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“新しさ”と“古さ”をはかる基準と数字の特集
■著者 白鳥 敬

“新しさ”と“古さ”をはかる基準と数字の特集

肌年齢ってどうやって測る?

25歳は、お肌の曲がり角などと言いますが、実際はどうなのでしょうか? 肌が何歳くらいに相当するかを表すものに「肌年齢」があります。といっても、基準が明確に決まっているものではなく、肌の状態によっておおよそ何歳くらいに相当するかを決めているようです。

簡単な測定法に次のようなものがあります。頬に鍵などの金属でできた硬いものを10分間、押し当て、肌に残った跡がどれくらいで消えるかで測ります。跡が15分以内で消えるようなら肌年齢は10代、25分以内なら20代、35分以内なら30代、45分以内なら40代、それ以上、残っているようなら50代だそうです。(COSMATE.COMのホームページ、http://www.cosmate.comより)

男性と女性では、基準が違うとは思いますが、なんとなく気になりますね。

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精神年齢が低いなどというけれど…

「彼は精神年齢が低いから…」などという言い方をすることがあります。精神年齢ってなんだろう?一方に知能指数というものがあります。知能指数テストは、以前は、小学生などに対してよく行われましたが、最近は、プライバシーの問題などがあって、あまり行われなくなりました。

知能指数IQ(Intelligence Quotient)は、精神年齢÷実際の年齢×100で表されます。つまり、実際の年齢に対して精神年齢がどれくらいかということですね。精神年齢は、年齢ごとに、難易度が決められている問題をどの程度まで解けるかで判定されます。そういうわけで、知能指数は、実際の年齢と精神・知能がともに発達してゆく16歳あたりまでしか有効ではありません(その後は実年齢ばかりが増えてゆくので)。また、昔から「20歳すぎればただの人」と言いますから。

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ソメイヨシノ危機説

ソメイヨシノといえば、桜の中の桜ですが、その歴史は意外に新しく、江戸時代の末期に、東京駒込の植木屋さんが、交配して作り出した「新種」なのだそうです。ということは、桜を愛した西行が見ていたのは、ソメイヨシノではなく、山桜の一種だったでしょう。つまり今、私たちがイメージしている桜よりずっと地味な桜だった…。

ところで、このソメイヨシノは、人工的に作り出された花の弱みか、寿命が50年から60年しかないのです。それで、戦後まもない頃に植えられた東京の多くのソメイヨシノは、そろそろ消えてしまうのかもしれないと危惧されているのです。

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樹木年齢---年輪っていつ刻まれるのだ

ソメイヨシノは、寿命が50-60年と、意外に短いのですが、木ってどれくらい生きるのでしょうか。桜でも山桜は200-300年、松が500-1000年、杉は1600年、屋久島の屋久杉は2000-6000年以上も生きています。木の年齢を樹齢といいます。

木の年齢は、小学校の時に習った通り、年輪の数を数えれば一目瞭然です。春にかけて成長した部分は、柔らかく白い色をしており、夏に成長した部分は堅くて濃い色をしています。年輪は、四季の変化がはっきりしている温帯地方の木でははっきり見えますが、熱帯地方では、一年中成長しているので、年輪がはっきりとは見えないものもあります。

ところで、植林をした林の寿命は「林齢」といいます。これは、植えた年を1として順番に数えていきます。この「林齢」を5年ごとに区切って「齢級」という単位を使います。1年目から5年目までは1齢級の林というわけです。

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湖沼は老いるといわれるが…

湖、沼、池など、周囲が陸に囲まれていて、水のたまっている場所を湖沼と呼んでいます。この3つはどう違うのか、悩むところですが、一応、水深5mを超えるものを湖、3mを超え5mまでのものを沼、3m以下を沼沢(しょうたく)という定義があります。しかし、その境界線はあいまいなようです。

湖沼は、人間の生活に潤いを与えてくれ鳥や動物たちのかっこうのすみかとなりますが、その寿命はそれほど長くはないようです。しだいに土砂で埋まっていったり、水が少なくなっていったりして、その寿命は長くても数万年といいます。その中で、10万年以上の寿命をもつものを古代湖といいます。世界で最も長生きなのが、ロシアのバイカル湖の約3000万歳。日本では、琵琶湖が約600万歳で世界第3位の長寿湖です。琵琶湖は、現在も、漁業や観光で活躍していますね。老いてますます盛んといったところでしょうか。

