付けられて流入し、株価が継続的に上昇したことによる。しかし、01年度第2四半期から経済成長率はダウンし、01〜02年の成長率は1%前後に落ち込んだ。これはITブームのなかで過大な設備投資や過剰在庫が顕著になってきたことによる。そのなかで、01年末には新興総合エネルギー企業エンロン(資産総額約500億ドル)、02年7月には長距離通信大手企業ワールドコム(資産総額約1040億ドル)が、それぞれ経営破綻した。両社の総負債額は400〜500億ドルにのぼる。両社を含め、かなりの数の大企業が、販売高や利益の水増し操作、粉飾決算を行って株価をつりあげてきた事実が発覚し、ダウ平均株価も一挙に1万2000ドルの水準から8000ドル台へと3年9カ月ぶりの安値となった。ITバブルの崩壊のなかで、企業統治の改革、透明性確保が問われている。

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BCBG  Bon Chic Bon Genre 仏

本誌1991年版収録

BCはBon Chic良い趣味、BGはBon Genre良い階級の略。フランスでの上品な上流階級ルックを指す。アメリカのプレッピーや日本のJJと同じように、上流志向のヤングの保守的な装い。男性ならば細めのネクタイの三つ揃い。ひざ丈までの細身のチェスターフィールド。週末は、乗馬や狩りのためのジョッパーズやカナディエンヌなど。女性ではシャネル・スーツ、ディオールのフォーマルなど。

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パニナリ(paninari)

本誌1988年版収録

ブランド志向のスノッブな若者たちをミラノでは「パニナリ」という。もともとは、バー、パニーノに集まる中産階級の子どもを指す表現だったが、アメリカに英語の勉強に出かけた若者たちの好みを反映した服装、その生活スタイルがいつの間にか流行のブランドで身をかためた人たちの呼び名になった。現代のパニナリご愛用のブランドはベスト・カンパニーのトップ、ティンバーラントの靴、エル・チアロのベルト、エンポリオ・アルマー二のジーンズ。ブランドといってもアメリカン・カジュアル・ルックなのがミラノ的である。

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