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SARSだからといって疎んじるな!中国系のりっぱな《キーパーソンからキーワード》
 

チャイナタウン

中国人は世界中に進出し、現地に中華街をつくってきた。

横浜中華街

1859年の開港後、横浜に形成された外国人居留地(1899年廃止)が原型。住民は広東省出身者が大半を占める。関東大震災や空襲によって壊滅的な被害を受けるが、そのたびに復興を遂げた。1990年には、86年の出火で被害を受けた関帝廟が再建されたが、これに際しては長年にわたる大陸系・台湾系の対立を超えて、協力が行われたという。中国料理店の数は200軒前後。

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神戸南京町

神戸は1868年開港。1877年ごろから、現在の南京町付近に中国人が居住するようになった。有力な貿易商が同地の周辺に居住、戦前には活況を呈したが、空襲で消失。戦後はさびれた時期がつづいたが、1977年から観光地化が始まり、道路整備・春節祭などのイベントが行われるようになった。1995年の阪神・淡路大震災では町も被害をこうむったが、春節(中国の旧正月)には、被災者に無料で食事を振舞うなどの活動を行った。

横浜、神戸、長崎は、日本の三大中華街とよばれる。

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クアラルンプール(マレーシア)

メインストリートはプタリン通りとハンレキル通り。特徴は夜に開かれるバザールで、メインストリート一帯が、毎日夕方から歩行者天国になり、屋台が集う。クアラルンプールの中国系住民は広東人が中心だが、錫鉱山での労働を目的として移住してきた人々も数多い。ちなみにマレーシア全体の民族構成は、マレー系61%、中国系30%、インド系8%など。

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ジャカルタ(インドネシア)

オランダ植民地時代からの中心地・コタ地区グドロックにある。1965年の9・30事件(クーデター未遂事件。インドネシア共産党によるとされる)以後、インドネシアでは中国系住民に対して漢字の使用禁止など厳しい措置が取られていた。98年5月の暴動に際しては、中国系住民が多数被害にあい、チャイナタウンのシンボルだったショッピングセンターも全焼した。

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サンフランシスコ

世界でもっとも有名なチャイナタウンの一つ。メインストリートはグラント通り。800mほどの通りには、観光客向けの料理店や土産物屋が並ぶ。中国系住民向けの商店・学校なども多い。もっとも重要な行事は春節で、民族の枠を越えた同市の一大イベントとなっている。住民の高齢化などの問題も抱えている。

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ニューヨーク(マンハッタン)

メインストリートはキャナル通り。交通の便にも恵まれた観光スポットで、イタリア人街、ユダヤ人街などに囲まれている。もともと広東人が中心だったが、80年代以降、福建省周辺からの移民・密入国者が急増。東部方面に拡大して「小福州」と呼ばれる地帯を形成している。

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ホノルル

ハワイの中心都市。港町であるため、チャイナタウンも兵士・船員のための歓楽街としての一面を持つ。ハワイの中国系住民は、19世紀半ば以降に、サトウキビ農場での労働のために移住してきた人々の子孫が多い。広東省出身、なかでも革命の父・孫文(1866−1925)の故郷・香山地区の出身者が大勢を占める。孫文自身も1894年、ハワイで結社・興中会を結成した。

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バンクーバー

カナダ太平洋岸の中心都市。古くからアジア系移民の上陸地点だった。香港出身の中国系住民が多く、地名とのもじりで「ホンクーバー」と呼ばれることも。チャイナタウンは1971年に市から歴史古蹟区に指定。アジア系住民への差別を如実にあらわす「世界一幅の狭いビル」(1918年)が今も残っている。ちなみに同ビルの幅は1.8m。

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パリ

パリ南部の13区にある、きわめて新しいチャイナタウン。フランスの中国系住民は8割がパリに居住。13区には、70年代はじめ都市再開発によってあいついで高層マンションが建造された。しかし、入居者数が伸び悩んでいたところに、戦火を逃れたインドシナ(かつての植民地である)難民が大量流入した。難民の大半が中国系であり、現在フランスに居住する中国系住民の半数以上がインドシナ出身となっている。

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シドニー

オーストラリア最大の都市。同国は70年代半ばに政策転換し、アジアからの移民受け入れを積極的に行うようになった。シドニー南部にはディクソン通りを中心にチャイナタウンが形成され、また郊外のカブラマッタには、第2次大戦後、移民キャンプがもうけられたが、現在はシドニー第2のチャイナタウンとなっている。

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