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「宣言」に効き目はあるのでしょうかの現代用語集
 

時代を動かしてきた環境・公害に関する宣言

欧州自然保護宣言

本誌1971年版収録。以下、

公害規制のため、欧州20カ国が国際的共同行動を取ろうという、1970年2月のストラスブール会議(仏)の宣言。<1>欧州公害対策機関と公害基金の創設、<2>世界人権宣言に公害に「悩まされない権利」を盛り込む、<3>公害対策資金は産業界よりも個人負担がのぞましい、<4>汚染を最小限に止めるための実際的措置の必要、などを強調している。

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国際公害シンポジウム東京宣言

本誌1971年版収録。以下、

1970年3月12日、東京で、国際的社会科学者が人間の環境を第一義的に考え、公害を追放する宣言を発表。<1>公害は人災であり、犯罪であり、したがって決して「不可避的に」起こるものではない。<2>公害のない環境を享受する基本的権利を人間は主張しなければならない。<3>経済発展のテンポがたとえ遅れても公害なき環境を実現しなければならない、などがそれである。つまり、経済先行主義に汚染された現代管理社会への批判を明快にした宣言である。今後この宣言が具体的に定着することによって公害のない社会の実現が期待されている。

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人間環境宣言

本誌1971年版収録。以下、

1970年の国連人間環境会議の第1回準備会で、国際的に公害を防止し、人間の住みよい環境をつくるための宣言。その中で人類が健康な環境で生活する権利を訴えた「国際公害防止宣言案」を準備し、1972年6月のストックホルム会議で採択すること、国際的に公害情報を交換したり、公害測定の組織設定の必要をあげ、また公害追放は地域、国家、国際間の3つの水準で協力体制をとり、長期的な視野に立って「まず実行すること」に重点を置くべきだと強調している。

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産業公害宣言

本誌1972年版収録。以下、

日本生産性本部が1971(昭和46)年3月25日の理事会で採択した「産業公害と生産性運動に関する宣言」のこと。宣言は、公害防止についての知識の不完全さなどが、公害の発生を招いたと、これまでの生産性運動の進め方を反省するとともに、個別、企業別、産業別、地域別に労使協議機関を設け、労使ぐるみで防止に取組むことを提唱している。しかし、防止費用については、本来企業の負担としながらも、政府自治体による金融、財政上の助成措置も必要としている。

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日本環境宣言

本誌1980年版収録。以下、

1979(昭和54)年6月9日と10日の両日、東京で開かれた日本環境会議で発表された宣言。宣言文には、環境は、国民が健康を維持し文化的な生活を営むために基本的な役割を果たすもので、最高の公共財であり、その保全こそは最上位の公共性をもつ、と述べられている。

日本の環境汚染は「総じて改善の傾向を維持している」(昭和54年版環境白書)とし、公害問題の時代は終わり、これからは快適な環境(アメニティ)の確立だといわんばかりの環境庁の主張への批判となっている。宣言は、J・L・サックス・ミシガン大学教授提唱の環境権の思想をとり入れ、基本的人権として環境権を法制度で確立するよう求めている。

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