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化石の年代を知る

化石などの年代測定でよく用いられているのが、「炭素14法」。普通の炭素よりもちょっと重い炭素14と呼ばれる物質は、自然に崩壊して別の物質に変わっていき、半分の量になるのに5730年ほどかかります。これを半減期と言います。大気中の炭素14の割合はいつも一定ですが、死んでしまった生物に取り込まれた炭素14は、時の経過とともに減っていきます。ですから、化石の中の炭素14の割合を調べると、その化石が生存していた年代がわかるのです。この方法で、数万年前までの年代を測定することができます。

でも、半減期が5730年程度ですから、「炭素14法」は、数億年といった“大昔”の年代については誤差が大きくなってしまいます。また、もちろんですがこの方法は有機物についてしか使えません(炭素を含む物質のみ)。もっと古い年代の鉱物などは、地球の年齢ほどの半減期をもつウランなどを用います。

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デジタルも劣化する!?

アナログと違ってデジタルは劣化しない。そう言われますが、そうでもなさそうです。

最近のPCには、CD-Rドライブが、普通に搭載されるようになってきました。CD-Rドライブは、普通のCDと違ってデータを書き込むことができるので、大きなサイズの動画などを保存しておくときに便利です。

しかし、CD-Rに保存しておくと完璧かというとそうはありません。このメディアはシアニンやフタロシアニンやアゾ系の化学色素を使って記録していますから、時の経過とともに劣化し、いつかはデータが読み取れなくなってしまいます。といっても、メーカーによれば、100年近くはデータを保持できるそうなので、現実的には問題なしです。ただし、日の当たるところに長時間放置し紫外線をたっぷり浴びると、データが消える場合もあるということです。

バックアップのバックアップをとっておななくてはならないなんて、デジタルも便利なのだか不便なのだか。

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デジタル時代の新しい単位---キビバイト

SI単位系では、10進法が採用されているので、数の大きさを表す接頭語は、1000倍または1000分の1になるごとに変わります。(一部には、10倍または10分の1ごとについている単位もあります)k(キロ)は1000倍、M(メガ)は、kの1000倍、という具合です。

ところが、2進法を採用しているコンピュータも世界では、ちょっとばかり端数が出てしまいます。たとえば、1KB(キロバイト)は、2の10乗ですから1024バイト。1MB(メガバイト)は、2の20乗ですから1048576バイトです。これまでは、k=1000、K=1024などと、大文字と小文字で区別したりしていましたが、M(メガ)はもともと大文字なので、10進なのか2進なのか区別がつきません。

そこで、2進のkをki(kibi、キビ)、MをMi(mebi、メビ)、G(ギガ)をGi(gibi、ギビ)とする表記が、1998年にIEC(International Electrotechnical Commission)で承認され、徐々にひろまっています。私のPCのハードディスクは、40ギビバイトです、などと使います。

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星の年齢・宇宙の年齢

人間の寿命は、たかだか80年くらい。中には、100歳以上も生きる人がいますが、ごくわずかです。それに比べて、自然は、「悠久」という形容詞があるとおり、人間の一生に比べて、格段に長いタイムスパンを持っています。

地球の年齢は、約46億歳、太陽の年齢は約50億歳であと50億年輝き続け、宇宙の年齢は約140億歳と、まあ、人間の命に比べれば「永遠」といってもよい長さです。2003年2月には、NASAが「宇宙の現在の年齢は137億歳で、今後、永遠に膨張を続ける」と発表しました。つまり、宇宙の寿命は「無限」ということです。 

「無限!」なんて! ま、日々の生活に汗を流している我々人間にとってはどうでもいいことかもしれませんが…

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原子時計よりも正確な時計ってある?

1秒の定義は、昔は地球の自転速度から決め、次いで、地球の公転周期から決め、現在は、セシウム原子の出す光の振動数を元にして決められています。そのセシウム原子時計の精度は、数十万年に1秒程度の誤差。最近、ブレークし始めた電波時計は、セシウム原子時計の刻む時刻を元に時刻を合わせています。

ところで、「10万年に1秒なんて、誤差の“大きい”時計はいやだ」と考えた人が、やはりいるもので、パルサーという天体の出すパルスから1秒を決めようという研究も進んでいます。このパルサー時の精度は、なんと10兆年に1秒。宇宙の年齢は137億年ですから、宇宙誕生の時にパルサー時計を合わせたとすると、現在、1000分の1秒ちょっとしか狂ってないのです。

こんな時計、だれが使う?

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